【試乗記】スポーツシャシー、PTVの981 ボクスターGTS(PDK)を試す
公開日:2021.06.26
夫が、クルマ仲間の方の981ボクスターGTS(PDK)を試乗させて頂いたので、レポートを書いてくれた。よろしければ、ぜひご覧ください。
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今や希少かつプレミア価格の981ボクスターGTS
最近、人気で中古車市場でも出るやいなや、すぐに売れてしまい入手困難となりつつある981型のボクスターGTS。一時より値上がりもしており、もう登場から5年以上は経つのに、新車価格に近い値段で取引されているのは驚きである。
今回試乗した個体は、最近、中古で購入されたものだが、中古車情報サイトには掲載されなかった個体だそうだ。あらかじめディーラーに探してもらうよう依頼していた人にのみに案内があった個体で、しかも、購入希望者が多かったため抽選になり、くじ引きで購入者が決まったという。
いやはや、中古車で抽選とはすごい人気だ。
近頃は「このブログで981のGTSを紹介しているから、値上がりしているのでは?」という声もたまに頂くのだが、それも多少はあるのかもしれないが、それよりもこの981型の素晴らしさを理解された方が増えてきたことによるものだろうと思う。
ちなみに、中古車市場がいくら値上がりしても、私は売るつもりはないので、一切、私に利益はないことを申し上げておく。
オプション満載の981 ボクスターGTS
今回、試乗した個体は2016年式の981型のボクスターGTS(PDK)でオプションは以下の通り。
- 右ハンドル
- 外装 ホワイト
- 内装 ブラック
- オプション
- スポーツシャシー
- GTSコミュケーションパッケージ
- ロールオーバーボディ同色
- トルクベクタリング
- 電動格納ミラー
- サテンブラックホイール
- シートヒーター
- オートエアコン
- パワーステアリングプラス
- クルーズコントロール
特にスポーツシャシーとトルクベクタリング(PTV)が入っているモデルはとても希少だ。以前にもスポーツシャシー付きのボクスターGTSに試乗させてもらったこともあるが、あれから年月も経っており、私の経験値も増えているのであらためてレポートしてみたい。
低速からの美声 981のGTSサウンド
エンジンに火を入れ、走り出す。PDKはとても滑らかにクルマを発進させる。中古車となると、たまにややギクシャクするPDKの個体もあるが、この個体のPDKは滑らかでとても程度が良い。
ノーマルモードで走り出すと、1速から2速、3速とテンポよくシフトアップしていく。回転数は2000-3000回転程だが、相変わらず981はこのスピード域でも音をしっかり聴かせてくれる。
特別音量が大きいとかそういうわけではないが、ちゃんと排気音とメカニカルノイズがバランス良く聞こえるので気持ちがいい。
シフトアップする毎に「ボン!」という音とともにギアが繋がり、エンジンが吠える。これは私のマニュアル仕様には無い音だ。
PDK版とMT版の違いの一つはこの音だ。PDKは加速チェンジも減速チェンジのどちらも音が楽しめるが、MTの場合は減速チェンジの際のブリッピングの音だけだ。
これは正直、MT乗りからすると羨ましい。
スポーツシャシーとPTVを試す
走り出して感じる印象は、特にPASM付きの私の個体とそれほど乗り心地に違いは感じない。とても滑らかで、スムーズだ。適度な柔らかさすら感じ、しっとりと走る様は981ならではの特徴だ。
ワインディングでステアリングを切り込んでみる。やはり、以前に乗ったスポーツシャシーの個体と同様、フロントの入りがPASMより良い。スッと向きを変えてコーナーに侵入する。この向きを変えるまでのタイミングが、PASMより早いと思う。
後で同じコースを自分のボクスターに乗ってみたが、私のボクスターの場合、メガライフバッテリーでフロントの重心が軽量化されていることもあり、PASMと言えどもこちらもフロントの入りは上々だ。
オーナーさんにも乗り比べてもらったが、オーナーさんが言うには「大きな差では無く、僅差だと思う」とのこと。
しばらく走り、中速コーナーを曲がってみると、安定感はしっかりとある。とはいえ、718の足回り程のカッチリ感、剛性感ではない。さすがにスポーツシャシーでも、718ほどの”剛”のフィーリングではない。
とはいえ、ここもPASMよりは、しっかりと踏ん張るのは間違いないところ。あとでオーナーさんに私のボクスターと比べてみてもらったところ、リアの安定感、踏ん張りは、私のボクスター(718用の純正ラテラル・メンバー(トランスバーストラット)を取付済み)の方が安定しており、安心感があるとのことだった。
簡単に整理すると、こんな感じだ。
【フロントの入りの良さ】
981 PASM < 981 PASMのメガライフバッテリー < 981 スポーツシャシー < 718
【リアの安定感】
981 PASM < 981 スポーツシャシー < 981 PASMに718のラテラルメンバー < 718
ちなみにPTV(ポルシェトルクベクタリング)についてだが、PDK車のPTVの場合は、内輪のブレーキを少しかけることで旋回性を高めるという制御らしいが、普通にワインディングを流している感じでは、ほとんど効果は分からない。
低速のRのキツイカーブを曲がると、確かに少しノーマルより曲がる感じはするのだが、これがスポーツシャシーの効果なのか、PTVの効果なのかはハッキリとは感じとることはできなかった。
次のページ→スポーツシャシーの乗り心地と実用性、981GTSの総評は? |
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コメント ( 4 )
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はじめまして。
いつもブログを楽しみにしております。
981のCayman GTS(LHD/MT)に乗っていました。
このCayman GTSを委託販売に出して、現在992GT3(LHD/PDK)の納車待ちです。
> シフトアップする毎に「ボン!」という音とともにギアが繋がり、エンジンが吠える。これは私のマニュアル仕様には無い音だ。
>
> PDK版とMT版の違いの一つはこの音だ。PDKは加速チェンジも減速チェンジのどちらも音が楽しめるが、MTの場合は減速チェンジの際のブリッピングの音だけだ。
>
> これは正直、MT乗りからすると羨ましい。
実はただそれだけの理由で、GT3はPDKにしました。
いざとなったら992GTSにもMTが用意されたので(祝)心置きなくPDKを。
あと仰る通り981CaymanGTSも驚くほどの価格で次のオーナーさんに引き取って頂けました。
地元のポルシェセンターでも「みなさん981Boxter/CaymanのGTSを探されています」とのことでした。
ポルシェ認証のNタイヤとバッテリーを交換して100kmほどしか走っていなかったので、次のオーナーさんにはPTV付きの981CaymanGTSを楽しんで頂けたらと思っています。
981Boxter/CaymanGTSは本当に良いクルマですね。
異議なしです。
ワダさん
はじめまして、いつもブログをご覧いただき有難うございます!
>実はただそれだけの理由で、GT3はPDKにしました。
>いざとなったら992GTSにもMTが用意されたので(祝)心置きなくPDKを
おぉーそうなのですね!私は味わったことが無いのですが、本当に気持ちの良い音のようですもんね!
>ポルシェ認証のNタイヤとバッテリーを交換して100kmほどしか走っていなかったので、次のオーナーさんにはPTV付きの981CaymanGTSを楽しんで頂けたらと思っています。
夫が「えーめっちゃええやん!めっちゃええやん!次のオーナーさんめっちゃラッキーやなぁ!」と言っておりました。
私は981ケイマンGTSは乗ったことが無いので、ぜひ、機会があれば乗ってみたいなぁと思っています^^
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
いつもブログ楽しみにしています。
PTVのオプションについて、装着の有無はどこかを見ればわかるのでしょうか?
また、スポーツシャシーの有無はPASMのボタンを確認して判断していますが合っていますか?
中古車を検討しているので、参考に教えていただきたいです。よろしくお願いします。
ちんすこうさん、こんにちは。
PTVの有無はディーラーに聞いて、車体番号から当時のオプションリストを調べてもらわないとわからないと思います。
(普通に聞けば、どこでも教えてくれますよ)
スポーツシャシーの有無は981の場合、PASMのボタン無しの場合、スポーツシャシーか、PASM無しのシャシーかの2通りあるので、これも判断難しいです。
ただ、車高の高さで分かります。PASM無し>PASM>スポーツシャシーの順に1cmづつ下がります。
私の指だと、スポーツシャシーはフロントタイヤとフェンダーの間に指二本がギリギリ入る隙間です。
ご参考まで。