ポルシェ ボクスターで行く2000km年末ツーリング【Day3】
公開日:2021.01.22
九州最恐の酷道
その後はR265で南下をし、椎葉村方面へ向かう。このR265、かみましき阿蘇観光サザンルートの一部でもあるらしいが、素晴らしい快走路だ。途中、狭路区間もわずかにあるが、ほとんど問題にならない。大部分は道幅の広い、舗装の綺麗な2車線快走路だ。やや速いペースでクルージングするには最適な道だ。
しかし、R265は突然牙をむく。椎葉村に到着し、鹿児島方面に抜けたかったので、何の下調べもせずにそのままR265を選んだのだ。それが大きな間違いだった。
だんだんと道幅は狭くなり、純正ナビはUターンして引き返せと執拗に指示を出す。そこでGoogle Mapに切り替えると、R265をそのまま行けと出るのだ。そこで止めておけばよかったのに、冒険心からついつい奥へ奥へと進んでいく。
気がつけば、狭路なんて生易しいレベルの道ではない。凄まじい酷道に迷い込んでしまっていた。一応、国道なので安心だと思いこんでいたのが間違いだった。クルマ一台がギリギリ通れる狭路に、いまにも崩れそうな路肩と未舗装区間。そして、全く逃げ道のないない一本道。引き返すに引き返せない。
だんだんと日は落ちて暗闇も迫る。
同じようなカーブが続き、もはやスーパーマリオの無限ループに陥ったかのような感覚だ。同じような景色、同じようなカーブが延々と続き、カーナビの地図を見ると、見たこともないほど細かなジグザグカーブがまだまだ続く。
「これ、進んでるのかな?」と本気で不安になる。
途中、工事や通行止めの標識があり、ドキッとするが、よく見ると小さく「解除」と書いてあるのでホッとして進み続ける。ここで通行止めとなったら、狭すぎてUターンもできない。
バックで超狭い狭路を戻るという神業をしないといけないのだ。そんなの無理だ。
もはやこれは精神修行である。路肩を踏み外さず、落石や木の枝を避け、パンクのリスクを考慮、かつボディへキズをつけないよう視界の悪い同じ景色の山道を延々と走るのだ。仏教の修行で、奥深い山中を身一つで駆け巡る回峰行という修験行があるが、もはやそれのクルマ版である。
高級なクルマや車幅のあるクルマであればあるほど、精神的負荷は大きく修行になる。(なるのか?)
どのくらい走り続けたのだろう。やっと地獄のR265が終わりを告げ、R388へと出る。一部、この道も狭路があるが、R265と比べるとまだ可愛いものだ。後で調べて分かったことだが、R265は九州で最恐クラスの酷道だそうだ。
マニア、もしくは修行の身の人以外は絶対にやめたほうがいいことを断言しておく。
やっと酷道から開放された喜びを噛み締めながら、さすがにここからは予定を変更して、一気に高速でホテルへ到着。
『ボクスター、お疲れ様。今日はよく頑張りました。』と声をかけ、この日はエンジンを切った。
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コメント ( 2 )
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私も椎葉村から南へ抜けたことが二度ほどありますが、いずれもR265は走っていません。
一度目は、土砂崩れ崩落のため通行止め。
二度目は、通行止めではないものの、荒れていて大変だから走らないほうがいい・・・と、椎葉村建設課のおねいさんに真顔で止められたのです。
そんな道をわざわざ好き好んで走るとは、やはり筋金入りの酷道マニアなんですね。
いやはや、感服致しました。
・・・と、ご主人にお伝えください(笑)。
wataさん
>いずれもR265は走っていません。
そうなんですね!!
wataさんはてっきり走っておられるのだと思っていました。
>椎葉村建設課のおねいさんに真顔で止められたのです。
真顔で…それはほんとにやばいやつですね…
無事に帰ってこれて何よりでした…
といいつつも、wataさんも機会があればぜひ走ってみられてください(笑)!