現存する日本で最も老舗のポルシェディーラーの記事を読んでー
公開日:2018.11.10
911DAYS
先日発売された911DAYS 2018AUTUMN Vol.73。今号の特集テーマは「俺たちのポルシェ・スポーツカー70周年〜こうしてみんなポルシェを好きになった〜」というもの。
ポルシェの歴史を振り返るだけあって、内容も興味深くてとても面白い。(この前のブログでも雑誌から抜粋した「山口百恵の「プレイバックPart2」の歌詞から思うこと−馬鹿にしないでよ、そっちのせいよ。」という記事を書いた)
改めてページをパラパラとめくってみたところ、最初の方に読み飛ばしている記事があったことに気づいた。その記事のタイトルが、
「50年代から60年代にかけて日本のポルシェ事情はどうなっていた!?」
なるほどー面白そう。そして冒頭の数行を読んでびっくり!
「俺たちのポルシェ・スポーツカー70周年」を紐解くなら、日本のポルシェの始点を知らなくてはなるまい。ということで、現存するもっとも老舗のポルシェ正規ディーラー、昌和自動車(ポルシェセンター西宮、堺)の創業者、奥坊勝顧問に訊いてみた。
なんとこの「昌和自動車」とは、わが家がいつもお世話になっているディーラーのことだ。っていうか「現存するもっとも老舗のポルシェディーラーやったんか!知らんかった(;゚Д゚)!」
というわけで、何だか他人事とは思えなかったので、早速記事を読み進めてみることにした。
1953年、ポルシェが日本初上陸
日本にポルシェが初めて輸入されたのは、1953年のこと。当時「ポルシェと正規輸入代理店契約を結んだ三和自動車が、356を2台だけ輸入した」のが始まりだそうだ。
その後1955年に、356プリAが10台輸入され、そのうち3台が大阪に入ってきた。ただ、2台は某大手企業が買い取ったので、残り1台のみが個人の手に渡ることとなった。当時個人でこのポルシェを購入されたのは、戦前〜戦後にかけてそれ相応の社会的な力を持った方だったそう。(誰だろう!?)
その当時奥坊さんは、柳瀬自動車(現在のヤナセ自動車)でメカニックとして働いておられたが、なんと会社にその貴重な1台のポルシェの整備依頼が来たそうだ。当然は当然整備マニュアルも何もないので一度は断ったが、断りきれずにメンテナンスすることに。
その頃のポルシェは、ハンドメイドの美しいボディで、パーツやエンジン音なども今まで見てきたクルマのものとは全く違っており、クルマ好きだった奥坊氏はいっきにポルシェに魅せられ、1959年に外車の整備工場として昌和自動車を設立。その後、自動車雑誌「CG」にポルシェの正規販売店募集の広告をたまたま見つけ、すぐに応募して、第一号正規販売店となったそうだ。
ちなみに、1965年の911の新車価格は435万円。今でいう3700万円相当だったそう。しかも当時は「ほぼ全員が現金一括購入だった」というから驚き。まだ月賦が出始めたところで、最長でも24回払い、つまり毎月今で言う150万円の支払いが必要となるので、よほどの人物でないと買えないし、よほどポルシェの価値を分かる人でないと売れなかったそうだ。
今現在は、ポルシェの中古車であれば数週間で手に入るし、ローンを組むことで月々の支払いを安く抑えてポルシェに乗ることもできる。通常車種であれば、新車でも納車1年以内で買える。でも今こうした状況が出来上がっているのも、全く土台がなかったところから、先人たちが切り開いてくださったおかげだなのだなぁ。
そう思うと、なんだか色々と考えさせられる。
雇ってもらえる?
私は昔営業をやっていた頃から、商品やサービスの歴史・背景を知りたがる社員だった。
「その商品がなぜ生まれたのか」「作った人はどんな思いだったのか」「試行錯誤の過程はどうだったのか」「当時を知るお客様はどんな風に思っていたのか」…
別にそれらを知ったところで、その内容をお客様にプレゼンする機会はほぼなかったけれど、歴史や背景を知ることで、色んな人たちの思いを乗せて、熱意を込めて営業できる気がしていた。実際、そういったことを知れば知るほど売れるようになったし、逆に勉強しても自分の中で腑に落ちない商品は全く売れなかった(つくづく組織に向いてないw)
そんなこんなで「ポルシェの歴史調べたで」とか「ポルシェって○○らしいで」と話す度に夫から、
なんなん、ポルシェの営業マンにでもなるん?ポルシェディーラーで求人募集出てたら一回受けてみたらw?
と言われる。そして私もまんざらでもなく、
「そうやなぁ〜ポルシェディーラーで女性の営業の人ってあんまり見いひんし、珍しいから雇ってもらえるやろか」
なんて言ってみたりする今日この頃である(笑)
このブログが気に入ったらフォローしてね!
コメント ( 9 )
トラックバックは利用できません。
1965年当時の価格は現在の3700万円ですか。「現在の」というのは日本国内の物価との比較か何かでしょうか。
好奇心から1965年の為替レートを見てみたら,1マルクが約90円,1ドルは約4マルク,かつ360円なので,3倍円高になったと考えれば1250万円くらいとなって,今のカレラと変わらないのかな。マルクはユーロになってしまったからそう単純ではないんでしょうが。
日本の大卒初任給は現在の価値に換算すると,50年たっても微増くらいのようです(大卒者は相当増えてますが)から,円の価値が高くなった分は買いやすくなったのかもしれません(だったら,ありがたや)。
ちなみに大人になったらいつか買うぞ,と最初に思ったときには911Sがたしか655万円・・・(古い記憶なので間違いかもしれませんが)
PorshceDreamerさん
有難うございます!
>1マルクが約90円,1ドルは約4マルク,かつ360円なので,3倍円高になったと考えれば1250万円くらいとなって,今のカレラと変わらないのかな。
そうなのですねー!記事ではどういう計算で今で言う3700万円という試算になったんでしょうか。物価とかいろんなことを考えると、そんな価格になるのでしょうかね…。
日本人の平均所得は、数十年前に比べると少し減ったのに、アメリカ(サンフランシスコ?)の平均所得は2.5倍になったとかなんとか聞いたような気もするので、
そうなると、もう何がなんだか算数の苦手な私にはよく分からないのですが^^;
でもポルシェは決して安くないクルマなので、多くの人にとって目標になりえますし、私も自分で購入したいと思います!
こんばんは。
私も911デイズ買いましたよー!
というか創刊号から買っていますがw
ところで明日横浜赤レンガ倉庫前広場でポルシェイベント有るのご存知ですか?
私も前泊して参加します。
お時間有れば見学にどうぞ。
インヂュニアさん
創刊号からずっと、、、さすがです!!笑
実は73号の64-67ページに載っている、
先日我が家にやってきた空冷964が載ってるんです。
モデルカーになったようで、なので買いました。
今日は赤れんがでイベントなのですね!
私たちは関西在住でなかなか行けませんが、
一応ディーラーのポルシェフェアに来てみました笑笑
Minaさん、こんばんは。
今日久しぶりに20年以上お付き合い戴いている大先輩に何年かぶりに(小生がアメリカに行ってたので)
お目にかかってきました。
この先輩というのが相当の車好きで、結構これまで好き勝手車を乗られていた方
なんです(所謂大阪弁で言う「ええとこの子」というやつですが、人間的には素晴らしい)。
T社(日本最大手の自動車メーカーさんですが)あいてに30年近く仕事をされているので
技術的にもそこら辺の評論家より詳しい。
で、この人が半年ほど前にパナメーラを購入したらしい聞いていたので、
感想を聞いてみたんですけど、納期を待てずに(そもそも超せっかちなんです)ディーラーにあった
ベースモデルの新車を買ったらしく「遅い! 4Sとかターボは良いかもしれんけどベースモデルは
遅いぞ。それに、でかい!ボディサイズは判ってたけど暫く戦車を運転しているようだった」
と言っていた(あくまでも個人の感想です(爆)。この人それまでも同じようなサイズの車に
乗られてましたけどね)。
「でもねー、今回納期を待てずに買ったのが良くなかった。やっぱり911買おうかなーと
少し思っている。でも911じゃぁゴルフに行けないんだよねー(この先輩はゴルフも
熱狂的に好き)。やっぱりパナメーラのターボに買い替えようかなー」
と好き勝手をおっしゃっていた。
でも、パーティーの席で会ったので、まぁ色々と楽しい話を30分ほどお聞かせ下さいました。
小生の納車間近のパナメーラはというと最後に来た日本をそれた台風26号(だったかな)のおかげで
船の到着が遅れ、嫌な予感が的中し、1週間納車が先延ばしに。23日の納車予定に
なってしまっています。
明日(11日)は、多少細かい打合せの残りもあり、
今催されている「70周年フルラインナップセッション」に行ってこようと思っています。
人生をどうやって支えるかさん
ご無沙汰しております!
ええとこの子という表現、、すごくよくわかりますし、
イメージつきます笑。
パナメーラ のノーマルは、最も車に求めるものが加速力、ということであれば、
たしかにちょっと物足りないかもしれないですねー、
でもその方、相当飛ばされるのでしょうね^_^
そういう意味では、パナメーラ ターボはめちゃくちゃあっていそうですね!
納車遅れているのですね。。
ぜひ納車日はお天気が晴れますように^_^
納車されたら、ぜひ感想などお聞かせください!
こちらの老舗ディーラー、近々看板をおろすとの事ですが・・・。
ポル男さん
そうなんですね…!
ディーラーの経営も色々大変なのでしょうね…。。
こちらの老舗ディーラー、近々看板をおろすとの事で残念です。