私は今までポルシェのことを何も知らなかった – ポルシェのドライビングスクールから学んだこと
公開日:2019.11.30
Jターン
先日、ポルシェトラックエクスペリエンス(PTE)にボクスターで参加した記事の前編(午前中のプログラム)を書いたが、今日は後編(午後のプログラムの一部)について書いてみたい。
午後一発目のトレーニングは、「Jターン」。Jターンなんて初めて聞いたのでイメージが沸かず、その場でネットで調べてみると「バック走行からの意図的な180度スピンターンを表す用語」だと書かれていた。
後にインストラクターから「アンダーステア/オーバーステア」を体感するとともに、マシンコントロールを学ぶという説明を受けた。ちなみに、トレーニングコースには、アンダーステアが出やすいように水が撒かれていて、大きな水たまりが出来た状態になっていた。
ただ今回も、話を聞いただけではあまりイメージが掴めず、まずはインストラクターによるデモを見せてもらうことに。
インストラクターの方が「アンダーステアが出ても、ハンドリング操作をせずクルマの挙動を立て直さないバージョン」と「アンダーステアが出たところで、ハンドリング操作をしクルマの向きを変えるバージョン」とを見せてくださったが、クルマの挙動云々よりも、想像以上に激しい水しぶきに驚いてしまった。
は、激しい…こんなんよーやらんわ…(゚д゚)
「とにかく、目印となるパイロンまでは、時速○○km/h程度目安で思い切って加速し、その後アクセルを抜き、ひと呼吸おいてから一気にハンドルを切ってください。加速しながらハンドルを切っても、普通に曲がってしまいアンダーステアは出ないので注意して。そして皆さん、絶対窓は閉めておいてください。えらいことになりますからw」
とインストラクターに言われ、各自のクルマに乗り込み、まずは一本目の走行開始。ただ、こわごわだったので、Jターンも何も、ただただ大きな水たまりを、パイロンに沿ってすーっと曲がって帰るだけになってしまった(爆)
なんのこっちゃ…(-_-)
もっと速度をあげてみましょう。あと、アクセルを抜いて、一呼吸おいてからハンドルを切るように。
というアドバイスを受け、次は思い切って速度をあげ、一呼吸おいてハンドルを切ったところ、最後の方にアンダーステアが出た。
『ガガガガガガッ…!』という大きなタイヤ音とともに、体感したこと無いほど凄まじい勢いでクルマが横滑りした。
怖い…(゚д゚)!!
そのままハンドルを切り続け、クルマの向きが変わり、ホッとして隊列に戻るところでインストラクターから、
今のは…アンダーステアは出ましたが、切り増していくうちに最後の方にアンダーステアが出ましたね。これは、Jターンのトレーニングで意図するアンダーステアとは違うので、最初に思いっきりハンドルを切り、切り始めからアンダーステアが出せるようにしてみましょう。
というアドバイスが。
確かに「恐る恐るハンドルを切ってしまったから、インストラクターのデモの挙動とは違ったなぁ」と思い、次の走行では最初から思いっきり切ってみたところ、「ガガガガガガッ…!」というタイヤ音と共に「アンダーステアが出て、車の向きがぐっと変わり、立て直す」という一連の操作ができた。
…やった!!
そうそう、今のです!その感覚を忘れずに、もう一回やってみましょう。今度は、アンダーが出て車両を立て直すところまで、よりスムーズにできるよう意識して。
言われたことを意識してやってみたが、車両を立て直すことに頭がいってしまい、ハンドルを思いっきりきれず、うまくアンダーステアが出せなかった。
いやはや…精度(Presicion)をあげるというのは、本当に難しい。Jターンのトレーニングも10回ほどチャレンジしたが、時間が許すならば、感覚をしっかり掴めるまで20回でも30回でもやりたいくらいだった。そして、トレーニングが終わり、インストラクターの総括を聞くためにクルマを降りてびっくり。
ボクスターがドロドロやー!!!
あんなにキレイだったボクスターが、一瞬で泥まみれになってしまった。「あそこに待機してる散水車に水をかけてもらって綺麗にしてもらえんだろうか…」なんて思ったが、それはどう考えても無理だw
(↑散水車。ずっと待機して、トレーニングの最中も水を補充してくださった)
インストラクターからは、こんなお話が。
「窓は必ず閉めて」と言った意味がわかってもらえたとかと(笑)多くの方が、味わったことのないクルマの挙動だったと思うが、実際の道で、あれほどのアンダーステアが出たら、間違いなく反対車線のクルマやガードレールにぶつかる大事故になっている。雨の日に、あれだけのスピードでカーブを曲がると、このような結果になることが分かってもらえたかと思う。
ドライビングテクニックを上げるというのは、速く運転できるようになることもそうだけれども、「クルマが、どのような場面で、どのような動きをするかをしっかり理解し、いついかなる時も安全運転できるようになること」でもあるのだということも分かった。
Jターンの後は、ポルシェの新型モデル試乗の時間があり、新型911(992)、カイエン、パナメーラGTSを運転させてもらったり、フルスロットルチャレンジをしたが、これについては、また別記事で触れさせていただこうと思う。
次のページ→ポルシェのドライビングスクールの総括… |
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コメント ( 6 )
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PTEでまた一歩ドライビングにはまられたようですね(笑
私はPTE以外のスクールにも出没します。それはスキルの引き出しを増やして万が一の時に家族とクルマを守るというのもありますが、やはり運転が上手くなりたいというのが一番です。
速さにもつながるスムースな運転、ブレーキの無駄踏みをしない、スリップアングルを考えながらハンドルをゆっくり切りたす、操作を重ねない、道の先読みをして操作量を最低限にすることを意識できれば、3次元的な揺れを少なくして同乗者に不安を覚えさせない優しい運転になります。(もっともどんなに丁寧に運転してもカクカクするクルマも多く、ドライバーの操作に余計な足し引きをしないいイイ車であることも重要ですが)
スクールに通いだしてから助手席の家内の爆睡率が上がっていますが、ショーファーとしてより優しい運転を意識するいい修行になっています(笑
Tapさん
ちょっとはまってしまいました(笑)
>スクールに通いだしてから助手席の家内の爆睡率が上がっていますが、ショーファーとしてより優しい運転を意識するいい修行になっています(笑
おぉーそうなんですね(笑)
それはよほど気持ちの良い運転をされているということだなぁと思います。
適度なゆれ、なめらかさ、もう本当に子守唄のように心地よいのだろうなぁと想像しております(笑)
運転って奥が深いですね。
これからも精進していこうと思います!
また色々と教えて頂けたら嬉しいです。
引き続きよろしくお願いいたします。
Mina様
お疲れ様です。
白浜のPTEとても勉強になりましたね。
私は前日のウォームアップでの参加でしたので、午後から雨だったのですが、
雨の中のスラロームやフルブレーキングからの危険回避など。とても勉強になりました。
今回、定常円旋回から、Jターンに変更されたのはとても良かったと個人的には思っております。
レッスン中、インストラクターの選手の方から『プロドライバーはグリップを拾う』という言葉をよく使うと仰られていたのですが、荷重を意識し、タイヤがグリップしているのをしっかり感じながらじんわりステアを切って行く大切さをJターンレッスンで教えて頂けただけでも価値あるものでした。芦有や、三田ニュルなどの高低差のある道の走り方やそこでの練習の仕方などの質問にも答えていただけました。こんな機会はなかなかないですよね(^_^)参加して良かったです。ニューモデルの試乗体験はいかがでしたか?インストラクターの方は選ぶなら992S推しだとおっしゃってました。私もカレラSがすごく衝撃的な印象でした。また来年も参加したいと思います。
タクロウさま
ブログをご覧いただき有難うございます!
ウォームアップに参加されたのですね!
雨の中のスラローム、緊急回避…すごい、それこそ本当に勉強になりそうですよね。
>芦有や、三田ニュルなどの高低差のある道の走り方やそこでの練習の仕方などの質問にも答えていただけました。
そうなんですね!なるほどー私もそういう質問をすれば良かったなぁ…
インストラクターの方も、どんな質問にも丁寧に答えてくださるから、そのあたりのやり取りも勉強になりましたよね。
ニューモデルの試乗についても、面白かったです!
個人的には、パナメーラGTSとパナメーラターボがこんなに違うのかーというのも面白かったですし、
992もすごいクルマでしたね!
私もぜひ来年も参加してみたいなぁと思いました^^
南紀白浜PTEでは同組でお世話になりました。
色んな要素を体験出来、参加者で分かち合えて、楽しかったですね!
そしてプロのドライバーは、凄かった!
まさにポルシェを乗りこなしていました。
同じ体験をさせて頂いて、今回のブログを拝見して、
こうやって素敵な感性と向上心、感謝で綴られていくのが
このブログの読後感の良さと、また次の記事も読んでみたいと思わせる力なのだと
実感しました。ご本人の人柄の良さと好奇心がにじみ出ているのですね。
ご夫婦にお会いして、このブログがより好きになりました。
これからも楽しみにしています。
981ケイマン乗りさん
先日は有難うございました!
そして、素敵なたくさんお写真を撮ってくださり、本当に有難うございます!
ブログにも使わせて頂くことができ、とても助かりました…!
あそこで体感したことを、なかなか文字だけで伝えるのが難しいなぁーと思いつつ、
そんな風におっしゃって頂き有難うございます。
ポルシェオーナーの方は、本当に良い方々ばかりで、
こうした出逢いに感謝だなぁーと、またきっとどこかでお会いできるような気もしますし、
成長されたお子さんとも是非お会いしたいですし、
引き続きよろしくお願いいたします^^!