ポルシェ カレラGTオーナーに朗報 – リコールによる1年以上の走行自粛から解放へ

porsche carrera GT
ポルシェニュース

カレラGTオーナーの長い待機期間

高級スポーツカーを所有しているにもかかわらず、それを運転できないというのは、オーナーにとって非常に残念な状況だろう。ポルシェ カレラGTのオーナーたちは、まさにそのような状況に置かれていたようだ。しかし、ようやくその状況に終止符が打たれることになったそうだ。

2023年4月、ポルシェは米国で販売されたすべてのカレラGTをリコールし、その後、日本でもリコールを発表していた。

その理由は、サスペンション部品に関する問題だったとのこと。具体的には、「使用されている材料(X46Cr13)が、塩分や長期使用による機械的ストレスにさらされた際に、粒界応力腐食に対して十分な耐性を提供しない」というものだった。つまり、塩分や摩耗によってサスペンションアームにひびが入る可能性があり、それが事故につながる恐れがあったのだ。

リコール対応の詳細

当時、ポルシェは交換部品を用意できていなかったため、次のような対応を取った。

1. まず対象となる部品の点検を行う
2. 点検の結果、異常が見られない場合は、制限なく車両の使用を継続できる
3. 交換部品が用意できた時点で、再度オーナーに通知する
4. 点検で異常が確認された場合は、改修が完了するまで車両の使用を控えるよう助言する

つまり、ポルシェが点検を行い、問題なしと判断したカレラGTは、交換部品が用意されるまでの間、引き続き走行が可能だったということだ。

待望の交換部品と追加サービス

そして約17ヶ月後、最近になってようやく新しいサスペンション部品が用意されたとのこと。
さらに、米国の匿名の情報提供者によると、カレラGTオーナーたちには新しいサスペンションアーム以外にも特典が用意されているそうだ。

長期間クルマを使用しないでいると、様々な問題が発生する可能性がある。オイルなどの液体の劣化や、ゴム部品の乾燥腐敗などだ。ポルシェはこれに対応するため、内部文書で次のように述べているという。「お客様には、長期間走行していなかったクルマを再び走行可能な状態にするため、最大3,240ドルの無料メンテナンスを受ける権利があります。」

さらに興味深いのは、走行を継続していたカレラGTオーナーにも特典が用意されているという点だ。同じ内部文書によると、すべてのカレラGTに新しいタイヤが提供されるとのこと。

「カレラGT用の新しいパイロットスポーツカップ2 N-specタイヤが用意されました。キャンペーン実施時に、各お客様に新しいタイヤセットを無料で提供いたします。」

265/35R19(フロント)と335/30R20(リア)のタイヤセットは決して安くない。数億円クラスのクルマのオーナーへの特典とはいえ、これは嬉しいに違いない。

カレラGTの魅力再び

今回の対応により、米国内の対象となるカレラGTは順次修理が行われ、今後数週間でさらに多くの車両がディーラーのサービスセンターに持ち込まれることになりそうだ。

porsche carrera GT engine

高級スーパーカーの修理が一般の人々の生活に直接的な影響を与えることはないかもしれない。しかし、素晴らしいV10エンジンのサウンドを野外で聴ける機会が増えるとすれば、それは喜ばしいニュースと言えるだろう。カレラGTは今でも多くの人々の憧れの的であり、プレミアムポルシェとしての地位を保ち続けている。これからも長く走り続けてほしいものだ。

また日本での対応の情報が入り次第、続報を書いてみようと思う。

Hiro

Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを好...

プロフィール

このブログが気に入ったらフォローしてね!

コメントを閉じる
  • コメント ( 2 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. 情報ありがとうございました。

    いつも楽しく拝見しております。
    情報ありがとうございました。
    まだディーラーからは何も連絡が有りませんでしたので、こちらから問い合わせをしました。
    昨年の8月末に車検の予定でしたが、リコールに寄り車検が受けられず、ちょうど1年が経過しました。
    パーツの入荷などまだ時間が掛かりそうですが、やっと車検が取れそうです。笑
    今から楽しみです。

    • HiroHiro

      情報ありがとうございました、さんこんにちは!

      まさかカレラGTオーナーさんまで、当ブログを読んで頂いていたとは。。。光栄です!
      海外では対応され始めているようなので、おそらく日本でも近々、対応は始まるのではないかと思います。
      車検を受けられたら、ぜひV10を奏でて楽しんでください!