911乗りのバイブル「ポルシェ911ストーリー」の著者、ポール・フレールについて調べてみた
公開日:2018.11.12
Porsche 911 Story
先日自宅に「ポルシェ911ストーリー」という、とても重たい本が届いた。
著者は「ポール・フレール」という外国の方だ。
誰だろう、このおじいちゃん(*_*)
と思い調べてみたところ…
フランス生まれのベルギー人ドライバー。1952年から1956年にかけてF1で活躍したドライバーで、引退後は自動車ジャーナリストになった。雑誌『カーグラフィック』の初代編集長の小林彰太郎氏とは1960年代以来親交が深く、雑誌や番組にも度々登場した。911ファンの間ではとても有名な方。2008年に91歳で亡くなったが、90歳でニュルブルクリンクを自走するなど、クルマへの情熱を最後まで持ち続けた。
とのこと。「なんかすごい人なんだなぁ」と思いつつ、その日帰宅した夫に「この人有名なん?」と聞いたところ、
有名もなにも、世界一のポルシェ乗りであり、ジャーナリストであり、とにかく凄い人や。で、この「ポルシェ911ストーリー」は、911乗りのバイブルとも言われてる。そういや、ポール・フレールが書いた本はわが家にあと2冊あるで。
と、出してきてくれた。
ポルシェボクスターストーリーに、新ハイスピード・ドライビングに、今回のポルシェ911ストーリー。このポルシェ911ストーリーは、ポール・フレール氏が911について書き綴った最終版の本だが、残念ながらこれは既に廃版となっているため、かなりのプレミアがついているそうだ。
CGとポール・フレール
「ポール・フレール氏はカーグラフィックとも縁が深い」ということでWEBCGの記事を調べてみたところ、ポール・フレール氏が亡くなった後、彼を偲ぶ記事が掲載されていた。
この記事を執筆した”大矢アキオさん”という方が、初めてポール・フレール氏と出逢ったのは2002年。場所は、当時パリで開催されていたコンクール・デレガンス「ルイ・ヴィトン・クラシック(LVC)」の会場だったそうだ。
審査員だったフレール氏と大矢さんは、ランチの席で偶然隣り合ったのだが、そんな大物のフレール氏に話しかけるのは失礼だと思い、大矢さんは反対側に座っていたジャーナリストと話し込んでいたそう。その後メイン料理が終わり運ばれてきたデザート皿を見て、大矢さんはびっくり。
なんと、デザート皿にフレール氏の名刺が添えられていたのだ…!
大矢さんが夢中で隣の人と話し込んでいた時、フレール氏がそっと名刺を置いてくれていたようで、大矢さんが驚いてフレール氏の方をみると、氏はいたずらっぽく笑っていたと。
大物だからとふんぞり返るのではなく、愛嬌があり、温かく、親しみやすく、素敵な方だったようだ。その後書かれていたエピソードも素晴らしく、
翌年のLVCでも、フレール氏は審査員として来ていた。今度はボクに合わせて、流ちょうなイタリア語で話してくれた。(中略)氏からすれば、ボクなどは若者である。にもかかわらず機転を利かせて話を合わせるとは。
前年もそうだったが、フレール氏は既に杖をついていた。(中略)それでも氏は、毎年ジュネーブショーのプレスデイに欠かさず姿を現していた。そして挨拶がてら声をかけると、年ごとに注目すべき新型車のポイントを的確に把握していた。
フレール氏といえば毎年末、モナコの自宅からクリスマスカードが届いた。ジャーナリストの経歴を落語家にたとえれば、駆け出しの創作落語家が、人間国宝級の古典名人から年賀状を受け取るようなものである。
(中略)
ときには和風のカードが入っていたこともある。なんという粋な計らい! 年によって伊語だったり仏語だったりしたが、いずれも丁寧な肉筆だった。語学を磨き、常に新しいモデルに関心を抱き、たとえボクのような遠い国の人間にも対等に接する。そして人に頼らず自分で動く。
(中略)
フレール氏には欧州におけるジャーナリストとしての振る舞いを、無言のうちに教えてもらっていたのだ。
*記事出典:WEBCG 第31回:「ハイスピード・ドライビング」は体験できなかったけど……ポール・フレール氏追想
奢らず、謙虚で、誠実で、何歳になっても自分を高める。すごい人とは、ポール・フレール氏のような人のことを言うのだろうなぁと改めて感じた。
911乗りのバイブルを読んでみよう!
そんな神様みたいな人が書いた本とはどんなものなのか…表紙をめくってみたところ、フェリー・ポルシェがポール・フレール氏について書いたこんな文章があった。
本書の著者ポール・フレール氏は、創業当時の当社を知る数少ない人のひとりだ。(中略)特にこの25年間、冷静なテスターとして、また熱心なファンのひとりとして、ほとんどすべての911モデルを試乗し、論評されたことを我々は多とするものである。911の発展の歴史をひもとくにふさわしい人物として、氏以上の適任者を私は知らない。
創業当時からポルシェの歴史を知り続けているなんて、本当に凄い。そんな人が書く本だからすごいに違いないと、ワクワクしながら本をめくってみたのだが…
…
…あかん、何書いてるかサッパリ分からん…!(*_*)
夫に「マニアックでメカニカルな内容過ぎて、全く理解出来ひん(-_-)」というと、さすがの夫も、
「僕も、ところどころ理解出来ひん部分がある。ここまで詳しく911を語れる人は、世界中でもこの人くらいちゃうか。上には上がおるわ」
と脱帽していた。
すごいなぁ…。なんだか私は、毎日ポルシェブログを更新しているくらいでポルシェ好きなんてとても言えないなと、少し恥ずかしくなってしまった。もっともっと勉強が必要だなー。(って私は何を目指しているのだろうかw)
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コメント ( 2 )
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おお,ポール・フレールさん。CAR GRAPHICのコラムがなつかしい(from Europeだったか,Overseasだったか忘れてしまったけれど)。最近は編集部の方が海外に出向いた記事も多いと思いますが,昔は向こうから送られてきたもの(の翻訳)が多かったですからね。
911ストーリーの図版が見てみたくなってAmazonでふつうに買えるDie Porsche 911 Story(たぶんドイツ語版)を買ってみました。どうせ難しいなら何語でも一緒かな,と。どうしてもわからなかったら質問させてくださいね(^ ^)
PorscheDreamerさん
そうなんですね!以前は向こうからの記事の翻訳が多かったのですね、内容が結構気になります。
どんなコラムだったんだろう。きっと勉強になる内容も多かったのでしょうね。
ポルシェ911ストーリーのドイツ語版、、笑
質問いただいた時答えられるように、夫婦で勉強しておきます笑!