【ポルシェオーナーの仕事の流儀】これぞプロの接客!想像力、知識、提案力に感動した話
公開日:2021.05.27
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ここ最近受けた接客
先日、ディーラーの営業マンの接客に感じた違和感についての記事を書いた。
自分のマニュアル車を購入するためにディーラーに伺ったが、対応が少し残念だなぁと思うことが多く、帰宅後「素晴らしいクルマを扱っているのだから、もっと情熱を持って売って欲しい…!」などとぶつぶつ言っていたところ、「そんなに言うことあるんやったらブログに書きぃやw」と夫に言われて記事にしたのだ。
そして先日、今度は逆に、接客でとても感動する場面に遭遇した。そのことについて私が帰宅後、夫に熱弁していたところ、「そんなに感動したんやったら、ブログに書きぃやw」と言われたので、今回もブログに書かせて頂こうと思う(笑)
クルマ仲間の方の美容院へ
今回感動したのは、クルマのディーラーではなく、美容院での出来事だ。
コロナの影響もあり、私はここ数ヶ月美容院に行っていなかった。子どもが生まれてからというもの、ヘアスタイルはずっと「ボブ」だったが、
最近は髪の毛が伸び放題、カラーリングした部分の色は抜けて傷みが目立ち、おまけに産後で髪質はバシバシのカサカサでえらいことになっていた。
そして先日、夫が「そろそろ美容院行ったほうが良いんちゃう?」と言ってきた。
夫はファッションやお洒落には興味がなく、私が髪を切ろうがネイルをしようが全く気づかないタイプだが、そんな夫が「美容院に行ったら?」と言ってくるなんて、よほどひどい状態ということだ(笑)
ただ、「コロナのこともあるから、平日に赤ちゃん連れて美容院に行くのもなぁ…。あと、髪の傷みがひどすぎて、何をどうしていいかもう分からんねん」と答えると、
じゃあ、TAKUROさんのところに行ってみたら?カットスペースが半個室みたいになってて、このご時世でも安心設計なお店みたいやで。TAKUROさんも気さくな方やからええんちゃう?
と夫は言った。
TAKUROさんとは、夫が最近仲良くさせて頂いているポルシェオーナーの方だ。クルマが大好きで、現在は911GT3に乗っておられて(私も先日試乗させて頂いた)、bloom hair designという美容室を経営されている。
「夫の知り合いの方に髪の毛を切ってもらうなんて、ちょっと恥ずかしいなぁ…」とは思ったが、夫が「子どもたち3人は僕が見ておくから!」と言ってくれたので、せっかくなのでTAKUROさんにお願いすることにした。
感動した接客について
実際に行ってみたところ、TAKUROさんの接客の「想像力」「知識量」「提案力」にとても感激した。美容院でこのような接客を受けたのは初めてで、目からウロコの連続だった。
実は事前に「ここ数年なぜボブにしているのか」「ここまで傷みがひどくなったのはなぜか」を自分なりに整理し、伝える準備をしていたのだが、お店について椅子に座るとTAKUROさんは「ちょっと髪の毛を見させてもらいますね」と言って、表面から中の方まで、私の髪の毛の確認をはじめた。
その間「ヘアアイロン使ってます?」「ブログを見ている限り、ずっとボブですよね?」などと、2,3質問され、しばらくたった後、TAKUROさんは、「おそらくMinaさんは…」といって、「これまでにどのような施術をしてきたか」「なぜずっとボブにしているのか」についてご自身の仮説をお話してくださったのだが、それがまさに、私が事前に整理して伝えたかった内容とドンピシャだったのだ。
思わず、
…え!占い師ですかっ!?
と、言ってしまったw
これまで、美容院で「気になるところはありますか?」「どういったヘアスタイルにしたいですか?」と聞かれることはあっても、髪の毛を見ただけで状況をズバリと当てられるなんてことは無かった。
また、私の髪の毛の特徴や、傷みの原因についてもわかりやすく説明してくださり「なるほど、そういうことだったのか…」とおおいに納得できた。
「TAKUROさんってやっぱり占い師ですね…」と言うと「いや、これが仕事なんで…まぁ、マニアックな方だとは思いますがw」とおっしゃっていたが、この一連のやり取りで「今後もずっとお願いしよう」と決めた。
営業や接客には(職種に限らずかもしれないが)「想像力」が大切だと思う。初対面で、お客が全ての情報を話してくれることはあまりなく、最初は限られた情報しか得られない。
でもその少ない情報の中で想像力を膨らませ、いかにそのお客の背景を思い描けるか…「こんな悩みがあるのではないか」「きっと今日はこんな気持ちで来店されたのではないか」と、できる限りイメージしてお話を聞いていくことで、お客さんも徐々に心を開いてくださるように思う。
今回、TAKUROさんのその「想像力」と、圧倒的な「知識量」に感動したし、とても勉強になった。
そして、最も心を掴まれたのが「提案力」だ。
私は、今まで「髪の毛が傷んだら切る」を繰り返してきたのでヘアスタイルが万年ボブだったのだが(お洒落のかけらもない理由だな…)「私はくせ毛だし、傷みもひどいし、髪の毛を伸ばすなんて無理だ」とずっと諦めていた。
ところがTAKUROさんから、
Minaさんの髪質だと、ミディアムくらいに伸ばした方がおさまりがいいし、似合うと思います。また、ツヤ感のある状態で綺麗に伸ばすことも十分可能ですよ。
僕に半年お任せしてもらえたら、半年後には、本来の綺麗な髪の毛に戻せます。今日はホームケアの方法も全てお教えするので、それを実践してもらえれば、絶対変わります。
どうされますか?伸ばす方向でやってみますか?
と提案された。
「髪の毛を伸ばすなんて絶対無理だ」と諦めていたのに、「伸ばせる」という光が見えたことに驚いたとともに、素直に嬉しかった。そして、断言してもらえるとお客はこんなにも心強く、相手に対しての信頼感が増すことも実感した。
そして私は今、教わったホームケアを実践しながら、半年後のミディアムヘアを目指して頑張ってる最中である(笑)
美容院や、家電を買いに行く時など、自分が接客される立場になってみて思うことがある。それは「お客は迷っていることも多い」ということだ。
だから店員さんから「どうしたい?何がほしい?」と聞かれても、うまく答えられないことが(私の場合は)よくある。
なかには夫のように、何を買うにも事前に調べ尽くして、何なら店員さんよりもその商品に詳しくなって「これを買う」という1点狙いで買いに行くお客もいると思うが、そんな人は稀なのではないかなぁ。
だからこそ、ある程度方向性や案を絞ってバシバシっと提案してくれた方が、お客の側からすると選びやすいように思う。
提案力の差
夫に帰宅後「すごかったわー!」と興奮しながら話したところ、夫はこんな風に言った。
行ってよかったやん!
そう考えると今までの美容院は、「傷んでるから切ってください」とお客に言われたから、その言葉通り切るという感じやったんたろな。でも、お客の言うとおりにすることが、必ずしも正解やとは限らへん。
TAKUROさんのように、「そのお客さんにとって本当にベストな選択は何か」というところまでちゃんと考えて提案できるのが、プロフェッショナルなんやろなぁと思うわ。
ポルシェを新車で買う時もそうかもしれんよな。ポルシェの場合は、自分だけのオリジナル仕様を一から考えて決めていかないとあかん。でも、高額やし、オプションの選択肢もめちゃくちゃいっぱいあるし、グレードやオプション次第でかなり走りや乗り味が変わるから、お客側はめっちゃ悩む。
だから、お客に選択を委ねすぎると、結局決められへんことも多いと思うんや。実際、僕も迷って決められないこともある。
そういう時に「走りにこだわるならこのオプションは必須、逆にこれは要らない」「乗り心地重視ならこれは要る、これは要らない」という風に、ある程度絞ってバシバシっと提案してくれると、お客は選びやすいんじゃないかなぁと思う。
まぁ、人によってはそういう接客が嫌な人もいるとは思うけど。
確かになぁ。この話を聞きながら、私が営業に出たての頃に、上司にある指摘されたのを思い出した。
私は当時、新人ということで営業に自信が無く、プレゼンの際に「…だと思います」という表現を無意識でよく使っていたのだが、同行した上司にこんなことを言われた。
あのな、お客さんは、高い買い物をするんやぞ。それやのに、おまえが「思います…」とか「多分」とか、自信のない言い方をしてたら、お客さんは安心して買えるわけがないし、お客さんに失礼や。
これからは「…思います」は禁止、必ず「こうです」と断言するようにしなさい。
そして、自信を持って断言できるくらい、商品について徹底的に勉強しなさい。
もちろん、分からんことあれば、それは正直に伝えて調べればいい。でも、いつまでも「新人やから自信が無い」という言い訳をして、逃げてたらあかん。
と。
そう上司に言われて、以来商品について勉強したり、先輩に聞いたり、実際に購入して下さったお客さんに「なぜ購入したのか、どこが良かったのか」などを教えてもらうようになった。そして次第に「この商品はめちゃくちゃ費用対効果が高いいい商品だ」と思えるようになると、お客さんから断られることが怖くなくなり、自信を持って断言し、提案できるようになった。
だからTAKUROさんのように「断言できる」「提案力が高い」というのは、それだけ商品やサービスに自信があるからこそできることなんだろうなぁと改めて思った。
今回、TAKUROさんの美容院に行って、どんな仕事でも、その仕事に自信と誇りをもって働いている人に接客してもらえると、こんなにも気持ちよくお金を払えるんだなぁと実感したし(もっと稼いでもっと払えるようになりたいw)色々と勉強になった。
私も、頑張ろう!TAKUROさん、有難うございました!
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