ポルシェ911の電動化コンバージョン – カルマーが挑む究極のレストモッド
公開日:2024.09.24
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カルマーが手掛ける964世代911の電動化
デンマークのチューニングカンパニー、カルマーが964世代のポルシェ911を電気自動車(EV)に改造するプロジェクトを発表したそうだ。「7-97 E-Volt」と名付けられたこのEVコンバージョンは、テスラモデルSのパワートレインを使用しているとのこと。
カルマーは単にテスラのパワートレインを911に搭載するだけでなく、クルマの環境性能を向上させつつ、パフォーマンスも向上させることを目指したという。その結果生まれたのが7-97 E-Voltだ。
徹底的な軽量化と空力改善
このプロジェクトは、エンジンが欠落した964世代の911をドナーカーとして始まったそうだ。カルマーはこのクルマを可能な限り純正パーツを使用して復元。さらに驚くべきは、クルマのアルミニウムを溶解して再鋳造するほどの徹底ぶりだ。ガラスにも同様のプロセスが適用されている。
最も印象的なのは、亜麻ベースの複合材料を使用して新しい軽量ボディを製作したことだろう。この素材はインテリアにも使用され、さらなる軽量化が図られている。カルマーによると、7-97 E-Voltの重量は約1,374kgで、964世代のターボモデルと同等だという。
空力性能の向上
新しいボディと隙間をなくすことで抵抗を減らすグルーインガラスにより、ダウンフォースを維持しながらも空力効率が向上したそうだ。カルマーによると、ドナーの911と比較してフロントで30%、リアで20%ダウンフォースが増加。さらにオプションのダックテールスポイラーを装着すると、リアのダウンフォースがさらに60%増加するとのこと。
テスラ由来のパワートレイン
EVコンバージョンの主役はやはりパワートレインだ。リアアクスルに搭載された単一の電気モーターは最大450馬力を発揮し、重量配分を最適化するためにフロントとリアに分割された63kWhのバッテリーからエネルギーを得る。
性能面では、0-100km/h加速が4秒未満、航続距離は最大約290km(180マイル)とされている。ドライブモードセレクターでエコモードとスポーツモードを選択できるそうだ。
現代的な装備として、電動パワーステアリング、エアコン、LEDヘッドライト、レインセンシングワイパー、Apple CarPlay対応のインフォテインメントシステムなどが搭載されている。パワーステアリングやエアコン、ブレーキブースターシステムを作動させるため、電動真空ポンプも追加されたとのこと。ブレーキは鉄製ローターか、より軽量なカーボンセラミック製を選択できる。
7-97 E-Voltのコンバージョン価格は45万ユーロ(約7,000万円)からとされている。カルマーによれば、将来のオーナーが望めば内燃機関に戻せるよう、改造は可逆的に行われているには嬉しい点だ。。
このプロジェクトは、クラシックカーの魅力を損なうことなく、現代の技術を融合させる挑戦的な試みと言えるだろう。環境への配慮とパフォーマンスの両立を目指す、カルマーの野心的なアプローチは、クラシックカー界に新たな可能性を示唆している。ポルシェ乗りの方々にとって、このような取り組みがクラシックポルシェの未来にどのような影響を与えるか、注目に値するプロジェクトと言えるだろう。
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