メルセデス・ベンツ GLB200d 4MATICに試乗|GLAとの違いなど(前編)

GLB200d 4MATIC
レビュー・試乗記

GLB200d 4MATIC

先日、友人がGLB200d 4MATICを購入したというので、試乗させてもらった。

実は以前、弟が購入したGLA200d 4MATICに試乗したことがある。その時はエンジンやボディの剛性感は凄いし、スピードを出した時の安定感は凄い。ハンドリングもとてもスポーティーだけど、タウンスピードでの路面のうねりに関しては、ちょっとリアサスが跳ね気味で落ち着きがないなぁという印象だった。

GLA200d 4MATIC

こちらは弟のGLA

なので、GLBにもそれほど乗り心地は期待せずに、今回試乗したわけだがその時の感想を書いてみたいと思う。

デザインおよび内装

まず、第一印象は車幅がコンパクトだなぁという印象だ。特に真正面から見た時にそう思う。これは車高の高さもあるのだろう。GLAではそこまで思わなかったが、GLBだと特にそう思う。

全体的には最近のクルマには珍しいとてもスクエアなデザイン。

Gクラスをモチーフにしたというが、Gクラスを現代的にして、さらに小さくしたミニGクラスの雰囲気がある。

乗り込んでみると、とても乗り降りがしやすい(体格にもよるとは思うが)。フルサイズ系のSUVだと、階段を上がるかのような動作をしないといけないことが多いが、GLBは比較的簡単にスッと運転席に腰掛けることができる。

また、降りるときも同様で、必要以上に足を伸ばして降りる必要がない。セダンやクーペのように、低い所から立ち上がるという動作でもなく、そのままスムーズに降りられる絶妙な高さである。

GLB200d 4MATIC

GLB200d 4MATICの内装

GLB200d 4MATICのシート

レザーDINAMICAのシート

内装はさすがはメルセデスだ。豪華とか質感云々以前に、デザインに華がある。色は黒基調なのに、とても華やかで安っぽさは微塵もない。誰が乗っても、高級なクルマであるという印象は持たれるのではないだろうか。

今回試乗したGLB200d 4MATICはMP202202というモデルイヤーの個体になる。オプションとしてはAMGラインパッケージとパノラミックスライディングルーフ装着車だ。

シートはAMGラインパッケージの標準のアルカンターラのような『レザーDINAMICA』という仕上げになる。ステッチは赤で、ポルシェのGTSインテリアパッケージのような雰囲気でとてもスポーティーだ。

GLB200d 4MATIC

MP202202はパワーシートが無い

残念なことにMP202202のモデルについては電動パワーシートが半導体不足の影響で省かれているそうだ。またワイヤレス充電が省かれたり、2列目のUSBの個数減などもあるとのこと。しかし、全般的な雰囲気や高級感、パワートレインなどには特に影響無いようなのでご心配なく。

2列目シートの座り心地もとても良く、平坦なシートのようで、意外と腰と背中をホールドしてくれる。この辺りのシートの作りの上手さはさすが椅子文化の長い欧州車だなと思う。足元のスペースも席を後ろまで下げれば十分な広さがある。

一方で、大人が二列目に3人座るとなると少し幅的に狭いかもしれない。この辺りを求める場合は、もうひとつ大きなサイズのSUVを選んだ方がよいだろう。

GLB200d 4MATIC

GLB200d 4MATICの2列目シートの足元

GLB200d 4MATICの3列目シート

GLB200d 4MATICの3列目シート

そして、気になる3列目のシートだが、思いの外、座れるというのが感想だ。もちろん、狭いのは狭いが、30分以内くらいなら耐えられるし、比べるものではないが、911のリアシートから比べれば快適すぎるくらいである。

また、チャイルドシート装着のためのISO-FIXもあり、座席は少し穴蔵的な暗さと狭さがあるので、小さい子どもたちならむしろ喜ぶ空間ではないだろうか。

ディーゼルエンジンの感想

私はもともとディーゼルエンジンは個人的にはあまり好きではない。なので、かなり偏見を持ってこの200dのエンジンを試したつもりである。

しかし、結論からいうと、今まで乗ったディーゼルエンジンの中では最も違和感が少ないと感じた。

スタートボタンを押すとエンジンは静かに目覚める。ディーゼルエンジンなので、アイドリング時はやや振動をステアリングやボディに感じることはある。しかし、ひと昔前のバランサーが無いコンパクトカーの4気筒ガソリンエンジンのように安っぽい大きな振動ではなく、振動の振れ幅はとても小さく、周波数が安定しているので、意識しなければそれほど気になることはないだろう。

実際、走行に集中している最中に、停止しても何も違和感は感じない。

GLB200d 4MATICのエンジン

そして、何よりこのクルマの美点として挙げたいのは、8速のデュアルクラッチ式オートマチックとエンジンの連携の上手さである。このエンジンは320Nmをわずか1400回転から生み出すのだが、そのトルク感を無駄にせず伝えるのに、このデュアルクラッチ式のATがとても合っている。

もちろん、通常のトルコン式ATの方が、発進は滑らかだし、もっと優しい加速フィーリングなのは分かる。しかし、私はこの小気味の良いシストチェンジと加速感がとても好きだ。

加速力も十分で、踏めばしっかりと加速してくれる。 0-100 km/h加速はわずか9.3秒と決して速くはないのだが、アクセルを踏んだ瞬間のトルク感が凄いので、その数値以上の加速感を味あわせてくれる。

普段、ポルシェの加速感に慣れている私でもそう思うのだから、ほとんどの人にとっても十分だろう。

では、この続きは後編にてお届けしたいと思う。

Hiro

Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを好...

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