乗り心地がよく、走れるポルシェ

先日ブログに、このようなご質問を頂いた。

現在愛車が、991後期型のGT3なのだが、スポーツ走行はちょっとお腹が一杯気味だ。また家族からは「GT3の乗り心地が硬い」という不満が結構出ているので、『アシにも使えて遠くにも行ける、乗り心地重視のスポーツ系』を探している。
昔乗っていた968のように、ロールを許し、ソフトな乗り心地なのにコーナーは速い、そんなクルマが理想だ。
PASMつきの718は乗り心地が良いということだが、…助手席目線含めアドバイスが欲しい

とのこと。

GT3は本当に素晴らしいクルマだし、普段遣いしようと思えばできるけれども、乗り心地が硬く路面の凹凸がダイレクトに伝わってくるので、やはり助手席の人には結構辛いと思う。

高速道路を走ると、低速での乗り心地が一転、かなりフラットでなめらかな吸い付くような乗り心地になるけれども、ずっと高速で走るわけにはいかないもんなぁ。

いただいた質問について、私だったら、助手席に乗る人や家族のことも考えると、パナメーラがいいなぁと思う。

パナメーラの乗り心地は、他社のラグジュアリーセダンと比べると硬めだけれど、ポルシェの中ではかなりなめらかだ。パナメーラの助手席や後部座席に乗り、この乗り心地に不満を感じる人はあんまりいないんじゃないかなぁ。

むしろ、「乗り心地が悪い」というポルシェに抱くイメージが、逆にかなりの好印象に変わると思う。（ただ内装の豪華さや快適装備を求めると、Sクラスの方が断然良い）

パナメーラの良いところは、家族がゆったりと座れて乗り心地が良いことに加え、ドライバーも走りを楽しめるところにあると思う。

家族の快適性を追い求めるあまり、走りが犠牲になり安楽になるということは決して無く、「スポーツセダンというより、もはや完全にスポーツカーではないか」と思えるほど、走りの性能が高い。

ベースモデルであっても、高速道路での安定性や加速は素晴らしいし、車線変更も思いのまま、吸い付くように走ってくれる。

それなのに、芦有ドライブウェイのようなワインディングを走るときも、あれだけの巨体にも関わらず、まるでクルマが一回り小さくなったかのような、凄まじい運動性能を体感できる。

「快適性」と「走りの性能」の両立という意味では、私が今まで乗ったポルシェの中ではパナメーラが一番だなぁと感じている。

981か、991前期が良い

ちなみに、夫に冒頭の質問について聞いてみたところ、こんな風に言っていた。

現在GT3に乗っていて、二人乗りやスポーツモデルで探しているということだったら、僕は981か991前期がいいと思うなぁ。足回りがしなやかで、乗り心地も硬すぎないからすごくいいと思う。助手席でも割と乗り心地は良い。
近場でも気を使わず快適に乗れるし、峠道のコーナーでもしなやかな足回りでリズミカルに走れるのはすごく気持ちがいい。
718のPASMつきは、確かに乗り心地は良いけれど、981に比べると硬いよなぁ。助手席の人が硬めの乗り心地に慣れている人であれば全然いいと思うけど、そうじゃない場合は、「硬すぎる」と感じてしまうかもしれない。
だから、そういうことを含めて、981か991の前期がいいんじゃないかなぁ。

と言っていた。

走りの性能を追い求めるならば、やはり足回りはどうしても硬くなっていくだろうから、最新の高性能なポルシェではない方が、助手席の方も安心してドライブを楽しめるのかもしれない。

ただこのあたりも個人の好みによって大きく変わってくるから、きっと一緒に試乗に行くなどして、相談して決めるのがいいのだろう。家族であーでもない、こーでもないと言いながらクルマを購入する過程も一緒に共有できると、その後のカーライフも大きく変わってくると思う今日このごろである。