カーディーラーの営業マンに感じた違和感の正体。
公開日:2021.05.03
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ディーラー営業マンに感じた違和感の理由
先日「ディーラーの営業マンは、売る気があるのか無いのか分からないと感じることが多い」という内容の記事を書いたところ、「同じような経験をしたことがある」「ディーラーの体制的にも仕方がないかもしれない」など、思っていた以上の反響をいただいた。
また、SNSでは「ディーラーに足を運んだにも関わらず、全く相手にされなかった」という書き込みがあったりして、多かれ少なかれ、皆さん色々な経験をされているのだなぁと思った。
そして夫婦でこの件について話す中で、夫がこんな風に言った。
そもそも、メーカー側とディーラー側にギャップがあるのかもしれんよなぁ。メーカーは、もっと気軽にディーラーに足を運んで欲しいと思っているやろうから、CMや広告でそうやって打ち出すけど、ディーラーとしては、忙しいのに冷やかしで来られるのは困るし、本当に買う意思のあるお客にのみ来てほしいやろうから、そういう部分が接客にも影響してるのかもしれん。
全てのディーラーがそうではないと思うけど、数年前と比べると、ディーラーの営業の人たちに余裕が無くなったように感じることがある。ディーラーの人もたくさんクルマを売らないかんから大変なんやろな。
と。
なるほどなぁ…。
どの会社でも、売る最前線に立つ部署とサービスを開発する部署との間には摩擦があったりするし、メーカーやディーラー間でもお客に見えていないことが色々あるのだろうなぁと思う。
ただ夫と話している中で、「先日の記事ではディーラー営業マンの営業力という視点で書いたけれど、これは営業力云々よりも『仕事観』の違いによるものなのかもしれないなぁ…」と思った。
どちらが正しいとか、良い悪いの話ではなく、どんなことを大事にして仕事に向かっているかは、人によって違う。
例えば私の場合は、かなり負けず嫌いな性格なので、
「やるからには1番になりたい」「自分が納得するやり方でやりたい」「自分がやっている仕事に価値を感じたい」
といった気持ちが強い。そのくせ飲み込みが遅く不器用なので、毎回結構苦労するが…(笑)
そんな私なので、ここ最近ディーラーに足を運んで営業の方と接する中で、なんともいえない違和感を感じたのは、「クルマ好きかどうか」ということ以上に、「私が思う仕事に対する向き合い方と、その営業マンの仕事ぶりに乖離があった」ということだったんだろうなぁ。
ただ、お店の体制・仕組み・お客の要望の変化・客層などあらゆる要因によって「情熱を持って売りたくても、ノルマや時間に追われてそうも言っていられない」という現場の状況も影響していると思うので、なかなか根深いことなのだろうなぁとも思う。
新人営業時代に教わったこと
新卒で入社して営業に出だした頃、私はお客さんの数も少なく、先輩のような成果が全く出せず、常にもんもんとしていた。ただ成果が作れないので営業会議の度に上司に詰められ、会議中に思わずこんな言い訳をしてしまったことがある。
先輩は、都市部を担当していて企業規模も大きい良いお客が多いから成果が出せるけど、私は田舎の地域担当で家族経営の企業しかいないから成果が作れない。
と。
今思えば、「会議で全員の前でなんてことを言ってるんだ…」という感じなのだが、言い訳だらけの私に対して、当時の上司はこんなことを言った。
そんな言い訳するやつに、都市部を担当させるわけがないやろ。成果を作るやつは、どんな状況でもやる。逆に成果を作らへんやつは、どんな状況でも言い訳してやらへん。
今のおまえが都市部担当になったところで「ライバルが多くて無理だった」「決定権者に会えなかった」とかなんとか言って、絶対成果を作れないと思う。
まずは言い訳せずに、今ある環境で全力でやってみろ。
と。
そう上司に言われて図星過ぎて言い返せず、みんなの前ということもあり恥ずかしくて悔しくて情けなくて涙が出そうになったが、その時に
「環境のせいにしてもきりがない。できない理由ではなく、できる方法を考えよう。今自分ができることに全力で取り組んでみよう」
という風に意識が変わり、少しずつ成果が作れるようになっていった気がする。
100%環境が揃うことなんて絶対にない。市場、組織の体制、お客の状況、自分のスキル…様々な面で「あぁ、もっとこうだったらなぁ」と思うことはたくさんあるけれど、たらればを言ったところで何も状況は変わらない。
だったら、自分が変わるしか無いし、そのほうが得たい成果に早くたどり着くことができる。そんなことを、新入社員の時に仕事を通して教わり、この考え方が、今の自分の土台にもなっている。
周囲のポルシェオーナーの共通点は?
ここでふと、私の周りにおられるポルシェオーナー方々のことを思ってみたのだが、お話していると「環境がどう、周りがどう」ということより、「自分はこうしたい」「今度こうしようと思っているので、そのためにはこうしていく」という自分主体の話が多いなぁと感じる。
だから、話していて楽しくて勉強になるし、こういう考え方だからどのような状況であっても稼げる人になれるんだろうなぁと思う。
夫もよく、
仕事でもプライベートでも「本当はこうしたいけどできない」っていうのは、そもそも、本気でそうしたいと思ってへんのやと思う。熱量が足りないんやと思うわ。ほんまにそうしたかったら、周りがどうだろうが、何を言われようが、絶対成し遂げるために行動するもんなぁ。
と言っているが、そういう話を聞く度に、私も「自分主体で生きる」ことを心がけたいと思わされる。
と言いながらも、私はすぐ周りに影響されたり、流されたりしてしまうしなぁ…(笑)また、ディーラー営業マンのことを偉そうに言ってしまっているが、「言うがやすし行うは難し」で、自分だってその立場になればうまくできなくなるものだと思う。
だからこそ、今回の経験からもしっかり学んで、自分を振り返って襟を正して、周りの人たちからたくさん教わりながら、コツコツ頑張っていこう!(真面目かっ…w)
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コメント ( 6 )
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Mina様
いつも楽しく見てます。
私も昔は周りの環境のせいだと思い、色々な事に関してそのように考えてきましたが、辛いことを乗り越えポルシェを買えるようになり、様々な人と関わるうちに能動的に考えるようになり、沢山の物事に関して、”楽しむ”から”愉しむ”に変わっていきました。ふとブログを読んでいて私も思い出したのでコメントさせていただきました。
Kobaさん
いつもブログをご覧いただき有難うございます!
私も昔は、周りの環境や友人をみては、いろんなことを思っていて、
その時は真剣に悩んだりしていましたが、今振り返ってみると「子どもだったなぁ」と思うことがあります^^;
私も能動的に生きて、これからも豊かな人生にしていけたらいいなと思います。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします!
いつも楽しく読ませていただいています。「更新されてるかな?」とチェックするのが、毎朝のルーティンになってます・・・プレッシャーかけてすいません。
さて、「先輩は都市部で・・・私は田舎で・・・」というのは、若い頃にはよくありがちですね。私もそうでしたし、私の今の部下もそう思っているような感じがします。当時の上司の方は上手くおっしゃいましたねぇ。マネジメントの参考にさえていただきます。
今の車を買うときに、多くのディーラーに行きましたが、輸入車ディーラーのセールスから「是非、○○に乗って欲しい!」と言われることが多かったです。まずは車の良さを教えてくれました。お金の話は最後で、ライバル車との比較は一切なし。買う方も比較ではなく主体的に選べますから、それも輸入車の魅力の一つのように感じます。
最近お世話になっているポルシェディーラーはさらに上ですね。いつ買うかわからない私に対して、お店の皆さんが「〇〇さま、いらっしゃいませ!」と言ってくれますから。one of themではなく、一人一人に合わせた営業の表れかな、と思います。それだけに、私の言ったことはよく覚えています。いつも恐縮して帰るんですが、担当からは、「いえいえ、みなさん1〜2年は考えて購入されますから大丈夫ですよ。もう半年ほどおつきあいさせていただいていますから、今年くらいでしょうかねぇ。そういえば、セカンドカーの車検、今年でしたね。是非!」
和気藹々と言われると、ついつい買おうかな?と思っちゃいます。
hiro3008さん
いつもブログをチェックしていただき有難うございます^^
ルーティンになってくださっているなんて、とても嬉しいです!
輸入車ディーラーのセールスの方、素敵です!
ライバル車との比較の前に、その車の良さを話してもらえるのって自信が無いとできないと思いますし、
素敵だなぁと思って読んでいました。
また、ポルシェディーラーの方もすごいですね!!!
対応されるお客さんも多い中で、自分のことを覚えてもらえていたり、
またそんな風に言われると、「絶対ここでポルシェ買いたい!」と思ってしまいます^^!
私も、そういう心のある仕事ができる人になれるようになりたいと改めて思いました。
有難うございます!
MINA様
ディーラーで営業マンをしております。
基本的に今のディーラーは、お客様に来場を誘致する営業活動がメインで、日中でもディーラーには、恐らく営業マンが複数いますので冷やかしのお客様が来場されても対応は、可能な筈です。ノルマには、追われますが今の営業マンは、そこまで多忙じゃないですよ。冷やかしのお客様が前向きに検討される事もままありますし、以前に比べればディーラーに足を運んで頂けるお客様も減っていますので営業マンとしては、歓迎すべきお客様だと思います。私は、冷やかしのお客様か本当に購入意欲の高いお客様かを見分ける事が経験上、難しい様に感じていますので、どのお客様も購入する可能性があると思って接客しています。往々にして冷やかしのお客様は、非常に買い気がある様に見え、購入意欲の高いお客様は、買い気を隠される方が多いように感じます。
良くも悪くも、SNSでの情報発信が当たり前の世の中ですのでお客様に対して必要以上に慎重な接客に終始して、消極的な(売る気が無い様な)接客に感じられるのかも知れません。お客様にその様に感じさせない接客をする事が営業の腕の見せ所ですし、その様な接客も可能だと思いますが・・。特に若手の営業マンは、積極的な接客をしてお客様に嫌われる事を極端に怖がる傾向が多い様に感じますので一押しして欲しいお客様からすると物足りなく、売る気が無いと感じられる感じられる事もあるかと思います。
良い口コミは、広がりにくいですが悪い口コミは、あっという間に広がりますのでお客様に「売る気が無い」、「相手にされなかった」と感じられる時点で営業活動としては、失敗ですね。
たか坊さん
コメントをいただき有難うございます!
現在のディーラーの状況について、教えていただき有難うございます。
改めて、営業という仕事は奥が深く難しいなぁと思いました。
どのお客さんにも当てはまるようなことはないですし、
お客さんは本音を最初から言わないことも多いですよね。
また成約率100%なんてことは絶対になく、営業としてある程度結果を出すには、
そもそも接客する母数を増やさなければならないですし…
営業は数字で評価される上に、SNSで色々言われることも最近は多く、
営業の方も大変だと思いますが、
一方ですごくやりがいのある仕事だと思うので、
ディーラーの営業の皆さんも頑張ってもらえるといいなぁと、書いてくださった文章を読んで改めて思いました。
引き続きよろしくお願いいたします。