快走路で分かったフェアレディZ NISMO(RZ34)の魅力|四国ツーリング Day2
公開日:2025.04.10

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フェアレディZ NISMOでのツーリング2日目。高知県での宿泊を終え、四国の名道である国道439号線から194号線、そして岡山の鷲羽山へと至るドライブの全容をお届けする。走行フィールドの変化とともに見えてきたのは、この日産スポーツの真の資質だった。
高知からスタート – 439号線の快走路へ
1日目の走行を終え、高知県の定宿としているサザンシティホテルに宿泊した。このホテルは駐車場が広く、周辺に飲食店もあり、ホテル内レストランも良質。部屋も広めで1万円以下と、ツーリング拠点としては理想的だ。
2日目の朝、高速を使って大豊インターまで移動し、四国の名道である国道439号線へと向かった。
「ヨサク」の愛称で親しまれるこの道路は、「酷道(ひどい道路)」とも呼ばれる区間もあるが、今回走ったのは狭隘路ではなく快走路の部分だ。西南方向へと伸びるこの区間は交通量も少なく、文字通り「快走路」という言葉がぴったりの気持ちの良い道だった。
適度な中速コーナーが連続する439号線では、フェアレディZ NISMOの真価が発揮された。普段感じる乗り心地の悪さは、このような道では嘘のように忘れてしまう。むしろ、こういったシーンこそがこのクルマの本領なのかもしれない。
フェアレディZの音響演出
439号線を走りながら強く印象に残ったのが、フェアレディZのエンジンサウンド。
基本的には環境規制の影響で静かなクルマだが、スポーツモードやスポーツプラスにすると車内に響くフェイクサウンドが実に心地よい。V6風の「フォーン」という澄んだ音色は雑味がなく、シフトアップ時の「ボン」という変速音とともに走りの気分を盛り上げてくれる。
一方でシフトダウン時のブリッピング音はポルシェほど激しくなく、控えめな音が特徴的だ。
これは好みが分かれるところだが、過剰な排気音が苦手な人には丁度良いバランスかもしれない。なお、通常モードではほとんどエンジン音が聞こえないほど静かで、スポーツモード以上にしてこそ、この心地よいサウンドを楽しめる。ただし、グレードによってはこの機能がオプション扱いとなっているので、購入時は確認が必要だ。
194号線への転進 – 立体的ワインディングの醍醐味
439号線から国道194号線へと入ると、道のキャラクターが変わる。この194号線は四国の南北をつなぐ道路で、私が特に好む区間だ。今回は右折して標高を上げていく部分を走ったが、まさに立体的なワインディングと言える。タイトなコーナー、中速コーナー、直線が適度に混ざり、登りの勾配も加わって、ドライバーを飽きさせない。
フェアレディZ NISMOはこの道でも真価を発揮した。
これまでのレビューでは色々と文句も書いてきたが、ワインディングでの回頭性は見事だ。ポルシェのボクスターやケイマンと比較しても、一般道でのツーリングという観点では遜色ない回答性と速さを持っている。特にこの純正タイヤは熱が入った時のグリップが強烈で、フロントがとてもよくグリップする。ケイマンからの乗り換えでは色々と感じる部分はあったが、フェアレディZを新たに購入する人であれば、走りの満足度は十分に高いだろう。
上りも下りも楽しめるのがこのクルマの特徴だ。意外にも車高が高く、ホイールハウスの隙間も大きいため、サスペンションのストロークを使いながら走れる。19インチホイールに比較的扁平率の高いタイヤを履いているのも特徴的で、少しアメリカンなマッスルカー的な雰囲気すら漂わせる。このタイヤをたわませながら走る感覚が、フェアレディZ独自の楽しさを生み出している。
ポルシェとの違い – 筋肉質のアスリート
同じ道をポルシェでも何度か走っており、その違いが興味深かった。ポルシェが「しなやかな筋肉を持ったアスリート」なら、フェアレディZは「マッチョなアスリート」という印象だ。エンジンパワーという意味ではなく、車体の動かし方や曲がり方の質感として、力強さが際立つ。
この車はある程度負荷をかけてハイペースで走ってこそ、真価が発揮される。
ゆっくりだらだら走っても面白みは少ないが、自分のペースでしっかり攻められる道があれば「水を得た魚」になる。完全な優等生ではないからこそ面白い、辛口のクルマだ。辛いけれど美味しいカレーのように、自分の腕やテクニック、スキルが如実に出るところが魅力だろう。
岡山へ – 鷲羽山から帰路へ
194号線を走り終えた後は、高速を使って岡山方面へ向かった。X(旧Twitter)のつぶやきでよく見かける、岡山の車好きが集まる鷲羽山の駐車場へ立ち寄ることにした。そこへ向かう道もタイトなワインディングがあり、フェアレディZを楽しませてくれた。鷲羽山からは瀬戸大橋の絶景を眺め、その後山陽道から芦有ドライブウェイを経て夕方に帰着した。
この2日間のツーリングでは、当初抱いていた「フェアレディZでのツーリングは楽しくないのでは」という懸念は完全に払拭された。ポルシェとは全く異なるジャンルの楽しさがある。RZ34オーナーの間で「どんどん距離を走りたくなる」という声を聞くが、今回そのニュアンスが理解できた気がする。ロングツーリングに適した素質を持つクルマだ。
また、駐車場で声をかけられる頻度も高く、今回も2件ほど声をかけられた。フェアレディZが日本人男性に愛される理由も、身をもって体感したツーリングだった。
今回のルートマップ
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コメント ( 1 )
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HIROさんこんにちわ。
youtubeに[SEV公認]だけチャンネルというのがありまして。
富山の718スパイダーにSEV商品取り付け動画見ました。
ポルシェでも付けれるんやと思いました。
よかったら検討してもいいかもです。