ポルシェ718ケイマンは、ポルシェの電動化計画を進める中で、近いうちに姿を消すことになる。

最も手の届きやすいポルシェへの何らかの敬意が示されることが期待されるが、米国フロリダ州のあるオーナーは、最も型破りな方法でそれを行うことを決断したようだ。2016年製ケイマン981 GTSにポルシェ911 GT2 RSのエンジンを搭載するという驚くべき改造を実現したのだ。

 

View this post on Instagram

 

caymanGT2RS(@caymangt2rs)がシェアした投稿

野心的だが不可能ではないエンジンスワップ

このエンジンスワップは、サンシャインステート（フロリダ州）のBGB Motorsports Groupによって実現されたとのこと。

2016年モデルケイマンGTSと、取り付け時の走行距離が5,000マイル未満の3.8リッター991.2 911 GT2 RSフラットシックスエンジンの組み合わせだ。そのミッションは、ポルシェ純正部品のみを使用して、おそらく史上最もパワフルなケイマンを作り出すことだったという。

彼らはそれをほぼ完璧に実現したそうだが、部品を再配置するための接続や配管には非ポルシェ部品を使用する必要があったとのこと。それ以外のセットアップは非常に完璧だったが、最大の課題は水冷却システムだった。

このクルマはフロリダのような高温気候での使用を想定しているため、JT Oliverという名前の製作者の助けを借りて、リアマウントのインタークーラーとフロントトランク（フランク）に搭載されたタンクの間で水を循環させるシステムを完成させたそうだ。

 

View this post on Instagram

 

caymanGT2RS(@caymangt2rs)がシェアした投稿

驚異的なパワーと性能

出力に関しては、GT2 RSエンジンを搭載したケイマンはパワーチェックをした時点で650馬力を発揮The company said that it is doing so.

しかし、これは控えめな数字であり、彼らの主張によれば800馬力まで引き上げることができるという。オーナーの説明によると、彼らはパワーを増加させる前にトラクションの最適化に焦点を当てているそうだ。これらすべてが、純正ECU、PDKキャリブレーション、ABS、パワーステアリング管理（PSM）で達成されたことは、非常に印象的だ。

外観においても、リアに施された驚異的な改造に合わせたアップグレードが行われている。ケイマンGTSはポルシェディーラーから調達したケイマンGT4のパーツを使用してアップグレードされた。ダンピングとブレーキもGT4Sクラブスポーツのパーツを使用して強化され、ホイールは18ポンドのForgeline GA1R軽量ホイールにアップグレードされているとのこと。

ポルシェ純正部品へのこだわり

このプロジェクトで特筆すべきは、ほぼすべてのパーツにポルシェ純正（OEM）部品を使用していることだ。製作者たちは、工場製コンポーネントの再配置や接続に必要な場合にのみ非ポルシェ部品を使用したという。これにより、高い信頼性と品質を維持しながら、驚異的なパフォーマンスを実現することができたようだ。

水冷システムは、特にフロリダのような高温環境での使用を考慮して入念に設計されている。リアに搭載されたインタークーラーとフロントトランクに設置されたタンクの間で水を循環させる独自のシステムにより、エンジンの適切な冷却を確保しているそうだ。

 

View this post on Instagram

 

caymanGT2RS(@caymangt2rs)がシェアした投稿

現在購入可能な究極のケイマン

このエンジンスワップされたケイマンGT4は現在、春から夏にかけて耐久テストを受けている。

水冷システムが意図したとおりに機能することを確認するためのようで、なんと、このクルマは現在購入可能だということだ。興味がある場合は応談だそうだが、正確な価格は明かされていない（安くはないことは確実だ）。

このプロジェクトは、ポルシェケイマンの可能性を極限まで引き出した例として、多くのポルシェ乗りから注目を集めている。標準的なケイマンでも十分に優れたパフォーマンスを持っているが、911 GT2 RSのエンジンを搭載することで、まったく新次元のドライビング体験を提供するクルマに生まれ変わったようだ。

ポルシェが電動化へと舵を切る中、内燃機関の魅力を極限まで追求したこのようなプロジェクトは、伝統的なエンジン技術への敬意と情熱を表している。GT3エンジンとケイマンの組み合わせはGT4RSで実現したが、ケイマンと911 GT2 RSの強力なフラットシックスエンジンの組み合わせは、多くのポルシェオーナーが夢見るが実現することが難しい究極の組み合わせと言えるだろう。