Electric Vehicle (EV) Home Charging Environment - Beginner's Guide

Taikan charging screen
Porsche Maintenance Costs

今回は、電気自動車(EV)の自宅充電環境について、よくいただく質問にお答えするかたちで、詳しく解説していきたいと思う。

わが家にはテスラのモデル3が1台と、ポルシェのタイカンが2台、合計3台のEVがある。
これらのクルマを毎日充電している経験から、自宅の充電環境をどうすれば良いか、初めてEVを購入する人が抱きがちな疑問や不安を解消できれば幸いだ。

私自身も最初は右も左も分からず、「何キロワット」といった単位すら理解していなかった。今回は、そんな過去の私と同じような悩みを持つ人にぜひ読んでほしい。

タイカンの内装

まずはここから!EVの基礎知識:kWhとkWの違い

EVの自宅充電について考える前に、まずは基本的な用語を理解しておこう。よく耳にする「kWh」と「kW」の違いは何だろうか?

kWh(キロワットアワー)は、バッテリーの容量を表す単位だ。これは、エンジン車のガソリンタンクの容量に相当すると考えると分かりやすい。例えば、タイカンの最新モデルの一番大きなバッテリーは約100kWh、テスラのモデル3ロングレンジは75Kwhと表現される。つまり、数字が大きいほど、より多くの電気を蓄えられるということだ。

On the other hand.kW(キロワット)は、充電器の出力(パワー)を表す単位だ。これは、ガソリンスタンドでいうと、ホースからどれだけのガソリンを単位時間あたりに出せるか、つまりタンクにガソリンを注入するスピードに相当する。数字が大きいほど、より速く充電できるということになる。

自宅の充電設備でいうと、日本の一般的な100Vコンセントは約1.5kW(実際には1.2kWから1.3kW程度)。そして、多くの家庭にある200Vのコンセント(エアコンなどに使われる)は、約3kWの出力となる。

これらの数値を理解しておくと、「バッテリー容量(kWh)」を「充電設備の出力(kW)」で割ることで、充電にかかる時間がおおよそ計算できる。

充電時間 = バッテリー容量(kWh) ÷ 充電設備の出力(kW)

「6kW、8kW必須」は本当か?

EVの購入を検討する際、ディーラーから「このEVなら6kWの充電設備が必要ですよ」とか、「バッテリー容量が大きいので、8kWは必要です」などと言われることがあるようだ。しかし、これは半分正解で、半分間違いだと私は考えている。

なぜなら、必要な自宅充電設備の出力は、EVのバッテリー容量ではなく、「1日にどれくらい走行するか」によって大きく変わるからだ。

例えば、毎日200kmや300kmも走行するような人であれば、確かに6kWや8kWの充電設備が必要になるだろう。そうでないと充電が間に合わない。しかし、普通の人はどうだろうか?

私の場合、通勤で往復50km程度だ。通勤で毎日100km走行するという人は、かなり少ないのではないだろうか。
おそらく、ディーラーの方々は自宅で充電した経験があまりないのかもしれない。自宅で充電するようになると分かるのだが、EVのバッテリーを毎日空になるまで走行させることはまずない。(スマホの電池の減りと同じ感覚で考えてはダメ)

今のEVは、満充電で300kmから500km、もっと走行できるクルマもある。毎日300kmも500kmも走行するだろうか?
毎日帰宅時にバッテリーが空になっているような状況なら、8kWクラス以上の充電設備が必要になるだろう。しかし、そんな人はほとんどいないはずだ。

3kWの充電設備で十分な理由と計算方法

実際、1日に50km程度走行するくらいなら、例えばタイカンのバッテリー消費量は、季節にもよるがおおよそ10%、寒い日に少し飛ばし気味に走行しても15%程度だ。つまり、100%充電の状態から1日走行しても、85%から90%は残っているThis will be the case.

その状態で帰宅し、コンセントを挿して充電すると、10%や15%のバッテリー回復には、3kWの充電器でも、多めに見積もっても5時間程度で済んでしまう。

具体的に計算してみよう。タイカンのバッテリー容量は約100kWh。その10%から15%というと、約15kWh。15kWhを3kWで割ると5になるので、5時間で充電できる計算だ。

5 時間 = 15kWh(一日の走行で消費した電力) ÷ 3kW(自宅の充電設備の出力)

さらに、睡眠時間や食事、お風呂の時間などを考慮すると、自宅には最低でも10時間程度はいるはずだ。仮に10時間自宅に居て3kWのコンセントから充電できる量は30kWh。これはタイカンのバッテリーの約3分の1に相当する。毎日3分の1以上、つまり少なく見積もって120km以上の距離を走行するかというと、まず走行しない。だから、3kWで十分It is.

EV用200Vコンセント

EV用200V(3kW)コンセント これ自体は定価5000円くらい

高出力充電設備のメリットとデメリット、そして費用感

もちろん、6kWや8kWの充電設備を導入すれば、充電速度は格段に速くなる。3kWの倍、あるいはそれ以上のスピードで充電できるので、より早く充電を完了させたい人には魅力的だろう。

しかし、高出力の充電設備を導入するには、それなりの費用がかかる。工事費は20~50万円程度になることもあり、充電器自体も高価で、対応する製品だと10万円以上することも珍しくない。それにこういう高出力充電器はコンセントに挿すのではなく、配電盤に結線して付けないといけない。

一方、3kWの充電設備であれば、工事費は比較的安く済む。家の環境にもよるが、私の実家ではガレージに200Vコンセントを2口設置しても10万円で済んだ。現在の私の家でも、2口で15万円程度It was.

つまり、200Vのコンセントを2口設置しても、数万円から10万円程度、多くても15万円程度で済む場合が多い。さらに、3kWの充電設備であれば、高価な充電器を購入する必要もない。Amazonなどで2万円から3万円程度で販売されている中国製や台湾製のEV充電器や、ネットオークション等で売られている中古の純正充電器で十分だ。わが家のタイカンも、それらの充電器で問題なく充電できている。

ポルシェ ユニバーサルチャージャー

激安でメルカリで売っていたパナメーラハイブリッドの充電器(PORSCHE Universal Charger)を使っている

EV充電器

もう一つはAmazonで買った2万円くらいの充電器。これで十分。何ら不足なく、トラブルもなし。

将来性も考慮した上での結論:3kWで十分?

「将来、EVが進化してバッテリー容量が増えたら、3kWでは足りなくなるのでは?」という疑問を持つ人もいるかもしれない。しかし、それは逆だ。将来、バッテリー容量が増加する一方で、電費(1kWhあたりの走行距離)も向上する。つまり、1日に必要な電力量は少なくなるため、ますます3kWで十分になる可能性が高い。

もちろん、6kWや8kWの設備を導入すれば、充電は非常に速く完了する。しかし、自宅で急いで充電する必要性はそれほど高くないのではないだろうか。それよりも、コストパフォーマンスに優れた3kWの充電設備を導入するという選択肢を検討してみてほしい。

最後に今回の話をまとめると、自宅のEV充電設備は、毎日かなりの長距離を乗る人以外は、3kWで十分だということ。そして、その環境なら非常に安価に工事でき、充電器も安く済ませられるということだ。
ディーラーの担当者の言葉を鵜呑みにせず、自身のライフスタイルに合わせて充電設備を選んでほしい。

Hiro

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  1. bio-

    Hello. - Hello.

    こういう記事本当に重要です。私もi3は3kw充電で問題なかったですが、タイカンを購入して8kw(40A)充電を導入しました。

    なぜかというと、毎日充電につなぐのがめんどくさい、たまに長距離運転して帰った時にほぼゼロから100%近くにもっていきたいとの思いからです。

    ですが、長距離乗った時は外の急速充電で充電して帰って、残りを家でと考えれば確かに3kw(15A)で十分ですね。

    欲を言えば、BMW i3とポルシェ タイカンが同じ充電器が使えたら一番なのですが、中華製は今でも怖いです。

    1
    • HiroHiro

      Hello, bio.

      i3とタイカンの充電についての体験をシェアしていただき、とても興味深く読ませていただきました。
      毎日充電をつなぐ手間を考えると、確かに8kwの充電器があると便利ですよね。長距離運転後の充電速度が重要になるのもよく理解できます。
      ちなみに、BMW i3の普通充電は、タイカンと共通のJ1772規格ではないのですか??

      あと、中華製は私も怖かったのですが、色々と調べていくと純正もほとんどが中華製で、逆に今はEV先進国の中国の方が技術的に進んでいることが多いようです。
      私が使っている格安充電器はいろんあメーカーの純正のOEMを作っているメーカーだったので、選びました^^

  2. Tomoyuki

    Hello. - Hello.

    いつもタイムリーな情報提供ありがとうございます。

    我が家のカーライフは「ポルシェが我が家にやってきた」に多大な影響を受けており、現在は991.1GT3RSに加えて RS etron GT を数日前に購入しました。テスラと迷いましたが昔ながらの価値観と流麗なスタイル、PCAの150kwhの充電器が身近にあるので決めました。実際走りは非常に満足していますが、ナビの陳腐さには笑えてきます。OTTOCASTの購入も検討しています。

    充電については全くの初心者なので、基礎充電に続いて急速充電について教えて貰えると嬉しいです。
    e-mobility PowerやPCAとかPower Xなどいろいろありますが、どのように使用(契約)されていますか?
    それぞれ固定費も発生するので、実情を教えて貰えると幸いです。

    • HiroHiro

      Tomoyukiさん、こんにちは。

      ブログを読んで頂き、ありがとうございます!
      影響を受けて頂けるほどのブログではありませんので、恐縮ですが。。。

      急速充電はほとんど利用しないのですが、使う時はSA/PAのもので、
      滅多に使わないので、いつもゲスト会員で利用しています。(毎回クレカ情報入れるのが面倒ですが)
      あと、使ったことはないですが、ENEOS EV充電の会員(無料)にはなっています。
      基本的に、年に数回レベルでしか急速は使わないので、毎月の費用が無料のものだけ会員登録だけしています。

  3. Room302

    このブログは重要な点を見落としていると思います。
    走った分だけちょこちょこと充電するので3kWの充電設備で良いと言ってますが、その様な充電をしているとバッテリーが劣化します。
    基本は.充電量が20%程度になってから80%まで充電するのが、バッテリーを劣化させず長持させる基本であり、ポルシェやアウディのディーラーでもその様にアドバイスしてます。スマホのバッテリーを長持ちさせる方法と同じです。
    従い、バッテリー容量の60% (80% – 20%) を充電するのにどれくらいの時間がかかるかを計算して充電機の容量を選ぶべきだと思います。
    充電機を渋って肝心な車のバッテリーの劣化を早めてしまうことも考慮して充電機を選ぶべきではないでしょうか。
    私は、タイカンと迷いましたが、AUDIのRS e-tron GT に乗ってますが、自宅の充電機は8kWにしました。

    • HiroHiro

      Room302さん、こんにちは。

      コメントありがとうございます。
      ご指摘いただいた点について、ポルシェの公式見解やバッテリーの研究情報をもとにご説明いたします。

      まず、ポルシェは公式に「毎回フル充電する必要はなく、部分充電(例えば80%程度まで)でもバッテリー寿命が短くなることはない」と明言しています。
      またポルシェ公式サイトの「20%までバッテリーを使い、80%までゆっくり充電することでバッテリーを保護することもできます。」という記述がありますが、これは「バッテリーを保護する一例」として紹介されているものであり、必ずしも毎回20%まで使い切って充電することを推奨しているわけではありません。この記述は、充電範囲を20%〜80%の間で運用することがバッテリーに負担を与えない理想的な使用範囲であることを示しています。

      バッテリーの専門的な研究でも、リチウムイオン電池は充電残量が極端に高い(90〜100%)状態での保管や深い放電状態(20%以下)を繰り返すほど劣化が早まるとされています。逆に、充電レベルを中間(20%〜80%)に抑えて細かく充電することで、サイクル寿命が大幅に延びることが明らかになっています。
      バッテリーの劣化を抑えるには、大きな充放電(深いサイクル)を避けるのが重要です。
      たとえば「残量20%から80%まで一気に60%分を充電する」というのは、1回あたりの充放電幅が大きい(深いサイクル)になります。一方、日常的に50%から80%、あるいは40%から70%といったように短い間隔で細かく充電していれば、1回の充放電深度が小さい(浅いサイクル)ので、その分バッテリー寿命は長くなる傾向があります。
      「スマホのバッテリーを長持ちさせるには20%〜80%の範囲が理想」という話をEVに当てはめる場合も、“20%近辺まで使わないと充電してはいけない” という意味ではありません。あくまで「過放電(0%に近い状態)や過充電(100%付近)を日常的に続けない」ことが大切というだけで、途中のこまめな充電はむしろ推奨されているのです。

      テスラなども同様の推奨をしており、毎日のようにこまめに充電する方がバッテリーにとって優しい運用方法であると公式に述べています。

      充電設備の選択についても、頻繁な急速充電はバッテリー劣化を促進しますが、自宅等での3〜6kW程度の通常充電はむしろバッテリーに優しく、適切な選択であるとポルシェ自身が推奨しています。
      以上の点から、「20%まで減ったらまとめて充電」という方法が必ずしも最適ではないことをご理解いただけると幸いです。

      【参考リンク】
      ・ポルシェ公式サイト FAQ(充電に関する質問)
      https://www.porsche.com/japan/jp/aboutporsche/e-performance/faq/
      ・テスラ公式サイト バッテリーと充電
      https://www.tesla.com/jp/support/range-and-charging
      ・Battery University(リチウムイオン電池の寿命に関する研究)
      https://batteryuniversity.com/article/bu-808-how-to-prolong-lithium-based-batteries

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  4. Yoshifumi Nakauchi

    はじめまして。知識とウィットに溢れた記事を毎回楽しく拝見しております。
    私は2年ほど前に初めてのポルシェとしてマカンを購入したのですが、その際にもこちらのブログでおおいに勉強させてもらいました。

    さて、ご承知の様にマカンEVが発売されたので、ここ数ヶ月ネットで楽しんでおりました。
    ようやく日本上陸が始まりましたので、来週試乗に行ってまいります。
    ガレージの充電設備をどうしたものかと悩んでいたのですが、この記事でスッキリ解決しました。
    ディーラーさんの口車に乗らないようにしますw。有難うございました!

    • HiroHiro

      中内淑文さん、こんにちは。

      はじめまして、マカンEVの購入、おめでとうございます!
      私もマカンEVには興味津々です。ぜひ、納車されましたら感想をコメントで教えて下さい。
      充電設備は、毎日の走行距離で選ばれればいいと思います。
      短距離なら3kWでも十分です。

  5. bio-

    Thank you for your help.

    先日ご指摘いただいたAC充電の規格ですが、BMW i3もポルシェと一緒のJ1772 type1でした。

    そこで、ポルシェの8kw充電器を繋いだら何事もなかった様に普通に充電が出来ました。
    今まで3kwでやってたので、約2、5倍のスピードで充電できました。一個の機械で両方できるので直結常設のポルシェ充電器に集約できそうです。

    勝手に出来ないと思ってました。

    Thank you very much.

    • HiroHiro

      Hello, bio.

      やはりBMWも同じJ1772でしたか!
      それは良かったです。基本的にEVはメーカー云々より、規格でしっかりとプロトコルがきめられてますので、その規格で判断されればいいと思います。
      集約できればスッキリできそうですね。
      これからもEVライフを楽しんでください!

      1
  6. Room302

    ご丁寧な説明有難うございます。
    ポルシェでは、20%まで使い80%までゆっくり充電することで保護できるという表現ですが、アウディのアプリ myAudiの充電のヒントには、「日常運転では、最大80%まで充電して下さい。これによりバッテリーの経年劣化プロセスを遅らせることができます。これにより使用可能なバッテリー容量が延長されます」と記載されてます。
    また、充電設定で80%以上まで充電しようとすると警告が出ます。
    長距離を走行する場合、出発時間に合わせて100%充電するようにとも記載されており、ディーラーからも100%充電したまま放置するとバッテリーの劣化を進めると言われてます。
    実際にディーラーの点検で100%まで充電した時は、ディーラーもそのまま放置せずスウィッチを入れエアコンを付けて電力を消費して80%まで落としてました。
    充電の上限は、やはり80%にとどめるのがバッテリーにとっては良いということは事実だと思います。

    細かく充電を繰り返した方が良いという事については、ご説明頂いた内容とサイトを元に、ディーラーのサービスとも確認したいと思います。今までは、20%程度まで使ってから80%まで充電する事で劣化を遅らせるという充電方法を、購入時よりアウディのディーラーに勧められてました。
    これはポルシェのディーラーにも確認したところ同様の回答でした。但し、ポルシェのディーラーは、そこまで気にしなくとも劣化はメーカー保証の範囲内にとどまるとは言ってました。その理由は、保証値を実際の値よりかなり低く設定している為であるとの説明でしたので、要は、劣化は進むが保証値内にとどまる、劣化を遅らせてバッテリー容量をできるだけ持たせたいのであればその様な充電を行うのが良い、という事でした。

    充電機については、車の使い方次第ですので、人それぞれだと思いますが、気温が低いと電費が悪くなる為、日常使いでどれだけ消費するかは、真冬をベースに考えた方が良いと思います。春、夏、秋に、1日10%〜15%を使い、毎日その分を5時間程度で充電するのであれば、冬場は厳しいかもしれませんね。
    個人的な感想ですが、ゴルフ場などで3kWの充電機を使いますが、自宅が8kWのこともあるかもしれませんが遅くて物足りないです。

    長文となりましたが、一時期の盛り上がりに反し、現在EVには逆風で、その影響もあり下取金額が驚くほど下落しおり、更に下取時のバッテリーの劣化状態が下取金額に響くようなので、バッテリーの劣化をいかに抑えるかは気になるところです。

    • HiroHiro

      Room302さん、こんにちは。

      再度のご丁寧なコメントをありがとうございます。

      まず、80%充電の件については、おっしゃる通りです。
      当ブログでも80%以上の充電を推奨しているわけではなく、実際にポルシェやテスラのアプリから「必要な時だけ80%を超えて充電してください」といった警告が出るこで私自身も重々認識しており、長距離走行時以外は80%程度までの充電を推奨していることは共通認識だと思います。

      細かい充電サイクルの是非については、実は回生ブレーキの仕組みを考えると、EVは本質的に「細かな充放電」を前提に設計されています。
      一回の走行中に何度も発生する回生ブレーキによる充電が、もしバッテリーに悪影響を及ぼすなら、そもそも回生ブレーキシステム自体が採用されないはずです。メーカーがこのシステムを積極的に採用している事実は、適切な範囲内での細かな充放電がバッテリーにとって許容範囲内であることを示唆しています。

      充電速度と日常使用については、おっしゃる通り使用パターンによって最適な選択は変わります。冬場の電費悪化を考慮しても、多くの方の日常使用(数十km/日)であれば、自宅滞在時間(10時間以上)を考えると3kWでも十分対応できるケースが多いと考えています。もちろん、より速い充電を望まれる方や、特殊な使用パターンの方には、6kW、8kWの設備も選択肢として有効です。当ブログはあくまでコストパフォーマンスの観点から、多くの方にとって3kWが十分である可能性を提案しているものです。

      ゴルフ場などの外出先での充電については全く同感です。限られた時間で効率的に充電したい場合は、より高出力の充電設備が便利ですね。

      現代のEVバッテリーの耐久性については、具体的なデータを見ると非常に興味深い傾向が見えてきます。
      テスラが公開している公式データによると、モデルS/Xのバッテリー容量保持率は驚くべき耐久性を示しています。
      テスラの調査では、走行距離20万マイル(約32万km)に達しても、バッテリー容量は当初の約90%前後を維持していることが確認されています。

      ポルシェ・タイカンやアウディe-tronについては、海外のユーザーフォーラムnユーザー報告からある程度の傾向を推測できます。初期劣化に関しては、タイカンは最初の1年(1〜2万km)で5〜7%程度容量が減る報告が複数ありました​。例えばタイカンRWDオーナーは約1年弱・1.8万kmで93%になっていますし​、4Sオーナーも同程度で91%でした​。この初期劣化幅はテスラ車の多くで見られる最初数%のドロップよりやや大きい印象があります​。しかしその後の推移を見ると、タイカンも劣化ペースは落ち着いてくるようです。

      これらのデータを総合すると、現代のプレミアムEVのバッテリー劣化パターンは以下のようになります。

      ・0 km(新品): Taycan 100%, Tesla 100%
      ・20,000 km: Taycan ~93%​, Tesla ~97% (初期降下含む)
      ・50,000 km: Taycan ~90%前後, Tesla ~95%前後​
      ・100,000 km: Taycan ~89%​, Tesla ~90%​
      ・200,000 km: Taycan — (データ不足, 推定80%台), Tesla ~88%​

      私が持っているデータがタイカンのデータしかなくて恐縮ですが、兄弟車なので大きな違いは無いと思われます。

      私自身のテスラも、日常的に3kWの充電器で細かな充電を繰り返していますが、本日時点で17,300km走行後のバッテリーSoH(State of Health)は99.4%と、わずか0.6%の劣化に留まっています。
      これは適切な充電習慣(20%〜80%の範囲内での充電)を守ることで、バッテリー寿命を最大限に延ばせることを示唆しています。

      また、ポルシェやアウディなどのプレミアムEVメーカーは、バッテリー保証値を実際の性能よりかなり保守的に設定しているため、通常の使用では保証期間内に問題が生じる可能性は低いと考えられます。ポルシェのタイカンの場合、8年または16万kmでバッテリー容量70%を保証していますが、実際の劣化ペースを見ると、この期間内に70%を下回ることはほぼないでしょう。

      これらのデータから、現代のEVバッテリーは以前の世代と比較して格段に耐久性が向上しており、適切な使用範囲を守りながら日常的に使用する分には、極端な劣化を心配する必要はないと言えます。
      貴重なご意見とディスカッションの機会をいただき、ありがとうございました。このような対話を通じて、EVオーナー同士で知識を共有できることは大変有意義だと感じています。

      【参考リンク】
      ・テスラ2023年インパクトレポート(バッテリー劣化公式データ)
      ・https://www.tesla.com/jp/support/vehicle-warranty
      ・ポルシェタイカンオーナーフォーラム(TaycanForum.com、バッテリーSoH実測報告)
      https://www.taycanforum.com
      テスラオーナーコミュニティのバッテリー劣化に関する議論(Tesla Motors Club)
      https://teslamotorsclub.com

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  7. てっちゃん

    はじめまして、いつもブログを興味深く拝見しております。
    さて、タイカンの充電についてなのですが、私は普段は公共の充電施設や提携販売店の施設を利用しているのですが、実はマンションにはEV車用の200Vのコンセントがあります。
    しかしこのコンセントを利用するには、標準装備の充電器は使えないので記事にもある様な社外品の充電器を利用しなければいけません。
    これを担当者に尋ねたところ充電は可能だが、もし車両の充電関係や電気関係に不具合が起きた時に社外品の利用があった場合は一切保証が適用されないと聞いて利用しておりません。
    コンセントを利用なら新たに最近販売された200Vコンセントケーブル付きのモバイルチャージャーを購入して欲しいと言われました。
    しかしコンセント利用の為だけで30万弱するのを買うのは馬鹿馬鹿しいし、そもそも結線型の充電器があるのだからコンセント型のケーブルだけ売って欲しいと言っても、結線ケーブルの付いたこの充電器にコンセントケーブルを付け替えるのも、もしもの時は保証外対応になるとの事で、担当者もオフレコでホントは大丈夫なんだけど、それだけは伝えないと…と言ってるので、仕方なく現状の充電スタイルとなっています。
    Hiroさんは普通に社外品を利用されているようですが、その辺りの見解は如何でしょうか。

    • HiroHiro

      こんにちは、てっちゃんさん

      はじめまして。コメントをありがとうございます!いつもブログをご覧いただき感謝します。

      マンションの200Vコンセントと充電器についてのご質問ですが、ディーラー担当者からの「社外品を使うと保証が適用されない」という説明にご不安を感じていらっしゃるのはごもっともです。

      この件について、私も以前、ポルシェEVの保証規約を詳しく調査してみました。
      結論からお伝えすると、社外品の充電器使用自体が直ちに保証全体を無効にするわけではありません。
      【ポルシェの公式保証方針について】
      ポルシェジャパンの公式情報によると、タイカンには高電圧バッテリーに対して8年間または走行16万kmまでの保証が付与されています。保証の条件として「取扱説明書に従った正しい使用」が求められていますが、実際にポルシェの公開文書には「社外充電器を使うと保証が無効になる」といった明確な記載はありません。

      重要なのは以下の2点です:

      ・車両側の欠陥であれば、他社製充電器を使用していても保証修理される
      ・充電器自体の不具合が原因で車に問題が生じた場合のみ、その修理部分が保証対象外になる可能性がある

      【そもそも電気自動車は公共の充電器(純正以外)での充電を前提にしている】
      ポルシェジャパン自身もAudiやVW、Lexusとの提携による「プレミアムチャージングアライアンス」を構築し、他社ブランドの充電器をポルシェオーナーが利用できるようにしています。
      これは他社製充電器の使用自体を前提としている証拠です。

      【海外での対応との整合性】
      ドイツや北米などでも同様の保証方針が適用されています。特に欧州ではIonity(ポルシェが出資する高速充電ネットワーク)をはじめ各種公共充電器の利用が日常的で、他社充電インフラの使用は「正しい使用方法」の一部とみなされています。
      北米では一時的に充電器のリコールがあった際、ポルシェが「第三者製充電器によるいかなる損害もポルシェは責任を負わない」と注意喚起しましたが、これも「その充電器が原因の損害部分に限った話」であり、全保証が無効になるという意味ではなかったことが後に明確にされています。

      【法的な観点からの解釈】
      製造物責任法の観点からも、「自動車側の欠陥は自動車メーカーの責任、充電器側の欠陥は充電器メーカーの責任」という区分は一般的です。つまり、誰が何の責任を負うかは、不具合の原因がどこにあるかによって合理的に判断されるべきものです。

      私自身、社外品の充電器を問題なく使用していますが、当然ながら正しい規格適合品を選んでいます。これまで社外品の充電器で充電関係で車両に不具合が生じたことはなく、点検などでも充電による問題を指摘されたことはありません。

      担当者がおっしゃった「もしもの時は保証外」という説明は、おそらく「充電器由来のトラブルはポルシェでは責任を負えない」というニュアンスだったのでしょう。
      ただ、その表現が少し強すぎて「充電器を使っただけで保証全体が無効になる」と誤解されやすい言い方だったのでは、と思われます。
      もし安心を求めるなら、担当者の方に「車両側の欠陥であれば社外充電器を使用していても保証されますか?」と確認を取ることをお勧めします。

      また、充電器選びについては、日本で売られているほとんどのメーカーの純正製品が中身は中国や台湾製ですので、生産国やメーカーが有名かどうかにこだわらず、そもそも規格に適合しているのか、またそのメーカーはどういうメーカーにOEM提供しているかなどの実績を調査された上で、信頼性の高い製品を選ぶことが大切だと思います。

      マンションに設置された200Vコンセントを活用できれば、充電の柔軟性が大幅に向上しますね。
      最終的にはてっちゃんさんのご判断ですが、もし私なら、普通にマンションの200Vコンセントで、信頼できるメーカーの汎用充電器か、オークション等で程度の良い自動車メーカー製の充電器を使うと思います。
      大事なのはJ1772規格に準拠しているかどうかであり、さらに言うと、J1772の普通充電は実際には変電は車両のオンボード充電器で行われるため、正確には「充電器」とは言わないと言われており、単に電気を通しているコネクターなのです。あくまでも個人的見解ですが、そのため、そんなに普通充電は神経質に考えなくても良いと思います。

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  8. てっちゃん

    早速の丁寧なご回答を頂きありがとうございました。
    よく理解できました。
    担当者も他の管理ユーザーが社外充電器や変換プラグ等を利用している事例は知っているみたいで、実用上問題なく使えている事も把握していると仰っていましたが、立場上そう言わざるを得ない事は理解できますし、メーカーも社外品の利用を推奨する事はあり得ない事も当たり前ですよね。
    私も以前、友人の家に遊びに行った時、ガレージでクラウンスポーツに差しているプラグを外して、帰るまで充電すればいいよ!と言われて徐にタイカンに差し込み、普通に充電されているのを見て拍子抜けした事もあります(笑)
    まぁ、販売店もとにかく結線、8Kw!ではなく一番の懸念の充電について、Hiroさんの記事の様な自由度のある説明をすればタイカンはもっと売れると思うんですけどね。
    これからはマンションでの充電も併用してみたいと思います。
    Thank you!

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