ポルシェの2024年販売実績概要 – ポルシェ マカンEV、2024年Q4に内燃機関モデルの2倍近い販売実績

ポルシェニュース

ポルシェの2024年販売実績概要

ポルシェが2024年の世界販売実績を発表した。総販売台数は310,718台で、前年比3%減となったそうだ。

注目すべきは、2024年1月にデビューしたマカンEVの販売実績だ。第4四半期には内燃機関モデルの約2倍となる18,278台を販売し、好調なスタートを切ったとのこと。
一方で、完全電気自動車モデルのタイカンは販売台数が前年比49%減と大幅に落ち込んだそうだ。

マカンEVの躍進とその背景

マカンEVは2024年第4四半期に18,278台を販売し、内燃機関モデルの9,517台を大きく上回った。

しかし、この数字には注意が必要だ。
2024年春から、サイバーセキュリティ規制の強化により、ポルシェの主要市場である欧州で内燃機関モデルの販売が終了したのだ。つまり、欧州の顧客はマカンを選ぶ際に電気自動車モデルしか選択肢がなかったということになる。
一方、アメリカなど他の地域では両モデルが併売されている状況だ。このような背景を考慮すると、マカンEVの販売台数の解釈には慎重になる必要がある。

新型マカン EV

ポルシェ各モデルの販売動向

ポルシェの2024年販売実績を見ると、モデルによって明暗が分かれた形となっている。

カイエン:ポルシェのベストセラーモデルとして、102,889台を販売。前年比18%増と好調だ。

911:50,941台を販売し、カイエンとマカンに次ぐ第3位の販売台数を記録。ポルシェのフラッグシップスポーツカーとしての地位を維持している。

718(ボクスター/ケイマン):合計23,670台を販売し、前年比15%増と成長を見せた。しかし、後継モデルの電動化計画が延期されているとの報道もあり、今後の展開が注目される。

パナメーラ:新型モデルが登場したにもかかわらず、販売台数は29,587台で前年比13%減。中国市場での需要低下が影響しているとのこと。

タイカン:20,836台を販売し、前年比49%減と大幅な落ち込みを記録。フェイスリフトモデルへの移行期間であることが影響しているが、ポルシェ自身も「電気自動車への移行が全般的に予想よりも遅れている」と認めている。

モデル 2024年 2023年 増減
カイエン 102,889 87,553 +18%
マカン (EV+ICE) 82,795 87,355 (ICE) -5%
911 50,941 50,146 +2%
タイカン 20,836 40,629 -49%
パナメーラ 29,587 34,020 -13%
718 23,670 20,518 +15%
合計 310,718 320,221 -3%

地域別販売動向と今後の展望

地域別の販売実績を見ると、欧州(+9%)と北米(+1%)では成長が見られた一方で、近年最大の単一市場となっていた中国では28%減と大幅な落ち込みを記録した。ポルシェは「継続的に厳しい経済状況」を理由に挙げているが、重要市場での大幅な販売減少は今後の課題となりそうだ。

また日本市場については明確な言及はなかったため、正確なことは言えないが、ネット上の情報を集約すると、以下のようなことが言える。

  • 2023年のポルシェの日本市場における販売台数は8,002台で、過去5年間で最高を記録。
  • 2024年第1四半期のポルシェの登録台数は2,530台で、前年同期比22.51%増と好調。
  • 2024年の日本における輸入外国ブランド車の販売台数は、前年比8.5%減の227,202台であったが、1,000万円以上の高級車セグメントは5.8%増加

これらの情報から、2024年の日本市場においても、ポルシェを含む高級車の需要は堅調に推移したと考えてよいだろう。

マカンEV

ポルシェ販売・マーケティング担当執行役員のデトレフ・フォン・プラテン氏は、2025年の見通しについて次のように述べている。
「当社の歴史の中で最も若い製品ラインナップを持ち、お客様にとって非常に魅力的な製品を提供しています。同時に、2025年は経済的・地政学的な状況がこれまで以上に厳しくなることも予想されます。それでも、ブランドを世界的にさらに強化し、市場の潜在力を引き出すことが私たちの目標です。需要に応じて各地域で展開し、今後も価値に基づく販売という原則を守り続けていきます。」

ポルシェは電気自動車への移行を進めながらも、従来の内燃機関モデルとのバランスを取りつつ、地域ごとのニーズに合わせた戦略を展開していく必要がありそうだ。マカンEVの好調な滑り出しは電動化への期待を高めるものの、タイカンの販売不振や中国市場での苦戦など、課題も山積している。

2025年以降、ポルシェがこれらの課題にどのように対応し、電気自動車時代においてもスポーツカーブランドとしての地位を維持していくのか、その動向に注目が集まる。

Hiro

Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを好...

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