ウィンタータイヤを購入。スタッドレスタイヤとの違いやTPMSの話など。
公開日:2021.01.28
ウィンタータイヤとスタッドレスタイヤは全く別のもの
先日、カイエンのタイヤをウィンタータイヤに履き替えた。私は、このときまで、「ウィンタータイヤとスタッドレスタイヤは同じもので、人によって呼び方が違うだけ」だと思っていたのだが、全く異なるタイヤだということを初めて知った。
スタッドレスタイヤは、「昼間に気温があがって降った雪が溶けて、夜になるとまた気温が下がり溶けた雪が凍って路面がつるつるになる」という、日本の冬の路面状況に適したタイヤだ。
アイスバーンでも、問題なく走ったり止まったり曲がったりできるように、氷上での制御性能がとても高い。ただ雪や氷には強いが、通常路面のドライやウェットには弱い。
一方のウィンタータイヤは、主にヨーロッパのような、アイスバーンになることがあまりない地域で履かれている冬のタイヤだ。氷には強くないが、雪ではスタッドレスに近い性能、ドライ、ウェットではサマータイヤに近い性能を発揮する。(ミシュランのサイトに記載があった)
ドイツでは、気温が7度を下回ると、ウィンタータイヤに履き替えることが義務付けられているそうだ。サマータイヤは高温時の剛性や弾力性を備えているため、冬の低温時に走るとゴムが硬くなり、グリップが効かなくなるので危険という理由からだ。
確かに、冬の寒い日にアウトバーンを200km/hで走ったりするドイツだと、ウィンタータイヤを履いていないと危険だろうなぁ。
実際に大手タイヤメーカーのコンチネンタルのテストによると、摂氏7℃以下では60km/hからのブレーキングで、サマータイヤの方が3mも制動距離が長くなるというデータもある。またポルシェの公式サイトによると、80Km/hからのブレーキングで摂氏3℃のウェット路面ではウインタータイヤの方が12%も短く止まるらしい。
日本では気温によってタイヤを変えるというルールは無く、一般的にはほとんど知られていないことだが、ポルシェのような高性能車のオーナーの皆さんには、ぜひ知っておいてもらいたいと思った。
ウィンタータイヤ購入のわけ
今回夫は、スタッドレスではなくウィンタータイヤを購入したわけだが、その理由について聞いてみたところ、
せっかくのカイエンやから雪道を走ってスキーに行ってみたいからなぁ。そろそろ娘たちにもスキーを教えたいし。
そう思ってタイヤを検討してたんやけど、そもそも個人的には国産のスタッドレスタイヤにはとても不満があるんや。
北海道や東北などのアイスバーンやミラーバーンが日常的にあるような地域ならいざ知らず、わが家の周辺は冬でもそんなに凍ったりしない。せいぜい年に数回行くかどうかの近場のスキー場くらいだ。しかも、そんなにハードなアイスバーンなど滅多に無い。
なのに、国産のスピードレンジQ規格のスタッドレスタイヤのあのグニャグニャのタイヤのフィーリングと、ロードノイズ、直進安定性の悪さ、貧弱なウエットグリップを冬の間、履き続けるのはどうも我慢できない。せっかくのクルマの性能を台無しにしてしまうように思うんや。(ミシュランのX-ICEは弟が愛車に付けてるが、これはかなり良いようだが)
だから、スタッドレスタイヤではなく、ウインタータイヤをあえて選んだ。アイスバーン性能がスタッドレスより落ちることは百も承知の上でや。
これなら雪よりも雨やミゾレの方が圧倒的に多い関西の環境によく合うし、低温でのドライグリップ性能、そして何よりも高速安定性が素晴らしく、ポルシェの性能を全くスポイルしないからや。
ちなみに、僕らの新婚旅行でドイツ行った時に借りた991.1のカレラ4Sはウインタータイヤを履いてたんやで。
アウトバーンを200km/h以上で走っても、全然、大丈夫やったし、雪がチラホラあるノイシュバンシュタイン城の周辺も大丈夫やったやろ?
と話していた。
確かに、10月に新婚旅行で行ったドイツはかなり寒く、私の雨女っぷりが遺憾なく発揮され、ノイシュヴァンシュタイン城は濃霧で一切見れず、
雪がちらつき、ミュンヘンもどんより曇って雨がふるといった天候だったが、助手席に乗っていて恐いとは思わなかったなぁ。
というか、当時はクルマに興味がなかったからほとんど爆睡してたか…(なんともったいない)
ちなみに、わが家のカイエンは20インチ Cayenneデザインホイールだが、今回、ウインタータイヤ用にヤフオクで売っていたほぼ新品の19インチ Cayenneホイールを購入したようだ。そしてタイヤは、ポルシェ承認の「ミシュラン パイロット アルペン5 SUV N0」だ。
夫によると、このポルシェ承認のウィンタータイヤを探すのがかなり大変だったらしく、どこに問い合わせても在庫切れで、探しに探してようやく「1セットならある」というお店を見つけ、手に入れたとのこと。
値段は中古ホイールが約15万円、タイヤも約15万円程で、あわせると約30万円くらいだそうだ。そして、いつもの西宮ベースさん(作業が丁寧。ホイールバランスへのコダワリが神)にタイヤとホイールを直送して取り付けしてもらったようだ。
次のページ→今回のタイヤの空気圧センサーは社外品、性能はいかに? |
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コメント ( 8 )
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いつも楽しく拝見しています.
今年は数年ぶりの寒波で,ウインタースポーツを楽しむ者にとっては最高の冬ですね(今のご時世大っぴらには喜べませんが…)
昨年4月に神戸から広島に引っ越してきて,スキー場に片道1時間ちょっとで行けるようになりました.神戸の時はハチ高原まで3時間くらいかけて行っていたので,だいぶ気軽に行けるようになりました.
981ケイマンGT4ではさすがに無理なので,ファミリーカーで行くわけですが,昨年末にアテンザワゴンからメルセデスE220オールテレインに乗り換えました.その際にウインタータイヤとスタッドレスのどちらを選ぶか迷いました(近年は暖冬続きで,神戸ではほとんど雪道を走れなかったので…)が,アイスバーンでの性能を重視してスタッドレス(ミシュランX ice snow 19インチ)を選択しました.結果的に大寒波が年末にきて,今シーズンは既に5回も雪山に出かけました(笑)オールテレインは私にとって初めての四駆ですが,雪道の安心感は二駆とは桁違いでした.特に雪道の坂道発進で威力を発揮してくれました.二人娘(9歳,5歳)は後部座席でYoutubeやらニンテンドウスイッチとかしているので,やっぱり安心しているのだと思います.
カイエンはもっとすごいんだろうなぁ~,雪道とカイエンは良い絵になるんだろうなぁ~と想像します.ウインタータイヤでの雪道走行レポートを楽しみにしています.
ゆきすけさん
いつも有難うございます!
>昨年末にアテンザワゴンからメルセデスE220オールテレインに乗り換えました.
おぉーそうなんですね!!
そして大寒波がやってきましたもんね…雪山に愛車でいけるなんて、とてもうらやましいです…!
雪道の坂道発進、以前アウディA3で雪の坂道を走り滑ってのぼれずに後ろから押してもらった経験があります^^;
そんなこともなく、しっかりのぼっていけるなんて心強いですね。
>雪道とカイエンは良い絵になるんだろうなぁ~と想像します.
確かに、これこそ、カイエンの正しい使い方みたいな印象があります(笑)
夫が2月にスキーに行くので、そのときに写真もたくさん撮ってきてもらって、タイヤの性能も存分に感じて来てほしいと思っております^^
いつも楽しいブログありがとうございます。
一点私の車の先生は昔タイヤのテストドライバーだったのですが、ウインタータイヤの場合は、オートソックで良いので、雪山に行く場合は常備してくださいって言ってました。
私も経験上で言えば、雪山を降りる時に夕方気温が落ちて路面凍結で止まらなくて突っ込むことが多いように思います。
で意外に、4駆の車でそれが多い気がします。車重と過信でしょうね。
ヒルディッセント機能をうまく使えば良いかもしれませんが、気をつけてください。
バイオさん
いつも有難うございます!
そうなんですね!
確かに、四駆だったら多少の雪や氷でも安心…という謎のイメージを持ってしまっています…
しっかりクルマや路面やタイヤの性能、状況を理解して走らないと、特に冬場は危ないですもんね…
教えてくださり有難うございます!
引き続きよろしくお願いいたします。
北海道で重いSUVに乗っています。参考までに当地での冬タイヤの考え方(評価)についてお知らせします。
こちらでは、早いところでは10月下旬、遅くても11月下旬から、4月上旬からゴールデンウィークまでにかけての間、冬タイヤ装着となります。
※北海道は広いので雪が降りだす時期が南側と北側で大きく変わります(ただし、最終的な装着率は100%と言っていいかと思います)
一日中氷点下の真冬日となることが多く、圧雪路はもちろん凍結路に対応できるタイヤが必要となり、柔らかいゴムを使っているスタッドレスが必要となります。ですので、夏タイヤから履き替えるとグニャグニャ感、カーブでは腰砕け、でも柔らかいので意外とスポーツタイヤと比べると乗り心地(&音)が快適じゃん、といったところで、北海道民は「季節の風物詩感」として受容できるような体質になってしまっています。
このような環境下ですが、輸入車ディーラーに行くと、ウィンタータイヤの宣伝があったりします。「新しいジャンルか?」と思って見ると、「このタイヤはスタッドレスタイヤではありません」「冬タイヤ装着指示がある場合には適用外です」との表示があり、「北海道では使えないや」との結論に至っています(なら宣伝するなよ、というのもありますが)。
当地でのスタッドレスタイヤですが、これまで、「ゴムをできるだけ柔らかく、経年劣化しても柔らかい状態を長続きさせる、それでいて吸水性能も高くする」ことを各メーカーとも追及してきています。ですので、運動性能面ではネガな部分はかなりあるのですが、一方で、最近は「腰砕け感を改善した」という宣伝文句も目にするようになりました。やはり、そこが気になる方も多い、ということかと思います。
その点では、ミシュランはゴムは他メーカーと比較して柔らかくなく(ブロックもそれほど立っていない)、運動性能面では改善されているようです。その分、凍結路では効かないイメージがあり(特にカーブが怖い)、道内ではカー用品ショップに行っても他メーカーと比べて売り場の露出が小さいです。
ただ、ミシュランは、その昔(30年以上前)は「マキシグラス」という今とは違って柔らかくそれでいて鬼グリップのタイヤを売っていて(寿命は短かった)、他メーカーもそれに追随したという歴史があるのですが。
自分としては、圧雪orシャーベットレベルが中心で、凍結路の利用があまりないのなら、ミシュラン(X-ICE)がいいのではないかと思います。
(本当かどうかわかりませんが)「ウィンタータイヤは冬タイヤではない」ということですと(日本語がおかしいですが)、本州でよく出る「冬タイヤ装着指示」や「滑り止め装着指示」があった場合(北海道では全員が装着している前提なので季節の変わり目以外は出ません)、「ダメ」とならないか心配ではあります。
ちなみに自分はブリヂストンのDM-V3で、やっぱりグニャグニャです。笑
RRSさん
色々と教えてくださり有難うございます!
北海道のタイヤ事情、全く知る機会がないので、リアルな情報はとてもおもしろいなぁと思いました。
雪国ならではで、お店に売っているタイヤの種類や露出なども、全然違うのですね!
でもあんな豪雪、シャーベット上の中、ニュースを見ると、
地元の人たちは普通に怖がる様子なくクルマで走っているので、
やっぱり関西の人間からすると、すごいなぁ…!さすがだなぁ…!と思ってしまいます。
いつか、北海道の雪の中での走りも体験してみたいです…!
いつも楽しみに読ませていただいております。スキーと車の話題だったのでつい、コメントさせていただきます。
Forester6MTに初めてスタッドレス ヨコハマice GUARD SUVを履かせて年末年始に志賀高原、年始明けにハチに行ってきました。
スキーだけでなく道中の運転も非日常で楽しかったです。スタッドレスの為、道中(ほぼ高速)は速度抑えめ、カーブは減速して(タイヤのサイドをなるべく削らぬよう)走行するので馬力の低いSUVでもややストレスを感じます。私は雪道初心者なので安心をとりましたが、どちらをとるかですね、、、
寒波の中でしたが、少し危険を感じるのは志賀高原上林からの山道、ハチも麓からのみでした。下りのプラドが側溝に落ちてホイールごと外れていたり、一本道の抜け道が大渋滞してバックで下り坂降ろうとする4WDミニバン・抜け道の抜け道(全く除雪されていない細い農道)をノーマルタイヤで突破するランクルなど真似はできませんが果敢な方たちもいました。
また雪道インプレッション(できればスキー場インプレッションも)楽しみにしております。
また融雪剤対策にアンダーコートなどはされますか?
MTマニアさん
いつもブログをご覧いただき有難うございます!
おぉー志賀高原にハチ北!
私も昔、若かりし頃はよく行きました、久しぶりに行きたいです…
スタッドレスといったタイヤを履いていること以上に、
やっぱり安全運転の意識が一番大事なんだなと改めて思いました。
果敢に挑んでいる人たちも、
いつかは事故をおこすかもしれないですし、
無理するのは恐いですもんね>< この前、雪道を少し走りましたが、あまり雪がなかったので、 またドカ雪のときに走る経験ができればと思っています!^^ アンダーコートなどは特にしていないです。 これからもよろしくお願いいたします!