マニュアル車(MT車)のクラッチの重さと操作のしやすさ
公開日:2020.06.09
ポルシェのマニュアル車にも
私が現在よく乗っているクルマは、人生初の愛車となるBMW320i(F30)のマニュアル車なのだが、同じくマニュアル仕様のポルシェ ボクスターGTS(981)や、911 GT3(991後期型)も、お陰様で普通に運転できるようになった。
つい1年前までは、全くマニュアル車が運転できず、「運動神経の悪い私には、マニュアル車の運転なんて一生無理だ」と卑屈になり、なかば諦めていたが、やはりなんでも慣れなのだな。
320iを購入し、毎日のように乗るようになってからは、マニュアル操作への苦手意識がなくなり、ポルシェのマニュアル車も普通に運転できるようになった。
クラッチ操作とシートポジション
そして先日、久しぶりにボクスターGTS(981)を運転したが、「やっぱりこのくらいクラッチが重たい方が運転しやすいなぁ」と改めて思った。
以前、マニュアル車を運転できなかった頃は、「なにこのクラッチ、めっちゃ重い!筋トレかッ!!」などと散々文句を言いながら練習していたのに、今では感覚が180度変わってしまったという…(笑)
クラッチ操作のやりやすさについては、低速でのトルクのある無しも影響すると思うけれど、クラッチの重さに限って言うならば、私は、ある程度重たいクラッチのほうが操作がしやすいと今は思っている。
わが家にあるGT3(991後期型)は、クラッチが結構軽いので、当初は運転がしやすいかと思ったのだが、クラッチを戻す時の反発があまりなく、微妙な調整がしづらいので、低速だとエンストしそうになることがある(もちろん低速トルクの有無の問題もあるが)。
その点、981ボクスターは、数は少ないが今まで私が運転させてもらったMT車の中で言うと(718ボクスター、GT3、ホンダS660、アバルト595、兄のレガシィ)、一番踏みごたえがあって重たく、調整がしやすく感じる。
加えて、981のクラッチ操作がやりやすくなったのは、自分の体型にシートポジションをちゃんと合わせられるようになったことも大きい。以前は、どう調整してもしっくりこず、結局かなりシートを沈み込ませた状態でクラッチペダルを奥まで踏み込める位置にしていた。
ただそれだと、クラッチペダルを踏むたびに足にかなり力が入ってしまい、ペダルを戻す時の微妙な調整も全く出来なかった。
その後、読者の方のコメントや夫からのアドバイスを受けて、シート位置はほぼ一番前にし、クラッチペダルを踏んだり抜いたりしてもステアリングにひざが当たらないギリギリのところまでシートを上にあげると、自然とクラッチに足が届きやすくなっり、格段に運転がしやすくなった。(説明が難しい…)
以前の私は「女の人は、男の人のように足の筋力がないから、絶対こんな重いクラッチを操作するなんて無理!」と言っていたが、筋力の問題ではなく、正しいシートポジションにして無理なく自然と操作できるようにすれば、余計な力は要らないし、女性でも問題なく乗れると知った。(強化クラッチとかになると筋力いりそうだけどw)
レーシングドライバーの方が、「1ミリ単位で、シートポジションはものすごく大切だ」とおっしゃるけれども、特にMT車に関しては、本当にそうなのだなぁ。言うなれば、スポーツの基本フォームみたいなものだもんなぁ。
ポルシェのクラッチ
ポルシェに関していうと、年々クラッチペダルは軽くなってきているようだ。以前ブログのコメントで読者の方が、クラッチの重い順「993→ケイマン(981)→GT3(991)」と書いてくださっていた。
夫は、私よりも多くのMT車を経験し、ポルシェに関しても希少な73カレラまで運転させてもらった経験があるのだが、ポルシェのクラッチ操作について感じることを聞いてみたところ、
僕も最初、981のボクスターGTSが納車された時は、あのクラッチの重さと、つながるポイントの分かりにくさに苦労した。当時、MT車は15年ぶりくらいの運転で、なかなか感覚が戻らなかった記憶がある。
僕はあのボクスターを完全に手なづけられて、どんな道、状況でも困らなくなったのは1万キロくらい走ってからやと思うわ。そのくらい、なかなか心を開いてくれなかったし、クラッチ操作に苦労した。
そのボクスターのクラッチに慣れてから、いろんなポルシェや他メーカーのMTを運転させてもらったけど、ポルシェのクラッチはどれも重めであることには違いないな。でも、重すぎてこれは無理だと思うほどではない。その適度な重さがコントロールしやすくて、慣れると微妙なコントロールがしやすいと思うわ。
と言っていた。
なるほどなー、一度、空冷ポルシェのMT車も運転してみたいなぁと思う今日このごろである。
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コメント ( 8 )
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Minaさん こんばんは
981ボクスパのクラッチも重いです(いい意味で)。クラッチを踏み込む時に感じる程よい抵抗、クラッチを戻す時に足裏が押される感覚がとても心地よく、車をダイレクトに操作しているという気にさせてくれます。GTSも重いようですのでクラッチの重さは981に共通した演出なのかもしれませんね。以前乗っていた2.0Lの718ボクスターはクラッチそんなに重たくなかった印象です。2.5Lの718ボクスターSも短距離の試乗のみでしたが2.0L718ボクスターとそんなに違いはなかったように記憶しています。
991.2MT中古車の実車を見学し時ににクラッチが軽いことに少々拍子抜けした覚えがあります。(試乗はできずシートに座ってクラッチを踏んだだけなので走行させるとまた違ったのかもしれません。)。911は硬派でクラッチが重いと聞いていたのですが、それは空冷時代の話だったのでしょうね。
先日、アストンマーチン V12 VANTAGEの6MTを試乗しました。排気量が5.9Lと大きいのでクラッチはさぞかし踏みごたえがあるのでは?と思っていましたが、981ボクスパの方が断然重かったです。素人考えでエンジンの排気量とクラッチの重さが多少相関すると思っていましたが関係ないみたいですね。
イシさん
981ボクスタースパイダー、MTで運転しながらあのエンジン音が味わえるなんて最高ですね…!
いつか運転してみたいです…!
排気量とクラッチの重さは関係が無いのですね。
なんとなく排気量が大きいほうがクラッチも重たい気がするのですが、個人的にはある程度重くてもいいなぁと思ったりしますが^^;
クルマもより運転がしやすく、進化しているのだなぁと思いました。
こんにちは。MT系の話題になるとコメントしたくなります。
さて,クラッチの重さについてはいろいろな解釈があってよいのですが,ポルシェに関して私はわざわざ重くするということはしていないように思います。
昔の感覚だとエンジンのパワー・トルクが大きくなると押さえつける力が必要だからクラッチが重くなるというのが基本と考えていました。
ただあまり重くなると操作が困難になるから,ある程度を超えるとクラッチの材質や構造を変えることになるのかな,と。
ボクスター/ケイマンでは718から4気筒ターボになりましたしパワーも増えましたから,当然クラッチも見直しが行われていてもおかしくありません。
911の方はもっと明確で,991後期型で通常モデルがターボ化された際に7速MTは「ツインプレート・クラッチ」になったとの記述がプレスリリースにありました。991前期型ではとりあえずPDK流用のMTを実現しクラッチはパワーに合わせて強化しただけ,後期型に向けてクラッチやフライホイールに手を加えたのかな,などと想像して楽しんでおりました。フライホイールも低速でも高いギアで走れるようにダブル・マス化したようですね。たしかにアイドリング回転数でも平地なら走れてしまいます。MinaさんのところのGT3 Touringもダブル・マスのはずですがこちらはクランクシャフトの強化にともなう振動対策みたいですね。
すでにイシさんも書かれているように718のクラッチは重くなかったです。スバルB4のMTからの乗り換えで軽いと感じたくらいです。
991.2はこれよりもさらに軽いのですが,少なくとも私のものは操作性は抜群です。つながりもスムーズなのにきちんとパワーは伝わる感じです。
先日,ポルシェセンター福岡に行ったら981のケイマンGT4がショールーム内に置いてあり,運転席に座ってみましたが,クラッチはがっしりでしたね。となりに718ケイマンGT4もあったのですが,これはどなたかの納車前の車らしく触るわけにはいきませんでした。私の予想ではエンジンが新開発なのでクラッチも981よりも軽く操作性を高める方向ではないかと思うのですが。
話は変わりますが,911のGTモデルのPDKは両パドルを引くことでクラッチが切れるそうですね。MTでできることはPDKでもできるようにする,というコンセプトなのでしょうね。
PorscheDreamerさん
いつも有難うございます!
MTって奥が深いのですね…!
AT車に乗っているときは、クルマがどのような構造になっていて、どのようにして力が伝わって動くかなど、
考えたことも無かったですが、MT車を運転するようになると、そういったことにも興味が湧いてきました。
ますますクルマは奥深いなぁと思う日々です。
GTモデル系のPDKはかなり優秀だと聞きました。
サーキットを走って早いタイムを出すとなると、絶対PDKのほうがいいのだろうなぁと思いつつも、
シフトレバーとクラッチを操作をして自分で操る感覚を覚えてしまうと、やはりMT車からは離れられないなぁと思ってしまいます^^;
ウチの一番古いヤツは30年以上経ってます。
993よりまだクラッチが重く、パワステも無く、シフトも
重い、三重重です。
1から2、2から3速はダブルクラッチというほぼ絶滅した
手法を用いてシフトチェンジしないとスムーズに変速でき
ません。
渋滞するような所には近寄りませんが、運悪く渋滞に嵌ま
ると足が攣ります(^。^;)
ウーパーさん
すごいですね…そうか、パワステも無いのですね…両手が忙しい(笑)
そう考えると、現代のポルシェのMTは本当に運転しやすく、エンストしにくくなっているのだろうなぁと思います。
そして確かに渋滞に巻き込まれたら本当に大変ですね…
高速道路とかだと本当に大変そうです^^;
私事ですが…ずっとノーマルで乗ってた愛車のクラッチ交換の際 フライホイールを軽量の物に交換し、クラッチが重くなりました。それまで全く気にならなかったステアリングが軽くなり、クラッチとの重さとの差に違和感を感じました。
昨年 レンタカーでBRZのマニュアル車を借りて感じたのは、ステアリングの重さとクラッチの軽さの違和感でした。
現在 愛車のステアリングを小径の物に換え、クラッチの重さとステアリングの重さのバランスが合い 運転がますます楽しくなり満足しています。
運転の楽しさは バランスの上に成り立っているんだな と感じるこの頃です。
ちなみに私の愛車とBRZは、同じ水平対抗4気筒で ほぼ同じパワーですが、クラッチの重さにはノーマルでも大きな差があります。
近年 同じパワーを伝達するのでも クラッチを軽くする技術が進んだのかもしれませんね。
ドイツ車を運転して思うのは どんなクラスでもステアリングが国産と比べて重い という事です。
残念ながら 私はポルシェを運転した事が無いので、全くわからないのですが、ステアリングとクラッチの重さのバランスは 歴代のポルシェでは どうなのでしょう?
BL5乗りさん
そうなのですね!
ステアリングとクラッチの重さのバランス、夫に聞いてみたところ、
「特に意識したこと無いからわからへんなぁ…まぁ、ポルシェは国産車に比べるとステアリングはどれも重めやけどなぁ」ということでした、すみません>< 私もGT3(991後期)にたまに乗りますが、歴代ポルシェに比べるとクラッチは軽めですが、ステアリングは普通のクルマよりは重めで、 でも特に違和感を感じたことは無いかなぁと思いました。