マンタイレーシングキット、ついに日本へ

ポルシェのモータースポーツ界における最強のパートナー、マンタイレーシング。その名を冠したパフォーマンスキットが、ついに10/5より日本国内でも正式に導入されることとなった。
GT系のポルシェオーナーの方々の中にはこれを待ち望んでいた方も多いのではないだろうか。

マンタイレーシングは、数々のレースでの輝かしい勝利と革新的な技術開発によって、モータースポーツ界で世界的な評価を確立したドイツのレーシングチームだ。現在はポルシェの公式パートナーとして、ポルシェモータースポーツのGTワークスレース運営に加え、ポルシェテクイップメントを通じて供給されるパフォーマンスキットの開発を担当している。

マンタイレーシングならではの高い技術力とレースで培ったノウハウが凝縮されたこのパフォーマンスキットは、911 GT3および718 ケイマンGT4のために特別に設計されている。そして今回、日本国内のマンタイ認定ポルシェセンターにおいて、購入および取り付けが可能となったのだ。

マンタイレーシングの起源と進化

マンタイレーシングの歴史は、ドイツのレーシングチームとして始まった。ポルシェとの関係が深く、長年にわたってポルシェ車のチューニングと競技参加を行ってきた。その技術力と実績が認められ、現在ではポルシェの公式パートナーとしての地位を確立している。

マンタイレーシングの名が世界中のポルシェ乗りに知れ渡るきっかけとなったのは、911 GT2 RSのチューニングだった。彼らがチューニングを手掛けたGT2 RSは、数年前にニュルブルクリンクで6分40.3秒という驚異的なラップタイムを記録。この成功により、マンタイレーシングの名は一躍有名となった。

GT2 RSでの成功を受けて、マンタイレーシングはポルシェ911 GT3 RSへのチューニング開発にも着手。エアロダイナミクスとシャシーの改良に重点を置いたキットは、サーキット性能を大幅に向上させることに成功した。こうした実績が評価され、ポルシェとの公式パートナーシップへとつながっていったのだ。

マンタイパフォーマンスキットの特徴

マンタイパフォーマンスキットの最大の特徴は、サーキット走行時のパフォーマンスを大幅に向上させる点にある。エアロダイナミクスの最適化、シャシーの改良、ブレーキシステムの強化など、レーシングチームならではの知見が詰め込まれている。

911 GT3用のキットを例に挙げると、以下のような改良が施されている：

1. エアロダイナミクスパッケージ：
フロントに新しい大型スポイラーリップとサイドフラップを装備。リアには角度調整可能な大型ウィングとディフューザーを採用。これにより、フロントアクスルのダウンフォースが約30%、リアアクスルでは約45%増加する。

2. コイルオーバーサスペンション：
4段階調整可能な減衰力を持つアルミニウム製スプリングストラットを採用。ばね定数の微調整により、ハンドリングとバランスが向上している。

3. ブレーキシステムの改良：
スチールスリーブ付きブレーキラインセットにより、ペダルフィールが向上。オプションのレーシングブレーキパッドも用意されている。

4. 軽量ホイールセット：
オプションで用意される20/21インチの軽量ホイールセットは、標準ホイールと比較して車両1台あたり7.3kgの軽量化を実現している。

最新の成果 – 992型911 GT3の驚異的タイムアタック

マンタイレーシングの最新の成果として特筆すべきは、992型ポルシェ911 GT3用のマンタイパフォーマンスキットだ。このキットを装着したGT3は、ニュルブルクリンクで通常モデルより4.19秒速い6分55.737秒というラップタイムを記録した。

この記録は、マンタイパフォーマンスキットの効果を如実に示すものだ。サーキットでのパフォーマンスを追求するポルシェ乗りにとって、この数字が持つ意味は計り知れない。マンタイレーシングは、ポルシェ車のサーキット性能を極限まで高めるチューニングの専門家として、確固たる地位を築き上げているのだ。

対象モデルと価格

日本で導入されるマンタイパフォーマンスキットの対象モデルは以下の通りだ：

・911 GT3 (992前期型)
・911 GT3 ツーリング (992前期型)
・718 ケイマン GT4 RS
・718 ケイマン GT4

価格については、日本での正式な発表はないが、米国での価格を参考にすると以下のようになる：

・911 GT3 ツーリング マンタイパフォーマンスキット：約500万円
・911 GT3 マンタイキット：約870万円
・718 ケイマン GT4 RS マンタイキット：約775万円
・718 ケイマン GT4 マンタイキット：約385万円

ただし、これらは米国価格を単純に円換算したものであり、実際の日本での価格は為替レートや輸入諸経費などにより変動する可能性がある。
正確な価格については、各マンタイ認定ポルシェセンターに問い合わせる必要がある。

マンタイ認定ポルシェセンター

マンタイパフォーマンスキットの購入および取り付けが可能なポルシェセンターは、全国に17箇所ある。関東エリアではポルシェセンター千葉、川越、浦和、浜田山、目黒、青山世田谷認定中古車センター、高輪、横浜青葉、みなとみらい、湘南が認定を受けている。

中部エリアではポルシェセンター岡崎、名古屋、尾張岐阜、岐阜が、関西エリアでは北大阪と中大阪が、そして九州エリアではポルシェセンター福岡が認定を受けている。

• ポルシェセンター千葉
• ポルシェセンター川越
• ポルシェセンター浦和
• ポルシェセンター浜田山
• ポルシェセンター目黒
• ポルシェセンター青山 世田谷認定中古車センター
• ポルシェセンター高輪
• ポルシェセンター横浜青葉
• ポルシェセンターみなとみらい
• ポルシェセンター湘南
• ポルシェセンター岡崎
• ポルシェセンター名古屋
• ポルシェセンター尾張岐阜
• ポルシェセンター岐阜
• ポルシェセンター北大阪
• ポルシェセンター中大阪
• ポルシェセンター福岡

これらのセンターでは、マンタイパフォーマンスキットに関する詳細な説明を受けることができ、また実際の取り付けも行われる。
ポルシェオーナーの方々は、最寄りのマンタイ認定ポルシェセンターに問い合わせることで、より詳細な情報を得ることができるだろう。

日本のポルシェシーンに与える影響

マンタイパフォーマンスキットの日本導入は、国内のポルシェシーンに大きな変革をもたらす可能性を秘めている。これまで海外からの個人輸入などでしか入手できなかった最高峰のチューニングパーツが、正規ルートで購入できるようになったのだ。

サーキット走行を楽しむポルシェオーナーはもちろん、最高峰のチューニングを求めるポルシェ乗りたちにとって、このニュースは大きな意味を持つ。マンタイパフォーマンスキットの導入により、日本国内でもニュルブルクリンクさながらの極限のパフォーマンスを追求することが可能となった。

さらに、マンタイパフォーマンスキットは公道での登録や保証に影響を及ぼさない。これは、日常での使用とサーキットでの極限のパフォーマンスを両立させたいポルシェオーナーにとって、大きな魅力となるだろう。

ポルシェとマンタイレーシング、両社の英知を結集して生み出されたこのパフォーマンスキットは、間違いなく日本のポルシェシーンに新たな風を吹き込むことになる。そして、それはポルシェというブランドの魅力をさらに高めることにもつながるはずだ。