1億円を超える964ベースのカスタムポルシェ911 – Theon Designの究極のレストモッド

Theon Design Theon R
ポルシェ・911

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軽量化への執着 – F1グレードのカーボンファイバーを全面採用

ポルシェ911の完璧な姿を追求する企業は後を絶たない。その中でも英国のTheon Designは、964型911に特化したレストモッドで注目を集めているそうだ。同社の最新作「Theon R」は、軽量化に徹底的にこだわった究極の964と言えるだろう。

Theon Rの最大の特徴は、F1グレードのカーボンファイバーを内外装に惜しみなく使用している点だ。F1のコンポジットサプライヤーと共同開発したというこれらのパーツには、わずか4kgの軽量カーボンタブも含まれている。これにより、現代の911に匹敵する剛性を確保しつつ、驚異的な軽量化を実現しているとのことだ。

車体の総重量は1,000kg未満に抑えられており、最新のGT3 RSを含む現行911のどのモデルよりも軽量化されているという。さらに、マグネシウム製ホイールにカーボンファイバー製バレルを組み合わせるなど、細部にまで軽量化へのこだわりが感じられる。

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Photo by Theon Design

空力性能を高めるカーボンファイバー製エアロパッケージ

Theon Rには、カーボンファイバー製のエアロパッケージも装備されている。フロントスプリッター、リアディフューザー、ダイナミックな「ホエールテール」リアウイング、そしてフラットフロアが含まれるこのパッケージは、軽量化と空力性能の向上を両立させているようだ。

ブレーキシステムにもこだわりが見られる。標準でカーボンセラミックブレーキを採用し、オプションで993 RSのブレーキも選択可能とのこと。これらの軽量パーツと強力なエンジンを組み合わせることで、Theon Rは文字通り軽量モンスターとなっている。

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Photo by Theon Design

9,000rpmまで回る500馬力の空冷フラット6エンジン

Theon Rの心臓部には、同社が進化させた4.0リッターの空冷フラット6エンジンが搭載されている。このエンジンは500馬力、400Nmのトルクを発生し、9,000rpmまで回るという。6速マニュアルトランスミッションを介して後輪に動力を伝達する。

この驚異的なパワーと軽量ボディの組み合わせにより、0-60mph(約96km/h)加速は3秒で達成可能だという。さらに、パワーウェイトレシオは最新の992型GT3 RSを上回るとのことだ。まさに、レーシングカーさながらのパフォーマンスを誇るクルマだ。

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Photo by Theon Design

限定生産モデルとしての希少性

Theon Rは、わずか24台の限定生産モデルとなる。価格は79万ポンド(約1億2,400万円)からで、これにドナーカー、税金、輸送費が加算される。さらに、注文してから納車まで18ヶ月の待機期間が必要とのこと。

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Photo by Theon Design

この価格と待機期間は、一般のポルシェ乗りにとっては非現実的に感じるかもしれない。しかし、究極のアナログレーシングカー体験を求める熱狂的なポルシェオーナーにとっては、魅力的な選択肢となるだろう。

Theon Rは、クラシックな964型911の魅力を最大限に引き出しつつ、現代の技術を融合させた究極のレストモッドと言える。軽量化と高性能を追求した結果、現代のGT3 RSをも凌駕するパフォーマンスを実現している点は特筆に値する。ポルシェの歴史と最新技術が融合した、まさに夢のようなクルマと言えるだろう。

Hiro

Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを好...

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