サーキットの魅力にはまり、将来の夢はGT3!ーポルシェサポーターズfileVol4.木村友彦さん。
公開日:2018.08.26
Chapter2.BMWの魅力にはまって
2-1:木村さんの幼少期ー10代
ー木村さんは子どもの頃から車好きだったの?<
はい。年齢的にスーパーカー世代ですし父親も車好きなので、僕も自然と車が好きになりました。父親は、僕が生まれた頃に商売をはじめて、僕が小学生や中学生の頃には、アメ車の高級車やメルセデス・ベンツに乗っていました。子どもながらに「すごいなーかっこいいなー」と思って見ていましたね。
そして10代後半になった頃「自分が買うならマツダのRX-7が欲しい」と思うようになりました。当時は峠道を走ったり、大阪の阪神高速をブンブン言わせて走り回るなど、今では考えられない派手な走行がブームでした。それを見て「免許を取ったら、RX-7で峠を走ってみたい」という憧れを抱くようになりました。
ーでは免許取得後最初の車はRX-7だった?
いえ、それがそうではなく…18歳になってすぐに免許を取り、僕はRX-7を買うつもりでいました。当時の中古車雑誌を見て「40~50万円か…これなら頑張ってバイトをしたら買えそうだ!」と思い父親に話したところ、こんな風に言われてしまいました。
「だめだ!もっと頑丈な車に乗りなさい!お父さんが買ってあげるから!」と。
お恥ずかしい話ですが、僕は子どもの頃はいわゆる典型的なおぼっちゃんでして..また父親は以前、僕の兄にあたる我が子を亡くした経験があり、僕まで交通事故で失いたくないという思いがあったんですね。
というわけで、父親から「頑丈な車と言えばボルボだ!」とボルボ購入を勧められたのですが、当時のボルボは「走るレンガ」と揶揄されるようなデザインで(笑)…RX-7に乗りたい10代の僕には、あまり魅力的な車にうつりませんでした。
そのことを父に話すと「わかった、じゃあベンベ(BMW)を見に行こう」ということになり、初めてBMWのショールームに足を運びました。
ーお父さんの親心、お気持ち、分かる気がします…
ただ当時は給料右肩上がりのバブル好景気。BMW3シリーズが六本木カローラと言われていた時代でした。僕は「BMWなんて絶対女性にモテるはずない!」という偏見を持っていたので、BMWのショールームに行くのは乗り気ではありませんでした。
当時の僕はなにせ「エンジンボンボン言わせて走るRX-7のほうが絶対モテる!」と思っている世間知らずの若者でしたから(笑)
ところがです。BMWのショールームで一台だけ、一際目をひく車を見つけました。それがBMW635CSiでした。当時1000万円超えの高級車で「世界一美しいクーペ」と言われていた車です。優雅で美しいスポーツカーの雰囲気に一瞬で魅了された僕は、父にお願いし、BMW635CSiを購入してもらうことになりました。
ーす、すごい…免許取りたてで新車のBMWを買ってもらえるなんて…
すみません…自分で話していても恥ずかしくなります。で、当然ながらそのBMW635CSiがめちゃくちゃ良かったんですね。「なんだこの楽しいハンドリングは!エンジンは!これがBMWの言う駆け抜ける喜びか!」と一気にBMWの魅力にはまり、RX-7そっちのけでBMW信者になりました。
それ以降30歳を過ぎるまでは、ポルシェやフェラーリではなく「死ぬまでBMWに乗り続けたい」と思っていました。
2-2:BMWでサーキットへ
ーでは、その後もBMWを乗り継いでいったの?
はい。BMWを何台か乗り継ぎ、31歳の時にBMWのM3を所有しましたが、これがまた目からウロコな体験で。それまでもBMWの素晴らしさは十分分かっているつもりでしたが、MのつくBMWはこんなにすごいのかと驚きました。
若干乗り心地という点で犠牲になる部分はありましたが、BMWの走行性能をさらに研ぎ澄ませ、スポーツ性を存分に引き出した車だったので、街中を走るだけでもとても楽しかったです。
ーそこからなぜサーキットの道に?
当時から車を改造することが好きだったので、M3もホイールや足回りを変えるなど色々チューニングして自己満足していました。ですが「最善なバランスが保たれたものをいじる」わけなので、様々な部分に不具合が出てきてしまい…。次第にBMWのチューニングや修理を得意とする工場を渡り歩くようになり、最後に流れついたお店が、BMWのショップの中でもサーキット志向の強いショップでした。
そのショップの方やお客さんのお話を聞いているうちに、最初は全く興味がなかったにも関わらず、次第にサーキットに関心がわき始めました。そんなある日「サーキットで一緒に走ってみよう」と誘われ、33歳のときに現在の岡山国際サーキットを初めて走ったんです。
ーそれ以来ずっとサーキットにハマり続けているの?
いえ、はじめてM3でサーキットを走った時はとても楽しかったのですが、何度も走るうちに車両のメンテナンスにとんでもなくお金がかかることが分かり…「これはやってられない」と思いつつも、その後はレースに出場するようになりました。
外車ばかりが出場するユーロカップ、いわゆる草レースのようなものに出たのですが、自分の走りがレースでどの程度通用するのが、自分はどのあたりのレベルにいるのか、試してみたくなったんです。
ー私の夫も「自分の走りが通用するか試したい」と、グランツーリスモにはまっています笑
その気持ち、よく分かります。僕も当時プレステのグランツーリスモをやっていましたが、自分の子どもより必死で練習していましたから(笑)
最初は軽い気持ちで参加したレースですが、気づけばどはまりしていました。月に最低2回は練習に行き、コンマ1秒でもタイムが速くなるように、1つでもポジションがあがるように、練習に練習を重ねて、自分のお小遣いは全て、車のチューニング費用に注いでいました。
ただ、チューニングすればするほど車が壊れるリスクも高まるので、壊れては直し、壊れては直しで…結構大変でしたね。
ー奥さんはそういった状態を見て何も言わなかったの?
最初は反対したり、批判めいたことも言っていましたが、途中から「何を言っても無駄だ」と諦めたんでしょうね。「どうぞ、自由にして下さい」というスタンスになりました(笑)そうこうしているうちに、ある雨の日、路面にタイヤをとられてサーキットで大クラッシュしてしまい…僕自身は無事でしたが、車は廃車寸前になりました。
「今まで散々お金を使って、遊んで、大事な車をぐちゃぐちゃにして…僕は一体なんて馬鹿なことをしているのだ」と、かなり落ち込みましたね。そこから4~5年は、レースやサーキットから距離を置き、一切行かなくなりました。
2-3:ポルシェGT3が欲しい
ーその後は、どのようなカーライフを送っていたの?
サーキットやレースから遠ざかっていた期間は、BMWのスポーツセダンに乗って楽しんでいましたが、いつも心の何処かで「いつかはポルシェのGT3が欲しい」と思っていました。
「BMWのM3がこんなに楽しいのだから、ポルシェののGT3はとんでもなく楽しいはずだ」と。
サーキットを経験して改めて感じましたが、やはりポルシェはすごい車です。M3は、サーキット仕様にブレーキやラジエーターを改造する必要があり、その為にかなりの費用がかかりますが、ポルシェは一切そんな必要はない。買ったままの状態で、そのままサーキットに持ち込んでも、ものすごい走りができます。
また、サーキットを何周走っても油温や水温は常に安定しているので、何十周でも同じタイムを刻むことができる。他社の車ではそうはいきません。ポルシェ車は、パッと見のスペックだけでは分からない見えないところに、ものすごくお金をかけているのがわかりました。
ーその性能こそがポルシェの魅力だと?
はい。またサーキットを走れる性能を持ちつつ、街乗りで普段使いもできる、という両方の面を兼ね備えている点は本当にすごいと思います。ドイツの職人気質に支えられた車としてのクオリティの高さは、ポルシェの大きな魅力ですよね。
僕の知り合いの方の中にも、最初は他メーカーの車でサーキットを走っていても、一度ポルシェに乗り換えると、そこからは一切浮気せず、ポルシェ一筋という方が多いです。そういった様子を見て僕も「自分のサーキットの上がり車はGT3」と決めています。それができたら、車好きとしては本望ですよね。
ーいつかと言わず、今買ってみては(笑)?
い、いやいや…新車ではとても高過ぎて手が出せないですよ。といっても、実は過去にポルシェディーラーに行って、オプションも決めて、GT3の予約して買う寸前まで行ったことがあります。しかも2度も(笑)
でも2回ともなんやかんやで土壇場でキャンセルすることになり…「まだ自分にはGT3は時期尚早だと言われているのかなぁ」と思うようになりました。周囲からも「木村さんはGT3とは縁のない人なんだよ」と言われたりしている始末です(笑)
そうこうしているうちに、今から約8年前、委託販売でフェラーリが出ているのを見つけたんです。
→【次ページ】 フェラーリをサーキットに持ち込むとどらえいことに… |
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