ポルシェ 次期718EV(電気自動車版)についての開発状況を語る
公開日:2024.12.05
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ポルシェ718 EVの開発状況
ポルシェが電気自動車版の718ボクスターとケイマンの開発を進めているというニュースは、多くのEVファンにとっては非常に楽しみな話だ。
私も718EVについては非常に高い関心を持っており、正直、992の後期よりも718EVの方に関心がある。
しかし、ポルシェの電動化計画が見直されているという情報もあり、この718の計画への不安を抱く声もある。そんな中、ポルシェの研究開発責任者であるミヒャエル・シュタイナー氏が、718 EVの開発状況について興味深い情報を明かしたそうなので紹介したい。
シュタイナー氏によると、電気自動車版の718ボクスターとケイマンは、レーステクノロジーを活用することで、生粋のスポーツカーとしての性能を実現するとのことで、独自のプラットフォームをベースに開発されているという。
ハンドリングを重視した設計
現行の718シリーズが高く評価されている理由の一つに、優れたハンドリング性能がある。
この特性は主に2つの要因によるものだ。一つは軽量設計であり、もう一つはミッドシップレイアウトによる重量配分だ。
718 EVでは、回生ブレーキシステムの効率を最大限に高めることで、バッテリーの小型軽量化を実現しているとのこと。
さらに興味深いのは、バッテリーの配置方法だ。一般的な電気自動車のように、フロア下に平らに配置するのではなく、「コア」レイアウトと呼ばれる独自の方式を採用しているそうだ。
このレイアウトでは、バッテリーをシートの後ろに配置することで、内燃機関を搭載した従来の718と同様の重心位置を実現しているという。シュタイナー氏は次のように述べている。
「重心をドライバーにできるだけ近づけることで、クルマ全体の柔軟性と俊敏性が向上します。その結果、バランスの取れた、扱いやすいクルマになるのです。」
さらに、このレイアウトにはドライバーがより低い位置に座ることができるというメリットもあるそうだ。これによりスポーツカーらしい走行フィーリングが得られるそうだ。
フォーミュラEから学んだブレーキ性能
電気自動車のコアプラットフォームを成功させるためには、クルマの効率を最大化してバッテリーを小型化する必要があった。
シュタイナー氏によると、効率とブレーキ性能を両立させるために、回生ブレーキと従来型ブレーキのブレンディングに特に注力したそうだ。
その結果、ワンペダルドライビングシステムは採用しないことになったという。シュタイナー氏は次のように説明している。
「レーシングドライバーに聞けば、誰もワンペダルシステムを選ばないでしょう。回生ブレーキと通常のブレーキを、できるだけシームレスに同じペダルでコントロールできることが重要なのです。コーナリング時に適切なペダルフィーリングがなければ、クルマの安定性を信頼できません。」
コーナリング時のブレーキフィーリングの完成度を高めることは、「フォーミュラEで学んだこと」だとシュタイナー氏は述べている。
スポーツドライビングに最適化されたブレーキシステム
シュタイナー氏によると、ワンペダルブレーキシステムはパフォーマンスドライビングに理想的なタイミングよりも早く回生ブレーキを作動させてしまうという。一方、すべてのブレーキ制御を実際のブレーキペダルに集約することで、ドライバーは「必要なモジュレーションを行うことができ、路面やステアリングの反応なども感じ取ることができる」とのことだ。
「ブレーキでもアクセルでもクルマをコントロールできるようになります。」とシュタイナー氏は述べている。
このように、ポルシェは718 EVの開発において、レーステクノロジーを積極的に活用し、電気自動車でありながら従来のスポーツカーの特性を継承することに注力している。
電動化時代においても、ポルシェのスポーツカーとしての魂は失われることはなさそうだ。718EVの発表が今から楽しみである。
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