ポルシェ911カレラ4GTS(991前期)で冬の雪道ドライブ

991前期 カレラ4GTS
レビュー・試乗記

冬用のポルシェ、カレラ4GTS

3月に入り、気温も高くポカポカ陽気が続くようになってきた。

わが家の991前期型のカレラ4GTSは、納車されて約1年半。すこぶる快調で、エンジンの吹け上がりは鋭く、エキゾーストノートも益々大きくなってきているように思う。

もともと、四駆のカレラも所有してみたいとの思いからカレラ4GTSを選択し、せっかくならオフシーズンの冬季も気兼ねなく走り回りたいとの思いからポルシェ承認のウインタータイヤまで用意した、いわば、冬用のポルシェである。

991前期 カレラ4GTS

とはいえ、昨年末から今年にかけては何かと忙しく、十分なツーリングには行けなかったのだが、冬のショートツーリングや、雪道を走った様子をダイジェストでお届けしたい。

冬の和歌山~三重へ

玉置神社

年末、少し時間ができたので、和歌山へと足を伸ばした。

まず、今回の目的地は超有名パワースポットでもある玉置神社だ。もともと玉置神社は紀伊山地の奥深いところにあり、『呼ばれた人しか行けない』と言われるほどの神社で熊野三山の奥の宮とも言われる神社だ。

過去に数度来たことはあるのだが、あまりにも空気感が違う神社なので、ここは軽々しくは行かないようにしている。今回は少しパワーをもらいたいことがあったので参拝した。

大阪市内を抜けて奈良県は五條市、そしてR168へ。雪こそないものの、12月下旬だと気温は低く3℃前後しかない。ドライ路面でも全く不安感なく走れるのが欧州ウインタータイヤの良いところ。

国道168

991前期 カレラ4GTS

途中、R168から左折して十津川を渡り、1.5車線くらいの山道を上がっていく。狭隘路とまでは言わないものの、所々、すれ違いには注意しながら急坂を上がっていくと、山頂に近づくにつれ道に雪が現れる。事前の道路情報で道には雪があり、冬用タイヤ規制という情報を知っていたので特に慌てることもなく、標高を上げていく。

玉置神社に近くなると、急激に積雪量が増えてくる。久しぶりの雪道だが、拍子抜けするほど簡単にカレラ4GTSは雪道を走破していく。RRだとトラクションに不安が出そうな場面でも、驚くほどの余裕っぷりだ。

雪道を走るポルシェ

玉置神社

しばらく雪道を堪能していると、神社の駐車場に到着。ここから10~15分ほど山道を歩くと本殿だ。本殿に近づくにつれ、空気感が変わってくる。以前はピンと張りつめた空気でピリピリするような空気感だったが、この日は打って変わって、とてもまろやかな空気感だ。気温は寒いのに温かみのある空気感でとても心が落ち着く。

参拝を終えて下山。R168へ戻って、さらに南下。

交通量の少ないR168を快走して、新宮市に到着。ここでその日は一泊した。

鬼ヶ城から三重方面へ

次の日は朝からK141(オレンジロード)を快走。年末といえども、さすがに紀伊半島の南端は温かい。春のような日差しの中を、スポーツモードで駆け抜けていく。

途中で知人に教えてもらった鬼ヶ城へ立ち寄る。事前知識無しで立ち寄ったのだが、かなり見ごたえのある自然の絶景に圧倒された。近くに来られることがあれば、ぜひ立ち寄ってもらいたいスポットの一つだ。

オレンジロード

鬼ヶ城

鬼ヶ城

鬼ヶ城

鬼ヶ城を後に今度はR169を北上する。このR169も昔から比べると随分走りやすくなった。ツーリングらしいツーリングができる道で、紀伊半島を南北に走るならまずはこのR169、そしてR168を基点に考えると良いだろう。

吉野町付近で右折して、名道R166へと911を走らせる。R166は久しぶりに走るが、相変わらず気持ちがいい国道の一つだ。この日は年末の寒波の後ということもあり、交通量は少なく、峠付近では所々残雪もある。スポーツモードでパドルを駆使しながら豪快に駆け上がり、全く意味の無いシフトダウンを繰り返して快音を楽しみながら、松阪市まで行って一泊。

翌日は、滋賀方面にでも行こうかと思ったが、急遽用事ができたためここで年末ツーリングは終了となった。

国道166

雪のワインディング

ツーリングを完遂できず、フラストレーションをかかえたまま年越しを迎えた。またどこか走りに行こうとおもっていた矢先、ニュースで大寒波がやってくるとの知らせを聞く。

関西では平野部でも夜から雪が舞い始める。芦有のライブカメラを見ると、大雪で真っ白。これは期待できる!(笑)と思い、翌朝は早く起きて、除雪されてしまう前に911を走らせに行った。

翌日は雪は上がり、最高のコンディションだ。センターラインも何も見えないほど、真っ白な芦有はとても珍しい。

雪の芦有ドライブウェイ

雪の芦有ドライブウェイ

今回はゆっくり走りながら、カレラ4GTSの挙動を丁寧に確認する。

除雪が進むと雪のある場所と無い場所がまばらになり、かつ、アイスバーンも増えることから、左右のグリップが均一でなく逆に走りにくいと思うことが多いが、まだ除雪されていない道はとても走りやすい。

2速でアクセルを深く踏み込むと、雪煙を巻き上げながら強烈な四駆のトラクションで駆け上がっていく。ブレーキング性能も申し分ない。カーブではシフトダウンして慎重に荷重移動して侵入、出口では車の向きを変えると同時にアクセルを踏み込み直線的に駆け抜ける。

基本的に911は雪道でも平地と登りに関しては全く問題ない。様々なカーブのパターンをいろんな走り方で試してみたが、普通に運転する分には何ら怖くは無いし、安定している。

雪の芦有ドライブウェイとポルシェ

一方で、下りのカーブは要注意だ。カレラ4GTSといえども、リアが重いことによるネガが出やすい。たとえば、少し下りの急カーブ、ブレーキを踏むのが少し遅くなり、カーブの曲線に入ってから踏むようなことをすると、いとも簡単に911はお尻を振りだそうとする。

もちろんPSMが制御を入れてくれるので、余程のスピードでない限り、そのまま制御不能になるというようなにはならないが、一瞬、リアが思った以上に出てオーバーステアになりそうになるので、ヒヤッとする。こういう場面ではしっかりと直線部分でブレーキを踏み、スピードを落としてから慎重にカーブに入ったほうが良いだろう。

その後も、圧雪路のワインディングを丁寧に味わいながら911を走らせた。雪道は危険ではあるが、逆にクルマの性能や挙動を確かめるには最高のシチュエーションでもある。いざという時のためにも、911のことを深く知り、どんな場面でも安全に対処できるようにしておくのも大事なことだ。

最低5年は乗らないと911のことなんて分かりっこない、と言われるが、もっと深く知るためにもこれからも911でいろんな環境で走らせようと思う。

 

Hiro

Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを好...

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  • コメント ( 4 )

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  1. カレーライス

    こんにちは、いつも楽しく拝読しています。
    私は991.1カレラSに乗っています。

    最低5年は乗らないと911のことなんて分かりっこない、とのことですが、オーナーには毎日乗る方もサンデードライバーもリセールのためあまり乗らない方もおられると思います。

    911を理解する5年間とは、年間何日乗るとか何km乗るとか目安はありますか?

    ちなみに私はサンデードライバーで年間5.000kmくらいです。

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    • HiroHiro

      カレーライスさん、こんにちは

      この「最低5年は乗らないと911のことなんて分かりっこない」というのは故・徳大寺有恒氏の言葉です。
      特に目安というものはないと思いますが、徳大寺さんは「まず911を買ったら箱根に行け」と言われてました。
      とにかく、ワインディングでの運転技術を磨いて、荷重で曲げることを理解するのが911を理解する最初の一歩だと思います。

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  2. yama168

    こんにちは、いつも楽しく読んでいます。

    去年のGWにR168、R169に行きまして、奈良と和歌山の山深い道を、深い緑色の河沿いに走るのがとても楽しかったです。

    R168をそれた所に上湯温泉川原の湯という秘湯がありまして、文字通り川原に湯船があって立ち寄り入浴できます。
    ドライブの息抜きに温泉というのもいいものです!

    • HiroHiro

      yama168さん、こんにちは

      情報ありがとうございます。
      あの辺りは温泉も良さそうですね!
      上湯温泉川原の湯ですね!覚えておきます。
      今度機会があれば、立ち寄ってみますね。

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