トヨタ 新型ハリアーに試乗!ポルシェ乗りの夫はどう評価する?

トヨタ 新型ハリアー
レビュー・試乗記

夫がトヨタの新型ハリアーに試乗させてもらったそうなので、その感想を書いてくれた。よろしければご覧ください。

新型ハリアー ガソリン・2WD Zグレード

先日、友人がトヨタの新型ハリアーを購入したとのことで、試乗させてもらった。いつものように内外装の紹介や使い勝手よりも、その走りにフォーカスしてレポートしてみたい。

今回試乗したのは、新型ハリアーのガソリンエンジン車モデル、2WDのZグレードになる。

とても人気なのと、半導体不足の影響で注文しても納車までに時間がかかるらしいのだが、この友人は新車未登録の個体を街の中古車屋さんで見つけたとのことで、購入したらしい。

トヨタ 新型ハリアー

トヨタ 新型ハリアーのリア

まず、外装から見ると、リアは現行カイエンにも似ており、テールランプが繋がる北米で人気のスタイルだ。

フロントはX型のフロントマスクで、締まった印象を受ける。個人的には好きなデザイン。車幅は1850mmなので、とても使い勝手が良さそうで、狭い道でもそれほど気を遣うこともなさそうだ。

エンジンは2リッター、直列4気筒のNAエンジンで171ps/6600rpm、トルクは21.1kg/4800rpm。最初、これだけ聞くと、今どきダウンサイジングターボでもないNAエンジンで、このスペックだと下からスカスカなのだろうな、と思って運転席に座った。

エンジンとトランスミッションの印象

走り出すと、トヨタ車らしからぬ雰囲気がある。というのは、しっかりとエンジン音を車内で聴かせようとする。これは、単に遮音材が少ないとか、そういう類の音ではない。あえて、聴かせようとしている「ブォーン」という音で、スポーティーにさえ感じる。

トヨタ車やハリアーのイメージからすると、もっと静かで、ドライバーには余計な情報を与えないクルマという印象だったが、このハリアーは全然違う。

しかも、出だしから、かったるさはない。トランスミッションの制御が、しっかりと3000rpmより上も使おうとしており、ちゃんとエンジンのトルクバンドでクルマを走らせようとするのだ。

トヨタ 新型ハリアーの内装

トヨタ 新型ハリアーの後部座席の広さ

助手席を余裕を持ったシート位置にセットして、後部座席に座った状態。身長177cm。

私が今まで経験した国産車のATの多くは、エコに意識が行き過ぎて、とにかくエンジンを回さないように走らせようとし、坂道でもとにかく2千回転前後に留めようとするものが多いという印象だった。特にCVTはベタ踏みしても反応が鈍く、「このエンジンは6000rpmまで回るはずなのに、実際、回して走るなんて難しくて、意味がないなぁ。」と思う国産車が多かった。

しかし、このハリアーは違う。

ちゃんとエンジンを回して、そのパワーをしっかりとトランスミッションが引き出そうとしている。また、エンジン回転だけが上がってスピードが付いてこない、あの空走感もなく、トランスミッションとエンジンの連携がとても良い仕事をしているように感じた。

トヨタ 新型ハリアーのメータパネル

試乗の後で聞くところによると、エンジンは最大熱効率40%と言われる超高効率のエンジンで、トランスミッションは比較的新しいDirect Shift-CVTが採用されているとのこと。どうりで、走りがとても良くなってるはずだ。

とはいえ、速いか?と言われると、速くはないが、多くの場面でそんなに不満は感じないはずだ。踏めば、しっかりとエンジンを回して走れるので、日常使いでは必要にして十分だと思う。

走りを忘れたお父さんたちへ

スピードを徐々に上げていく中で、ボディはとてもしっかりしているが、足回りはちょっと柔らかくて頼りないかな、リアが少し跳ねて、低速で少し左右にヒョコヒョコするかな、と感じていた。

しかし、カーブが近づき、ステアリングを切ると、低速域で少し感じたフワフワとした印象とは違い、しっかりと粘ってくれるのだ。コシのあるサスペンションという表現が適切だろう。ロールが一定の位置でピタッと止まり、安定した姿勢のまま軽やかにコーナリングを終える。

トヨタ 新型ハリアーのホイール

これは個人的にはとても高評価なポイントで、同乗しているオーナーさんに「これ意外とスポーティーですね!」というと、「そうなんです。最初、意外とスポーティーで僕もビックリしたんですよ」と。

もちろん、タイヤの限界は高くはなさそうだし、コーナリングスピード云々を語るクルマではないが、家族を置いて、たまに一人でドライブに行くお父さんが気持ちよく山道を飛ばすレベルなら十分に安心して楽しめると思う。

ちなみに、低速域での乗り心地は、5人乗車で荷物なども乗せて走るなら、もう少し印象は良く感じるように思う。

上質感とのバランス

速度を上げると直進安定性は問題ない。安定感もあるが、風切り音は少し気になった。そのためか、少しスピード感は感じる。内外装の質感の高さ、上質さからすると、もう少しこの辺の音の処理はどうにかしてほしいところだ。

視覚から感じる上質感と、聴覚から感じる低質感のアンバランスが少し気になった点だ。

トヨタ 新型ハリアーのスポーツモード切り替えスイッチ

スポーツモードに切り替えて、さらに走ってみると、エンジンの回転をさらに高い観点で維持しようとしてくれる。これでこそ、本当のエンジンの使い方だ。

そのクルマのエンジンパワーをしっかりと使い切って走れるATを持つ国産車は少ないが、少なくともこのハリアーは171psをしっかり使って走れるので、運転が楽しい。エンジンを回して駆け抜けるワインディングは、思わずドライバーを笑顔にしてくれる。

次にでシフトをマニュアルモードにして、操作してみる。

シフトダウンは特に問題ないが、シフトアップの制御は、かなりシフトショックがある。マニュアル車でいうところの、アクセルを緩めずにシフトアップしたような感じで、ギアが上がるたびに、乗員の頭が後ろに揺れるので、このクルマはマニュアルモードでの走行よりも、スポーツモードでATに制御を任せたほうが良さそうだ。

総評

久しぶりの国産車だったが、今回のハリアーに乗って、私が今まで思っていた国産車(スポーツカーを除く)に対するネガな部分の多くが改善されているなと感じた。特にAT(CVT)の制御の進化はすごい。これなら日常使うクルマとしては、私は文句は無い。そのくらいよく出来ていて、最初、CVTとは知らずに乗ったのだが、後でCVTと聞くまで分からなかったくらいだ。

新型ハリアーの調光パノラマルーフ

オプションの調光パノラマルーフ

新型ハリアーの調光パノラマルーフ

ボタン一つで瞬時に透明度が切り替わる

それにエンジンの勇ましさ、ハンドリングの元気の良さは、私のハリアーに対するイメージをかなり変えたと言ってよい。このクルマ、少なくともこのガソリン車モデルは安楽に乗るというより、たまにスポーティーにも走りたい方に向いているように思った。

また、この質感、上質感で乗り出し400万円と少しであれば、かなりお得だ。欧州車の同じくらいの価格帯のクルマは、内外装はもっと無機質だ。代わりに、もっと足回りや駆動系の上質さにコストをかけている印象がある。

そのため、走りの質感は今でも欧州車に軍配が上がるように思うが、内外装の上質さやパッケージングに重きを置く方は、断然こちらの方が良いだろう。

また、オーナーさんに聞くところによると、とてもリセールが良いとのこと。400万円以上するクルマではあるが、リセールを考えれば、そこは同クラスの欧州車よりも断然安く乗れる。それもこのクルマの魅力の一つではないかと思う。

Hiro

Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを好...

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  1. よしきち

    いつもお世話になっております。早速記事で取り上げていただき、感謝しております!

    マカンターボに代わるSUVを探していたところ、偶然、お値打ちな新車を見つけたので、即買いしました。

    何の期待もせずに購入した車両でしたが、思ったよりも楽しくて、1か月で2000kmも走ってしまいました。

    19インチのアルミホイールに、全周囲モニター、調光パノラマルーフ、室内のステッチ(しかも2色)仕上げ、サイドスカート(電飾)、グレイトップウィンドスクリーン、後席プライバシーガラス、ヘッドアップディスプレイ、アンビエントライト、デジタルインナーミラー(前後ドラレコ付き)、JBLスピーカーに自動運転機能、ホワイト色(メタリック)など、オプション盛り沢山です。

    ポルシェであれば200万円ほどのオプションが入っているイメージで、コスパの高い車両と感じています。
    面白さや性能は、マカンターボに全くかないません…200馬力は欲しかったですね。

    お話は変わり、718スパイダーPDKにもぜひ乗っていただきたいです!

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    • HiroHiro

      こんにちは。
      先日はこちらこそ、ありがとうございました。
      日常乗るクルマとしては、便利ですし、そこそこスポーティーにも走れるし、
      コスパがとてもいいと思いました。

      また機会があれば、718もよろしくお願いいたします!

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