ポルシェ911 カレラ4GTSで行く悪天候ツーリング

ポルシェ911 カレラ4GTS
ツーリング記

雨のポルシェも良い

自他共に認めるツーリング好きであるが、実は晴れの日以外にも、大雨のドライブも好きだ。

だから、小雨ではなく大雨の予報を見ると、無性にどこかへ行きたくなることがある。なぜ大雨のドライブが好きなのか?というのは自分でも上手く説明できないのだが、雨の雰囲気やワイパーに当たる水、屋根を叩く雨音など、五感に感じる雰囲気が好きなのもあるし、また、過酷な車外の状況と、快適な車内の状況の対比が好きというのもある。(マニアック過ぎてすみません)

雨のドライブ

ポルシェなどの高額なクルマのオーナーさんは、雨の日は乗らないという方も多い。その気持もとても良くわかる。

雨に濡れたからと言ってすぐに痛むわけでもないが、綺麗な状態で保存し、価値も高く保ちたいというのは私も同じだ。

しかし、私の場合、気に入ったクルマほど雨の中を走らせるし距離も走らせるのだ。なぜなら気に入っているから、当面売るつもりがない。

だから、価値や保存状態よりも使い倒して、そのクルマを味わい尽くしたいという意識の方が強いし、また、もし何か劣化したりすれば、その部品を交換すれば新車の状態に近づけられるので、むしろ嬉しいくらいだ。

というわけで、天気予報を眺めながら、雨雲のある方向へと911を走らせた。

サンダブルクリンクからK77へ

向かったのは兵庫県は三田市(さんだし)。私が勝手に名付けている『サンダブルクリンク』という快走路コースを皮切りに北上することにした。

まずは、K33で宝塚市内から三田方面へと走らせる。K33は交通量さえ少なければとても走りごたえのあるワインディングだ。この日は偶然にも前を遮るクルマがなく、クリアラップが取れた。路面はウエット、急坂を2速、3速メインで駆け上がる。

素晴らしい四駆のトラクションで、思い切って踏み込んでいけるのはカレラ4ならではだ。

ポルシェ911 カレラ4GTS

ポルシェ911 カレラ4GTS

新名神の高架下の快走区間を駆け抜け、K323へ。そこから、交通量が少なく快走できるK37を北上。K309からK308へと抜け、思う存分、雨のワインディングを楽しむ。途中の母子大池に立ち寄り、少し休憩。

この池はどこかヨーロッパの古い湖のような雰囲気があり、とても好きなスポットだ。

その後、K12の猪名川渓谷ラインを北上。ここも峠付近は走りごたえがあり、とても好きな道の一つだ。峠を超えて、田園が広がる集落を抜けR372を西進する。

丹波篠山市をかすめて、K77へと入る。このK77も名道である。バイクツーリングの立ち寄りスポットとして有名なルート77というカフェもあり、川沿いのワインディングから、少し開けた広めの道まで楽しめる。氷上町からはK78の『小春ロード』へと911を走らせる。

K78からR427

雨はかなり強くなり、視界も悪い。K78の峠への上りは雨で川のようになっている。PDKをマニュアルモードにして、惰性ではなく少しトルクをかけ気味にアクセルを踏み、前輪へ積極的にトルクを配分させる。雨など無いかのように911は峠を駆け上がる。

やはり3.8Lのパワー感は頼もしい。

どんな場面でも余裕があり、ボクスターGTSの3.4Lでは少し歯がゆいところでも、十分に加速してくれる。100psの差は納得である。

雨のドライブ

峠を超えると、下りの直線が続く。さすがに雨なので、抑え気味に下るが、とても気持ちの良い真っ直ぐで広い道である。いつか、GT3などでこの道を駆け上がったらさぞかし楽しいだろうな、と思いながらR427へ出て北上。

ポルシェ911 カレラ4GTS

道の駅・多可で少し休憩をはさみ、次は来た道の復路を走る。

大雨の高速道路

K78『小春ロード』を駆け抜け、帰りは高速で帰ることにした。普段なら下道を走るところだが、大雨なのであえて高速での安定性を確かめるべく、高速道路に乗った。

雨はかなり激しい。ノーマルモードで普通に走り、7速巡航してみる。メーターパネルに表示されるPTMのトルク配分表示を見ていると、ほぼリアにトルクがかかっており、フロントは1割もあるかないかだ。

なので、ゆっくり巡航している感じでは、あまり後輪駆動(RR)の911とフィーリング的には大差ない。これなら、後輪駆動の992のWETモードの方が安心感は感じるように思う。

雨の高速道路

次にPDKのギアを落としたり、スポーツモードにして加速してみると、一気にフロントにトルクがかかり、4:6くらいの前後配分までなるようだ。またスポーツモードで走っていると、巡航時でもノーマルモードより少し前輪への配分は大きいようにも思える。

いろいろと試してみたが、結論としては、大雨の高速道路では4駆であっても巡航している時はそんなにRRとフィーリングは変わらず、加速したり積極的に走る時には、トルク配分がフロントにもかかり、本来のカレラ4系の安定感を得られるようだ。

ポルシェ911 カレラ4GTS

とはいえ、だからといって雨の日はあまり飛ばさないようにしていただきたい。特にタイヤの溝が少ない時は要注意だ。溝が多くてもある程度の水深からは、意味をなさなくなる。これは大雨の富士スピードウェイを走って身を持って分かったことだ。

高速を下りて、さらにワインディングを駆け抜け、家路を急ぐ。今回は半日程度の超ショートツーリングだったので、近場のみだったが、また機会を見てカレラ4GTSで旅に出てみたいものである。

総走行距離は250.0km、平均速度は46km/h、燃費は9.1km/Lでした。

今回のルートマップ

Hiro

Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを好...

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