ポルシェGT3(911.1)試乗レビュー

レビュー・試乗記

ついに、GT3に乗ることができた

先日の「芦有日曜朝の集い」で、夫が試乗させてもらって大興奮していた「ポルシェ911GT3(911.1)」。

後日、落ち着いた状態の夫にGT3の感想を聞いてみたので、今日はその内容を紹介したいと思う。

GT3試乗レビュー

①走り出し

私は乗る前は「サーキットに持ち込むクルマというとアクセルペダルが重く運転がしにくい」というイメージを勝手に持っていたのだが、夫によると、

今回乗ったGT3は、クリープの無いPDKだけど、アクセルを軽く煽ると思った以上にスルスルと走り出したわ。MT車でアクセルを煽って走り出す感覚とよく似てる。普段MTに乗っている身としては違和感は全く感じひんかった。

と言っていた。今回は芦有で短時間試乗しただけなので、街中での使い勝手や乗り心地は分からないが「少なくとも走り出して乗り心地が悪いと感じることは無い。」とのことだった。

②ハンドリング

夫はGT3を運転しながら「なにこれ!今まで乗ったクルマとぜんっぜん違う!」という台詞を連発していた。後から「何がそんなに違ったの?」と聞いたところ、

ハンドリングが正確無比。かつ、恐ろしく安定してた。アクセルを踏んで、ノーマルモードで1つ、2つとコーナーを抜けただけで、そのことがすぐ分かった。以前乗ってたマクラーレン650Sも正確無比なハンドリングでシャープやったけど、それとは違うわ。

へぇ〜。「正確無比だけど、マクラーレンとは違うとはどういうことか」突っ込んで聞いてみると、「マクラーレンは、限りなく素足に近い状態でアスファルトを走っているような感じやったけど、GT3は超軽量の高性能なスニーカーを履いて走っているような感覚やったわ」と。

…ということは、去年流行ったTBSドラマ「陸王」に出てきた、老舗の足袋製造業者のランニングシューズを履いてるイメージだろうか(余計わかりにくいか)。続けて夫は、

マクラーレンを素足に近い状態と例えたのは、タイヤとドライバーの間に何も無く、直に走っているような感じということ。ロールも限りなく小さいし、路面の状況は当然分かりやすい。コントロールもしやすいけど、その分、乗り心地的には疲れるし、よく曲がるけれど、逆にいきなり滑るんじゃないか?ともいらぬ心配をしてしまう。どちらかと言うとゴーカートに近い感じと言ったほうがわかりやすいのかもしれない。
一方のGT3は、足に完全にフィットした最新のスニーカー。そもそも走りやすいし、快適性もありながら、靴の高性能なソールを通じて、路面の状況や荷重のかかり方、余裕があるのか、無いのか、そういった感覚がすごくよく分かる感じや。

と。「これはポルシェのエンジニアリングの賜物なんやろうな。走ってると“まだまだ。もっと走れる!”とクルマが言っているように感じたわ。こんなに安定して、安心してコーナーを走れるクルマはなかなか無いと思う。」とのこと。ちなみに、ボクスターはもう少し靴底の厚いスニーカーを履いている感じだそうだ(笑)

③PDK SPORTボタン

手元にある「PDK SPORT」を押すと、コーナー手前でブレーキを踏んだときに、絶妙なタイミングでシフトダウンをしてくれるようになる。
「これめっちゃ賢かった。コーナーがあることをカメラで認識しているんか?と錯覚するほど、ベストなタイミングでシフトダウンしてくれた」と言っていた。

これがあれば、パドルシフトは最悪無くてもいいと思ってしまうくらい賢かったそうだ。現に夫は、試乗中パドルでのマニュアル操作をしていた時もあったが、「PDK SPORT」のATモードの方が面白かったので、大部分をこのモードで走っていた。

④エンジン

エンジンは言うまでもなく、シャープで強力。「981ボクスターGTSの3.4Lと比べるのもおかしいけど、トルクもパワーももちろん数段上やった」と言っていた。

2速でコーナーを立ち上がる時のタコメーターの針の上昇スピードが明らかに違う。ボクスターではやや加速にかったるさを感じるような場面でも、タコメーターの針はよどみ無く上昇していった。

と。さすがはGT3だなぁ。

⑤エンジン音

エンジン音に関しては、助手席に乗っていた私も「いい音するな〜」と終始感じていた。夫は、

エンジン音は硬質な音と言ったらいいんかな。上手く表現できひんけど、ボクスターよりはハッキリと硬い音やったわ。981ボクスターGTSの音は伸びやかに奏でる感じやけど、GT3は「カーン!」と叫ぶ感じ。もっと管の短い管楽器が奏でる音のようやった。(って夫はオーケストラとか楽器のこと全く知らんのやけどなw)

と言っていた。「シフトアップ、ダウンした際の音は何とも言えず気持ちよかった。PDKがガツンと繋がる時のブリップ音は録音して何度も聞きたいくらいやった!」とのこと。お好きにどうぞ(笑)

また、レビューや試乗記によく書かれている「GT3はエンジン音や様々なノイズがダイレクトに室内に入ってくる」件についてて。

確かにノーマルの911よりはノイジーやけど、普段ボクスターで屋根を開けて走ってるから、その方がエンジン音もノイズも直接耳に入るよう感じや。だからGT3に関しては、全く不快な感じはせず、むしろクローズドボディの快適性に新鮮さを覚えたほどやったわ。

とのこと。

エンジン音を運転席で聞く分には、ボクスターの方が大きいように感じたそうだ。「オープンボディ」と「クローズドボディ」の違いはあるにせよ、981ボクスターGTSの音の大きさはポルシェのラインアップの中でもかなり大きい方で、「特にアクセルを緩めた際のバリバリというバックファイアー音はGT3よりも明確に大きいと思う」と言っていた。

確かに…あと最近以前にも増してボクスターのエンジン音が大きくなってきた気がする。マフラーがいい感じにやけてきたからなのかな。

⑥乗り心地

乗り心地については、助手席に乗っていた私も夫も全く苦にならず、ワインディングを走る中での揺れや突き上げなどで不快に感じることはなかった。(街中での乗り心地は分からないけれど)

もともと、僕は日本中をロングツーリングするのが好きやから、GT3は乗り心地や快適性の面で不安があって購入の検討から外れていたけど、これなら全然許せる範囲やと思った。


と夫は言っていた。

「大きな凹凸を超えた時の大入力ではGT3の方がガツンと来そうやけど、むしろ、路面の小さな凹凸などの少入力ではボクスターの方がコツコツという振動は拾いやすいかもと思った」と。

GT3の総評

試乗はワインディングのみだったので、それほど詳しくレビューはできていませんが、「こんなに楽しいクルマがまだあったのか!」というのが本音です。あらゆる面でソリッドなのに安定して、かつ安心して走ることができました。
GT3よりも暴力的なパワーや、カミソリのようなハンドリングを持つクルマは他にもありますが、人間の五感に感じる『安心感』までも含めて提供してくれるクルマはなかなかありません。これがあるから、GT3はその楽しさをスポイルすることなくドライバーに与えてくれるのだと思います。
ちなみに991.2のGT3はさらに良くなったと聞くので、いずれはそちらも乗ってみたいと思っています。

とのことだった。以上、GT3(991.1)試乗レビューでした。

Mina

ポルシェブログ「ポルシェがわが家にやってきた」管理人、3児の母。数年前までは、車に全く興味が無かったが、夫がポルシェを買ってきたことをきっかけにポルシェの素...

プロフィール

Hiro

Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを好...

プロフィール

このブログが気に入ったらフォローしてね!

コメントを閉じる
  • コメント ( 2 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. cara

    Minaさん
    おはようございます

    ご主人様のレポート楽しく読ませていただきました。
    ほんの短い時間に 多くの本質をついた感想に
    驚きました。本当に車を愛しているのですね

    “まだまだ。もっと走れる!”

    これです。
    GT3は この感覚が凄まじいのです。
    どこかで書きましたが、
    良い意味で遊びを許してくれません。
    勿論ドライバーの気持ち次第なのですが
    私も乗り出すと
    もっと行ってよ!
    とGT3にせがまれているように感じます。
    これが他のハイパフォーマンスカー
    特にイタリア車などになると異なり
    かなり寛容性が大きくなります。

    どちらも楽しいですが
    GT3はまさしく高性能なスニーカーですね

    • MinaMina

      caraさん
      いつも有難うございます^^

      >どこかで書きましたが、良い意味で遊びを許してくれません。勿論ドライバーの気持ち次第なのですが、私も乗り出すともっと行ってよ!とGT3にせがまれているように感じます。

      まさにそうみたいですね。ドライバーと車がチームになったようだと、いい意味で逃げ場が無くなる、
      だからこそ、とても面白いと言っていました。

      パナメーラやカイエンやボクスターも、とても良い車だと思っていましたが、
      GT3はまた一段とすごいというか…ポルシェの奥深さを実感しました。