中国でポルシェが苦戦する理由と今後の展望
公開日:2025.02.21
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中国の高性能車市場で、ドイツの自動車メーカーは長年、精密なエンジニアリングで優位に立ってきた。
しかし、その状況が変わりつつあるようだ。中国の競合メーカーが、ハイエンドカーの定義を、電気自動車で、スマート、かつ手頃な価格のものへとシフトさせているため、ドイツ勢は苦戦を強いられている。
中国市場の変化
中国の新興EVメーカーは、ドイツのライバルに似たクルマを多く出している。
例えば、XiaomiのSU7は、ポルシェ・タイカンに似た外観を持つ。SU7は、パワーとブレーキ性能でタイカンに匹敵するだけでなく、駐車支援や、ドライバーの好きな曲をかけるといった、統合されたAI(人工知能)も搭載している。
さらに、SU7はタイカンの約半分の価格で販売されているという。価格競争力と最新技術の搭載。これが、中国メーカーの強みとなっているのだろう。
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Xiaomi Su7
長年ポルシェを愛してきた私としては、この状況は少し寂しいものがある。しかし、市場の変化は常に起こるものであり、それに対応していく必要がある。
ドイツ勢の強みと課題
もちろん、ドイツの自動車メーカー、特にポルシェは、長年培ってきた技術力やブランド力を持っている。
エンジンやシャーシの設計、製造技術においては、依然として高いレベルにあると、私自身も思う。ポルシェのクルマが持つ独特の走行フィールや、所有する喜びは、他のメーカーではなかなか味わえないものだ。
しかし、中国の消費者は、クルマに求めるものが変わってきているらしい。単なる移動手段としてだけでなく、スマートデバイスとしての機能や、エンターテイメント性を重視する傾向が強まっている。
この点で、中国メーカーは、AIやインフォテインメントシステムの開発に力を入れており、一歩先を行っている。ポルシェをはじめとするドイツ勢は、この分野でのキャッチアップが急務と言えるだろう。
このことは私自身も日本でテスラを購入してからというもの、ドイツ車や日本車のソフトウェア技術が遅れていることを身をもって体験したので、よく分かる。
電動化への対応
もう一つの大きな変化は、電動化への流れだ。中国政府は、環境問題への対策として、電気自動車の普及を強力に推進している。この政策も、中国メーカーに有利に働いている。
ポルシェもタイカンを投入するなど、電動化への対応を進めているが、中国市場においては、まだ十分とは言えないようだ。バッテリー技術や充電インフラなど、克服すべき課題は多い。
しかし、ポルシェは、モータースポーツの世界で培ってきた技術力を持っている。ハイブリッド技術や、電気自動車の性能向上においては、まだまだポテンシャルを秘めているはずだ。
今後のポルシェに期待すること
伝統を守りながら、新しい技術を取り入れ、中国市場に合わせたクルマづくりを進めていくことが、今後のポルシェには求められるだろう。
電動技術やソフトウェア技術で勝負するのではなく、エンジン性能やハードウェアの魅力を全面に出して、元々、ドイツ車が持つ魅力で勝負するという戦略に戻るのも有りかもしれない。
私を含め、ポルシェオーナーやポルシェ乗りの方々は、ポルシェのブランド力や走行性能に魅力を感じている人が多い。このことは中国市場でも必ず理解してもらえるはずた。
ポルシェには、これまで以上の革新性と、市場への適応力が求められている。そして、その変化を、温かく見守り、応援していきたいと思う。
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