メルセデス・ベンツ GLB200d 4MATICに試乗|エンジン音、足回り、ハンドリング(後編)
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前回の、メルセデス・ベンツ GLB200d 4MATICに試乗|GLAとの違いなど(前編)に続いて、今回は後編をお届けしたい。
コンテンツ
GLB200d 4MATIC
GLB200dエンジン音
GLBのエンジンについて、もう一つ特筆すべき点は、回した時のエンジン音である。最初、これはディーゼルエンジンなので、単に静かなだけか、逆にただ騒がしいだけか、のいずれかだと思っていたが、どちらでもない。
そこそこ車内に聞こえる音で、それなりの快音を響かせてくれるのだ。
よくある単なる「ブーン」という実用エンジンらしい音とは少し違い、「グォーン!」とディーゼルらしからぬ音を出す。この点だけでも、ディーゼル嫌いの私はかなり心を奪われたのは確かだ。
また、回転が極端にスムーズすぎないのが良い。というのは、最近の高性能ディーゼルエンジンはとても回転フィールが良い。それに加えて音も静かなものだから、調子に乗って回していると気づかぬうちにレッドゾーン付近になり「もう終わりか。。。」という残念な気持ちになることが多かった。
しかし、GLB200dのディーゼルエンジンは、実用エンジンとしては非常にスムーズなのだが、スポーティーカーのディーゼルエンジンのように超絶にスムーズな回転フィールでもなく、かつ、音もしっかり聞こえるので、どのくらいの負荷がかかっていて、あとどのくらいで限界なのかが、タコメーターを見なくても分かりやすい。
そこが、私は運転していてとても自然な感じで好感が持てた。
足回り、ハンドリングについて
まず、乗り心地についてだ。乗り心地を評価するにあたり、かなり意地悪に路面の荒れた所や、突き上げがありそうな所を低速で走ったりして確認した。私の感覚からすると、乗り心地は『良い』というレベルにあたる。
もちろん、カイエンや大型SUVのような、タイヤの転がり始めからのトロンとした滑らかさは薄いが、タイヤの回転フィールの滑らかさ、路面のザラつきのフィルタリング具合など、ちょうど良いレベルである。
Cセグメントのコンパクトカーよりは上質なフィーリングに思う。
路面が荒れた場面や、うねりの場面を走ると、国産車のサスペンションに慣れている人からすると、やや固いと思われるかもしれない。しかし、時折、ドンという音こそあるが衝撃は上手く丸められており、かつ、ボディの揺れもSUVにしては小さい方だ。
大型のSUVで、電子制御スタビライザーのオプションの無い個体だと、こういう場面ではユサユサと巨体が揺すられるようなことが多いが、GLBはかなり揺れが小さい。
それは、重量やマスの小ささ、最低地上高の低さなどが影響しているのだろうと思う。
なお、GLAと比べると、やはり乗り心地の大人さ、快適さでいうとGLBの勝ちである。一歩、乗り味は上質になっているように感じた。
マンホールの蓋などを踏んだ時のような大入力での処理はGLAもGLBも素晴らしいものがあるが、GLAの方は一見すると綺麗な舗装でも路面のうねりや滑らかな凹凸などがあると、ややリアが跳ね気味になり、微妙にリア半分が左右に振れるような感覚がある。
これは後部座席に座ると左右に小刻みに振れるのでよく分かるが、GLBはこれがほとんど感じない。ちなみに、GLAで少人数乗車の方はリアの空気圧を少し下げて走ったらちょうどよいのではないかと思う。
このモデルは4MATICなのだが、FFベースの四駆なので、もっとFF感が強いのかと思っていたが、ワインディングで試すと全くそんなことはない。スポーツモードにして踏み込んで、カーブを曲がっていく。ステアリングの中立付近の緩みはメルセデスにしては少ない方で、とてもニュートラルなハンドリング特性だ。
切り始めから、切り終わりまでのステアフィールが一貫しており、修正舵も必要ない。素晴らしいハンドリング特性である。
カーブで少し負荷をかけ、横Gをかけながら回ってみる。サスペンションは適度に沈み、ある程度のところでしっかりと止まる。外側に荷重がかかっているはずなのに、内側の接地感も失われていない。
ここが、メルセデスの素晴らしいところ。サスペンションの伸び側もしっかりと安心感を伝えてくれるので怖さがまるでない。
まるでコーナリング中はカイエンのスポーツプラスモードで走っているような感覚だ。ロールが少なく、かつ、揺れも少ない。大きさも重さもSUVにしては小さく軽いので、ゴルフクラスのハッチバックにSUVのボディを被せたような走り方である。これにはとても感銘を受けた。
そして、男性の大人4人が乗り、同じようにワインディングで試してみる。私は後席で体験する。これが驚くべき安定感である。足回りは全くその重量に負けておらず、しっかりと踏ん張りつつ、安全に乗員を運んで走る。パワー感も申し分ない。
芦有エッセスの上りカーブでも、グイグイ加速する。このディーゼルエンジンのトルク感と8速デュアルクラッチATは素晴らしい。コーナーの出口でアクセルを踏み足しても、四駆の制御のお陰でしっかりとリアにトラクションがかかり、上りのコーナーでも何事も無かったかのように安定してコーナーを脱出する。これが大人四人乗車のわずか150psのクルマの走りとはとても思えない。
そして、コーナリング中の速度は高いにも関わらず、後席に座っている私と友人は、その揺れと横Gの少なさに感動しっぱなしだった。本当に狐につままれたような感覚だった。
GLB購入のための抽選にエントリーしてみた結果…
実はこの試乗の数日前にカイエンを手放したのだ。これについては別記事であらためて書こうと思うが、次の家族用のクルマは何が良いのか?と検討していた矢先に、この試乗である。
あまりにもGLBに感動していたところ、冬に納車される予定のMP202301モデルの抽選があると聞いたのだ。とはいえ競争率は高いので、まず当たることは無いだろうが一応エントリーだけしてみたのである。
すると数日後、ディーラーの担当者から連絡があり、当選しましたとのこと(汗)。
全く予定にはなかったが、これもせっかくのご縁と思い、購入を決断した。なお、選んだ仕様はGLB200d 4MATICのイリジウムシルバー、AMGラインパッケージ、AMGレザーエクスクルーシブパッケージ、アドバンスドパッケージ、パノラミックスライディングルーフと付いたフルオプション仕様だ。
これはまだまだ先の納車になりそうだが、また納車されたらレポートしてみたいと思う。
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コメント ( 2 )
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こんにちは
わお
私たちも先日GLA、GLBを見に行ったところでした。
(うちは結局はやめましたが)
家族を乗せて全員が快適、と自分が運転して楽しい、両方あれば
最高ですね
だから車好きはやめられません 汗
mamiさん、こんにちは。
そうでしたか!GLA、GLBを見に行かれたんですね!!
家族を乗せて全員が快適、というのは理想ですよね。
カイエンはそういう意味では最高の一台でしたが、何分、都市部の日常のちょい乗りでは
車幅が駐車時に気を遣いました。
そういう意味ではGLBは、わが家にとってはちょうどいいサイズなのかな、と思ってます^^