ポルシェ?いや、これはRUFだ! RUF RCTに試乗
公開日:2020.04.03
夫は日頃から、知り合いの方やブログ読者の方のクルマに乗せて頂く機会が多いが(羨ましいなぁw)、今回は「RUF」という大変珍しいポルシェを運転させてもらったそうだ。
私はまだポルシェ歴が浅く勉強不足で、RUFという名前を知らなかったので、夫が「ルーフに乗せてもらった!」と興奮気味に話してきたのに対して「え、日産ルーフ(-_-)?(それを言うなら日産リーフ)」と返してしまった。
というわけで、早速夫に感想を書いてもらったので、ぜひご覧ください。
コンテンツ
RUFについて
先日、とても希少な車種に乗らせていただく機会を得た。
なんと、それはRUFだ。RUF(ルーフ)とはドイツにあるポルシェのチューニングメーカーであり、ポルシェ車をチューニングしたり、コンプリートキットを発売しているメーカーだ。私もそれ以上の詳しいことはあまり知らなかったので、これを機に調べてみると、
RUFは既に完成したポルシェに対してチューニングするのではなく、ホワイトボディの状態のポルシェから提供を受け、それに対してゼロからRUF車として製造を行うため、ドイツではメーカーとして正式に認められている
そうだ。
他にもレストア事業や、ポルシェ車をRUF車化するキットなども販売をしているとのこと。
964ベースのRUF、RCTを試乗
一見すると、普通の964のように見えるが、所々RUF製のパーツを身にまとい、何やら普通ではないオーラががヒシヒシと伝わる。リアから見ると大きなターボウィングがあるので、964のターボかと思いきや、リアフェンダーは張り出していない。
そう、RUF RCTはターボ車なのだが、本来の幅広のターボボディは使わず、普通のカレラボディを使用しているとのこと。
エンジンは3.6Lの水平対向6気筒をシングルターボ化。オーナーさんに聞くと、これによりメーカー公表値として380PS以上、550Nm以上のパワーを絞り出すという。この「以上」というのが、チューニングメーカーらしく格好いい。
最初、助手席で体験させていただいた。バケットシートに体を滑り込ませ、室内に入ると、そこは私の964とほぼ同じ光景が目に入る。違うと言えばシート、ハンドルくらいか、しかし、よく見るとメーターも違い、『ポルシェではない感じ』が徐々に伝わってくる。
オーナーさんは慣れた手つきでシフトを一速に放り込み、クラッチをスムーズにつなぐとクルマはするすると進みだした。
低速、中速での乗り心地はすこぶる良い。当然ながら固さこそあるものの、モンスターマシンに乗っているような感じはなく、想像以上の快適性に驚いた。コーナーを抜けるたびに、とんでもないボディの剛性感、シッカリ感が助手席にもヒシヒシと伝わる。
ストレートでスピードをあげていくと、さすがに減衰力と路面の起伏の周期が合わない箇所では、大きく縦揺れすることもあるが、ボディのガッチリ感はさすがだ。
エンジン音は爆音とまではいかないものの、かなりの音量でフラット6らしいレーシーな音。私の乗っている普通の964カレラ2とは明らかに違い、もっと硬質な音だ。
途中でオーナーさんのご厚意で運転させていただけることになった。運転席に座ると、シートの違いが大きいのもあるが、自分の964よりさらにコンパクトなクルマに乗ったような感覚だ。
恐る恐るクラッチの繋がる位置をさぐりながらスタート、1速から2速へ入れ加速すると、想像していたより低速トルクが半端ない。昔のクルマでシングルターボ、しかもRUFと聞けば、もっと扱いにくいイメージを勝手に持ってしまっていたのだが、全然そんなことがない。
とにかく、アクセルワークがしやすく、低回転からグイグイ走ってくれるのだ。
慣れていないので、高回転までは当然回していないが、エンジンのレスポンスも申し分なく、運転しやすいなぁというのが第一印象だ。ハンドリングについては、ノーマルの964とはかなり違う印象だ。ノーマルの964はしっかりと前に荷重をかけてやらないと曲がりにくい感じがあるが、このRUF RCTはそれがほとんど感じない。
もちろん、もっと高い速度域などでは違うかもしれないが、普通にワインディングを流すような速度では普通にハンドルを切れば、スパッと曲がってくれる。
そう、この感覚は最近の「最新の水冷ポルシェに近い」のだ。ハンドリングでの私の第一印象は、最近乗った991や992に近い、ということだった。大げさではなく私にはそんな風に感じた。
特に感じたのは、とにかくフロントの接地感、安定感、レスポンスが普通の964と明確に違う。それに尽きる。ノーマルの964のフロントトレッドをワイドにして、ステアリングを少しクイックなレシオにしたような感じとでも言おうか、少々気を抜いてハンドル操作をしても思い通りにワインディングを駆け抜けられる。
RUF、ポルシェと似て非なるもの
短時間の試乗だったので、まだまだRUFを語るには100年早いのは重々承知の上だが、ポルシェとRUFは似て非なるものであることだけは分かった。そして、RUFがこの時代に目指していた方向性は、今の911が目指そうとしている方向性と近いのかもしれないと思った。
そういう意味では、RUFというメーカーの先進性、先見性はさすがとしか言いようがない。もし機会があれば、現代のRUFにも乗ってみたいものだ。
オーナー様、今回は希少なおクルマを体験させていただき、本当にありがとうございました!
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コメント ( 2 )
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良いですね~ルーフ!
興味深い記事ありがとうございます。
ルーフって試乗どころか間近で見たこともありまん。
これを読ませていただいて、アルピナの車づくりが
思い起こされました。
時々言われることですが、BMWは、本当はアルピナの
ような車を作りたいのだろう(M系は別かな?)。
ただ、コストや効率の問題でそこまではできないと。
小規模だけれどもれっきとした自動車メーカーで、
メーカーからホワイトボディを仕入れて…
アルピナとBMW、ルーフとポルシェ同じような関係な
のかも知れませんね。
ウーパーさん
有難うございます。
私も、夫の写真で初めて見ました。
>アルピナとBMW、ルーフとポルシェ同じような関係な
>のかも知れませんね。
なるほど…アルピナは、乗られている皆さん絶賛されていますし、夫もいつか欲しいと言っています。
自分たちが作りたいクルマを作りたくても、大企業になると難しそうですもんね…
アルピナやルーフには、ロマンがつまっている気がしました。