10年以上ペーパードライバーだった妻を、MT(マニュアル)のポルシェ乗りにする方法
公開日:2022.09.25
コンテンツ
ペーパードライバーの妻が、MT乗りへ
私は、昔は、クルマに全く興味がなく、免許を取得してから10年以上ペーパードライバーだった。
その後夫と結婚して、クルマに少しずつ興味を持つようになり、約6年の歳月を経て、ポルシェのボクスター(981GTS)のMTも普通に運転できるようになり、私の今の愛車は、スズキスイフトスポーツのMTだ。
先日、兄と久しぶりに会った時に「全くクルマに興味のなかった自分の妹が、まさかMT車に乗ることになるとはなぁ。人生は何があるかわからんなぁ…」としみじみ言っていたが、当の本人が一番驚いているかもしれない(笑)
というわけで今日は「クルマに興味の無い妻を、MT乗りにする方法」について、妻目線で考察してみたいと思う。
ただこれは、私個人の経験でしか無く「絶対にこの方法じゃないとだめ」というわけではないので、「こんな事例もあるのだなぁ」という程度で読んでいただけると嬉しいなと思う。
妻をMT乗りにするステップ
結論から言うと、
クルマに興味を持ってもらう→運転の楽しさを知ってもらう→MTの運転を練習してもらう
という順番かと思う。
特にポルシェの場合は、そもそもクルマの性能が素晴らしいので、夫が根気よく諦めずに進めていけば、妻がMT乗りになる可能性も大いに有り得ると思う。
ただ間違っても、いきなりMTの運転練習をさせよう!なんて思ってはいけない。
なぜなら、妻はそもそもクルマに全く興味が無いことが多いからだ。
「クルマって素晴らしい!こんなに良い車なんだから、妻も当然その良さが分かってくれるはず!」というところからスタートしてしまうと、おしつけがましくなり、逆効果。
実際私もしばらくは、
「家事に育児に仕事に忙しいのに、正直クルマなんてどうでもいい。今の私の人生のどこに、クルマが入る余地があるの?」
と思っていたが、「妻はクルマに興味が無い(ことが多い)」という大前提を夫が理解しておくことは、とても大事なことだと思う。
妻をMT乗りにする5つのポイント
その上で、ポイントは5つ。
①焦らない
②クルマに興味をもってもらうために、まずは助手席の乗り心地が快適なクルマに乗せる
③クルマに興味が湧いてきたら、次は、運転が楽しい車を実際に運転してもらう
④AT限定解除してもらうには、夫の並々ならぬ熱意が必要
⑤MT運転の練習につきあう
かと…。
兎にも角にも「焦らない」ことが大切だ。
「はやくクルマ好きになってもらいたい」気持ちは分かるけれども、焦りが相手に伝わり、逆効果になってしまうことが多い。営業でもそうだが、クロージングを焦れば焦るほど、相手は逃げていってしまう。
どっしりと長い目で見て、焦らないことが重要であり、一度断られたからと言って、そこで全て諦めるのではなく、あの手この手で攻めていくことも大切なポイントだ(完全に仕事の話やなw)
助手席の乗り心地が快適なクルマに乗せる
クルマに興味を持ってもらうには、まずは、助手席の乗り心地が快適なクルマに乗ってもらうのが良い。
間違っても最初に、GT3やオープンカーに乗せてはいけない。
GT3は確かに素晴らしい車だし、私も最初に運転させてもらった時には「全く次元が違うクルマだ!」と感動した。
ただ一方であのようなクルマは、ドライバーだけが楽しい車という側面を持つ。助手席の乗り心地はかたく、低速域では路面のガタガタをそのまま拾ってしまうので、正直助手席で長い時間乗るのは辛い。
ふと横を見ると、運転している夫だけ楽しそうにしているなんて、妻にしてみれば最悪なドライブだ。
また、オープンカーも確かに気持ちがいいが、車種によっては風の巻き込みが結構多いものもある(981は風の巻き込みが結構あるほうなのかな)ので、髪が長い女性にとってはちょっと不便だし、日焼けもするし、恥ずかしいので、いきなりオープンカーはやめた方が良いと思う。
最初に乗るのに適しているのは、乗り心地が抜群なパナメーラ、カイエン、911でもPASMつきや足回りが固すぎない仕様のものが良いのかなぁ(試乗に行く場合等も)。
そして次第に「ポルシェって意外と快適なんだね」「いい車だね」ということを感じてもらえるようになってきたら、次に、運転する楽しさを味わってもらう段階に移行していくのが良いと思う。
運転が楽しい車を実際に運転してもらう
ポルシェは「運転してなんぼ」のクルマだと思う。助手席と運転席とでは、感激の度合いがまるで違う。
クルマに関しては素人という人であっても、ひとたび運転すれば、その運転のしやすさや他のクルマとの違いに驚くはずだ。実際以前、クルマに全く興味のない義妹も、夫の911を初めて運転した時、めちゃくちゃ感動していた。(その時の記事がこちら↓)
助手席で満足してもらうのではなく、運転してその良さや楽しさを実感してもらえるようにできれば、大きく一歩前進だ。
AT限定解除してもらうには、夫の並々ならぬ熱意が必要
もとからMTの免許を持っている奥さんもおられると思うが、大半がAT限定免許ではないかと思う。(私も、学生時代、迷わずAT限定免許を選んだ)
ただ結婚して数年後、夫がファーストポルシェとなる981ボクスターGTS(MT)を注文した時に、
「納車までにAT限定解除しとき!このボクスターは間違いなく楽しいから!僕が限定解除のお金出すから!」
と夫に言われた。確か、その申し出には10回以上お断りをいれた(笑)
「いやいや、まだ小さな子どももいるし、仕事もあるし、教習所に通う時間がどこにあるん?また限定解除したところで私は絶対にMT車なんて乗らへんし」
と。
ただ、夫があまりにもしつこかったのと、「MTに乗れたら、世界中のどんなクルマだって運転できるんやで。それってすごいことやで」などと言われているうちに、「そこまで言うなら…」と心が折れて、限定解除しに行くことに決めた。
MT運転の練習につきあう
AT限定解除できると、それで目標達成した気になってしまうのだがが(私はそうだったw)ここからが本番。
何度も練習しなければ乗れるようにはならないので、私も夫と数ヶ月に1回、子どもを両親に見てもらいながら、ボクスターの運転練習をしにいった。
「もうギア変わってるんやから、クラッチをずっと踏み続けたまま走ったらあかん!」「そんな走り方したらめっちゃ傷むで」
などと横でやいやい言われたが、今振り返ると「よくあの大事なクルマを、運転が下手な妻に練習させてくれる気になったもんだなぁ」と思う。
私が実際にMT車を運転できるようになったのは、自分でMT車を買って毎日乗るようになってからだったが(1週間毎日乗れば、乗れるようになった)それまでにボクスターで練習させてもらっていなかったら、そこには至らなかったなぁと思う。
結局は夫の熱意か…
こうして改めて書いてみると、ペーパードライバーの妻をMT乗りにするなんて、めちゃくちゃ面倒くさいなぁ。自分が逆の立場だったら、そんなモチベーションは確実に無いなぁ…(笑)
実は、私が数年前にボクスターでポルシェドライビングスクールに参加した時、夫がSNSでこんなことをつぶやいていた。
今日は妻がドライビングスクールに参加するので、その見学に来ました。
出会った頃、1ミリもクルマに興味の無かった妻が、マニュアル車をここまで乗りこなすまでになったわけですが、妻をここまで変えたその秘訣をよく聞かれます。
答えは簡単です。家庭内のプレゼン力です。営業と同じです。
と。
なるほど…
この投稿を受けて夫に「諦めずにようここまでプレゼンしてきたんやなぁ」と言うと、
いやいや、別に「妻をポルシェのMT乗りにしよう!」と頑張ってたつもりは全く無いで。僕は「こんなに楽しくて素晴らしいものを知らずに死んでいくなんてもったいない」って純粋に思ってたんや。
あとポルシェは素晴らしいクルマやから、きっといつか奥さんもその良さに気づくはずやって思ってたから、僕としては想定内って感じやな。
という返答。
最後は、ポルシェを信じ切る気持ちが勝つということか…(違うかw)
このブログが気に入ったらフォローしてね!
コメント ( 2 )
トラックバックは利用できません。
MinaさんがMTに乗るきっかけは、旦那様の情熱(プレゼン)が背景にあったのですね!
かくいう私も、981ボクスタースパイダーを契約した時は、旦那様の熱いプレゼンで一瞬で落ちました。
そして、レンタカーで軽自動車を1週間借りて、エンストしながら練習し、MTの楽しさに目覚めました。
MinaさんもMT乗り初めは、苦労や失敗がありませんでしたか?
どのような苦労があったのか、どのようにしてその苦労を乗り切ったのか、失敗談も交えてブログかスペースでお伺いしたいです。
また、ATにはないMTの魅力を、女性視点でお伺いできたら嬉しいです^^
よしきちさん
981ボクスタースパイダー、すごいです…!!!
そしてそのために、レンタカー借りてMT運転の練習されるなんてすごい…!
MTって楽しいですよね^^
>MinaさんもMT乗り初めは、苦労や失敗がありませんでしたか?
山程あります…!
道のど真ん中でハザード出して止まったことも何度かありますし、坂道でNにいれたまま発進しようとして、激しくずり落ちたこともありますし、
ヒヤヒヤしたことがたくさんありましたが、意外と1週間で慣れました!
やっぱり習うより慣れろだなぁ〜と。
ぜひ、ブログやスペースでお話させていただきますー^^
有難うございます!