多くの人が、ポルシェ パナメーラよりSクラスを選ぶ5つの理由とは?
公開日:2017.06.26
パナメーラ vs Sクラス
ある日ふと思った。「パナメーラはこんなにいい車なのに、なぜ多くの人が、同じ車格のメルセデス・ベンツSクラスを買うのだろう」と。
先日、モータージャーナリストの岡崎五朗さんのTV番組に、ポルシェ・ジャパンの七五三木社長が出演されていた際「新型パナメーラの販売が好調です」とおっしゃっていたので、970に比べると、971になった方がパナメーラの人気が出てきているのかもしれない。とはいえ、街中では、Sクラスを見かけることの方が圧倒的に多いし、私の感覚では「Sクラス15台に対して、パナメーラ1台くらいか…」と思っていたのだが、調べてみると「メルセデス・ベンツとポルシェの販売台数」についてのこのようなデータがあった。
2016年、メルセデス・ベンツの世界新車販売台数は、6年連続で年間販売の記録を更新する222万8367台。一方で、2016年ポルシェの年間販売台数は、23万7778台で過去最高。
えぇ〜!!!桁が一個違うのぉー(;゚Д゚)!?
パナメーラに限らず、そら街中でポルシェをあまり見かけないわけだ。メルセデス・ベンツSクラス、ポルシェ・パナメーラのそれぞれの販売台数までは調べていないのだが、単純に考えて「世の中に出回っているメルセデス・ベンツとポルシェの台数には10倍の差がある」ということだ。
パナメーラではなくSクラスを買う5つの理由
販売台数の桁が1つ違うことがわかったところで、なぜ多くの人が、パナメーラではなくSクラスを買うのか、自分なりに考えてみた。といっても、私はモータージャーナリストやプロの評論家ではないので、あくまでもポルシェが好きで車の構造にはあまり詳しくない私(なんじゃそりゃ)が考えた見解ではある。
①知名度(認知度)
「昔はメルセデス・ベンツ=成功者が手にする車というイメージがあって、みんなの憧れだった」という話は、色々なところで耳にする。また以前は、Aクラス・Bクラスというコンパクトなモデルはなく、セダンが主流だったことを考えると、今でも「メルセデス・ベンツのSクラス」はステータスであり、成功者の証として分かりやすい車なのだと思う。
一方パナメーラは、2009年に製造が開始された、ポルシェの中でも比較的新しい車種で、認知度はかなり低い。私も以前パナメーラの話をしたとき「え、プリメーラ?」と聞き返されたことがあるが、やはりあまり世間では知られていないのだなと思った。
②目に触れる回数の違い
知名度と似通った理由かも知れないけれど…よく広告やCMの世界でも言われていることだが「接触回数が多いほうが、その商品やサービスに対して好感を抱くようになる」という単純接触効果というものがある。だから、なんだかよく知らないし、情報量の少ないパナメーラという車よりも、街なかでよく見かけるSクラスのほうがいいなぁという気持ちになるのかなと思う。
③「ラグジュアリーな乗り心地」重視
Sクラスに乗っている人の中には、お抱え運転手が運転をし、自分は後部座席に座って移動するというパターンがちらほら見かける。Sクラスは後部座席のシートもゆったりしていて、ソファに座って移動しているような快適さがあるので、自分が乗るのはもちろん、大事なVIP顧客を乗せる車としても最高なのだろうと思う。
一方パナメーラは、ラグジュアリーセダンと言われSクラスとよく比較されるが、私は比較対象としては全く異なるものだと感じている。ポルシェはあくまでもスポーツカーメーカーだ。スポーツカーとして開発され、そこにラグジュアリーな乗り味が加わっただけで、基本はスポーツカー。だから、後部座席は1つ1つが独立したスポーティなシートになっているし、限りなくラグジュアリーであるけれども、Sクラスより足回りは固めだ。
そう考えると、世の中には「ラグジュアリーさと走りの楽しさの両方を重視する人」よりは「ラグジュアリーを重視する人」の方が圧倒的に多いので、結果的にSクラスの方が選ばれるのかなと思う。
④納車までの期間の違い
ポルシェはほぼ受注生産なので、注文から納車までに時間がかかることで有名だ。わが家が新型パナメーラを注文したときにも「納車まで早くて半年、恐らく10ヶ月待ち」と言われた。各ディーラーへの台数の割り当てが決まっており、またポルシェの工場は夏場は1ヶ月半ほど休むので、速く欲しくてもお客は待つしか無い。「できるだけはやくラグジュアリーセダンが欲しい」という人は、Sクラスにするほうがすぐに手に入るからいいと思う。
⑤ポルシェは値引きをしない
他ディーラーに行くと「今月決めてもらえたら、●●万円お安くしますんで!」と言われることがよくある。実際BMWに行った時も、値引きした価格で提示してもらった。でもポルシェの場合は、ほぼ値引きしてくれない。営業の方も「値引きします!という営業手法が使えないので、通常のような売り方はできない」とおっしゃっていた。
どこまでもポルシェであり続けてほしい。
とはいえ「Sクラスを買うなら、もっと多くの人がパナメーラ買ってもいいのに!」とは思うけれど、実際ポルシェが素晴らしい車を創り続けられるのは、需要と供給のバランスを考慮した生産・販売戦略を実行することで、高利益体質を保っているからだ。
薄利多売ではなく、高利益体質だからこそ、技術開発に投資でき、さらに良い車を作ることができる。(ポルシェの2017年の一台あたりの利益は、194万円、BMWは56万円、トヨタ21万円、スバルは36万円とのこと。ちなみにフェラーリは1200万円)
だから、パナメーラがSクラスみたいに売れればいいのに…!とは思わないけれど、でも世間ではパナメーラはあまり知られていないので、もっとパナメーラの素晴らしさが、世間に認知されてもいいのになぁと思う今日この頃である。
その後、メルセデス・ベンツ AMG S63クーペを所有した感想の記事を書いています。
→メルセデス・ベンツAMG S63 4MATIC クーペ (C217)を所有してみた感想
→どちらがお好み? AMG S63 4MATIC クーペ (C217)とパナメーラターボ(971)はこう違う。
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コメント ( 2 )
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とおりすがりのポルシェ大好き男です。
パナメーラ確かにいい車です。でもメルセデスのほうがやはり万人にいい車ということだと思います。
パフォーマンスや乗り心地、使い勝手、スタイル等々、それらの項目をたとえば六角形等のグラフにしたとき、メルセデスはどのシリーズもやはりライバル車に対して総面積で上回るというイメージです。
対して、ポルシェとはやはり走りの部分の突出しているが、それ以外については、高次元ではあるが、メルセデスには及ばないというイメージです。
メルセデスって試乗しても、保有しても、大して凄さとか、感動とかってしないんですよね。
そう、ほんと普通なんです。 もうほんとに普通。 でも、すべてが普通の車ってなかなかないんですよ。
スポーツ性能はいいけど、乗り心地がなーとか、内装の造りがすこしちゃちいなとか、遮音性がとか小回りがとか。
そういう小さなストレスを消していく作業がメルセデスを作ります。
メルセデスは 究極の高次元の普通なんです。
ゆえに、試乗しても、買っても、感動ってあんまりない。普通の車と。
でも、手放して別の車に乗った時にわかります。
あーあの車やっぱりいいくるまだったんだなーって。普通だったんだなーって笑
それがメルセデスのすごさだと思います。
僕は、カレラを長年乗り継いでいますが、普段乗りはころころ変わります。でもいろんな車を乗って分かるのはメルセデスのすごさです。
パナメーラ ラブ 素敵です。でもホント、ご主人のように、いろいろな車を知ることで、もっとパナメーラの良さも分かるかもしれないし、はたまた、別の車に対する見方も変わるかもしれませんね。
ゆっくりブログ読ませていただきますー。
ポルシェ好きの通りすがりさん
こちらのブログを探しあてて下さり、本当に有難うございます!
この記事を書いた頃は、Sクラスを運転したことが無くて「なんでみんなSクラスを選ぶんだろう…」と思っていましたが、その後S63クーペを運転し、
本当によく出来たクルマだな〜と思いました。
おっしゃるように、六角形のグラフがとても綺麗なイメージで、
総合的に非常に高次元でよく出来ていますよね。
内装も豪華で、乗っているだけでVIPになったような感覚にもなりました(笑)
一方パナメーラの内装はとてもシンプルですし、
ドライブアシスト機能も必要最低限で、ほぼオプションですし、
走りに振り切ってますよね^^;
好きな人は好きだけども、一般受けはしないだろうな〜と思ったりしますが、
おっしゃるように、いろいろなクルマに乗ってみて、
総合的にポルシェや他のクルマを理解できるようになれるといいなと思います!
引き続きよろしくお願いいたします^^