なぜポルシェ乗りは、現物も見ず試乗もせず次のポルシェを予約するのか。

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車は試乗して買うものだ

私は、車に全く興味がない両親のもとで育った(なのに兄は生粋のスバリストで、妹の私は車のブログを書いているという皮肉w)が、車に興味がない両親でもさすがに、車を買いかえる時は試乗していたので、車は試乗して買うものだと思っていた。

ところがポルシェがわが家にやってきて間もない頃、ポルシェディーラーの営業の方から

「今度新型◯◯が発売されるんですが、早速予約注文が入ってますよ」

という話を聞くことがよくあった。私は驚いて思わず「試乗もしてないし、実際に現物も見てもないのに、予約注文するってどういうことですか?」と思わず聞き返してしまったが、その時の私は「どこかのお金持ちが、お金が余ってるからとりあえず新しいポルシェ買っとこかなー」という感じで予約しているんだろうと思っていた。

でもポルシェを少しずつ知り始めた今、その理由が分かる気がするのだ。

変わらないもの

今現在ポルシェに乗っているオーナーが、現物も見ず試乗もせず、また新たなポルシェを予約するのは、ポルシェへの信頼の証なんだと思う。
以前BSフジでやっていたポルシェのルーツを取材した特別番組で、オーストリアのGmündにあるポルシェ博物館の館長がこんなことを言っていた。

「初めて10代の頃に中古のポルシェを買って乗った時、言葉ではとても表現できない感激があった。まるで車と一体になったようだったんだ。」

これは、70年たった今でも、初めてポルシェに乗った人が味わう感覚と同じだ。ポルシェが創るのは、ドライバーの心高ぶらせるスポーツカー。それは時代を経てもなお変わらない。これだけ時代が変化し自動車へのニーズも多様化し、ライバル会社が次々と新たな車を販売している中で、変わらずに一貫性を持ち続けるのは並大抵のことではないと思う。

一方、進化するもの

一方で、ポルシェは進化し続けている。わが家では以前、970パナメーラエディションに乗っていた。そのパナメーラエディションも十ニ分すぎる性能で、芦有を走れば楽しく、高速道路を走れば滑らかで、いついかなる時も最善の走りを感じることが出来たので、私たち夫婦何の不満も持っていなかった。

だから新型パナメーラが発表された時には正直「絶対に今のパナメーラを超えることは無理だ」と思ってた。

ところが、新型パナメーラを試乗しに行って、2秒で分かった。

「これは完全に従来型のモデルを超えてきた」と。

新型パナメーラは、従来型のパナメーラの延長線上にあるものではなく、また新たに一から開発されることで従来型をはるかに超えたことがよく理解できた。

変わらずに、変わっていく

ポルシェのアイデンティティを維持しながらも、常に進化し続ける。

これは並大抵のことではないが、ポルシェオーナーは、次に出る車種が、自分たちの期待を裏切らないし、むしろその期待を大きく超えてくることをよく知っている。だから、試乗もせずに予約するのだろう。(生産台数が少ないし、買っても価値が下がらないから買っとこうというのもあるかもしれないけど)

そういえば、近々登場すると言われている「新型ボクスタースパイダー」に至っては、まだ発売されるかどうかも分かっていないにもかかわらず、予約が入っているらしく…夫も既にしれーっと予約しているようだなのだ。

いやはや、ポルシェはつくづくすごい会社だなーと思う。

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